はじめての注文住宅|家づくりスケジュールと失敗しない進め方(完全版)

 

家づくりって、全部でどれくらい時間がかかるのだろう。

はじめて注文住宅を考え始めた方ほど、

スケジュールの全体像が見えず、不安を感じやすいものです。

でも、家づくりの流れと時間の目安がわかると気持ちに余裕が生まれます。

 

 

1,家づくり全体のスケジュール|1年から2年が目安

 

細かい内容はあとから説明しますので、

ここでは「全体でこれくらい時間が必要なんだな」という感覚で大丈夫です。

 

家づくりの段階 主な内容 期間の目安
検討・準備 土地探し/住宅会社探し/資金計画
(住宅ローン事前審査)
3か月〜1年
計画・契約 間取り・見積/住宅会社決定/請負契約
住宅ローン手続き
4〜6か月
工事 着工〜完成・引き渡し 4〜6か月
全体の目安 ※多くの工程は同時進行 約1〜2年

 

一般的な注文住宅のスケジュールの流れと期間の目安になります。

もちろん、条件や状況によって前後しますが、

「思っていたより時間がかかる」と感じる方も少なくありません。

では、各段階をもう少し具体的に見ていきましょう。

 

家の模型とスケジュール表

 

 

2,情報収集|家づくりのイメージをつかむ時間(目安:1か月)

 

家づくりを考え始めたとき、

いきなり土地探しや住宅会社探しを始める必要はありません。

まずは、情報収集をしながら、

家づくりのイメージをつかむ時間と考えてみてください。

 

 

(1)ネットや雑誌で、気になるものを見るところから

 

この時期は、

  • インターネットの記事
  • 住宅雑誌
  • 施工事例やSNS

などを見ながら、「こんな暮らしがいいな」「この雰囲気、好きかも」

と感じるものを、気軽に集めていきます。

 

 

(2)住む場所と建物を、少しずつ考えてみる

 

情報を見ながら、次のような点を、

ぼんやり考えてみてください。

 

住む場所について

  • 通勤を優先したいか
  • 子どもの環境を重視したいか

建物について

  • デザイン重視か
  • 性能(断熱・耐震など)重視か

 

この段階で、はっきり決める必要はありません。

「なんとなくの方向性」が見えてくれば十分です。

マイホームを空想する人

 

(3)次のステップにつながる準備期間

 

少しでもイメージができてくると、

土地を見たときや住宅会社の話を聞くときに、

判断がしやすくなります。

この時期は、焦らず進めて大丈夫です。

 

おさらい|情報収集で考えておきたいポイント

項目 ポイント
見るもの ネット・雑誌・施工事例・SNSなどを気軽に
考える視点 暮らし方/住む場所/建物の雰囲気
心がけ この段階では、はっきり決めなくてOK

 

 

3,土地探し(目安:3か月〜1年、(3)の住宅会社選びと同時スタート)

 

(1)土地探しは、どうやって進めればいい?

 

はじめての家づくりでは、

まず「土地探し」から始める方が多いと思います。

スタートは、不動産サイトで希望エリアを検索してみるところからが一般的です。

最初は、「良い・悪い」を判断できなくて当然です。

どんな土地が出ているのかを知ること自体が、大切な一歩になります。

 

 

(2)土地探しはタイミングもあるので、時間が必要

 

土地探しにかかる時間は、人によってさまざまです。

というのも、すべての希望を満たす土地に出会うこと自体が、

簡単ではないからです。

そのため、3か月から1年くらいの余裕をもって探していくと後悔しません。

売り土地のイラスト

 

 

(3)見つからないときは、「条件」を見直してみる

 

探してもなかなか決まらないときは、

一度、条件を整理し直してみるのがおすすめです。

たとえば、

  • 立地
  • 広さ
  • 予算
  • 周辺環境

すべてを完璧に満たそうとすると、どうしても選択肢は少なくなってしまいます。
「ここだけは譲れない」という優先順位を決めると、判断がしやすくなります。

もし100点満点の土地でなくても、いちばん大切にした条件を満たしていれば、

それは「良い土地に出会えた」と考えて大丈夫です。

80点のテスト

 

 

(4)ワンポイント「土地だけ先に決める」ことについて

 

土地を探していると、

「良さそうな土地が出たから、先に押さえたほうがいいのかな」と感じる場面も出てきます。

ただ、家づくりは土地と建物を合わせた、トータルの計画がとても大切です。

 

実際に「土地を先に決めた結果、建物に十分お金がかけられなかった」というケースは、私も何回も見てきました。

そのため、土地だけで判断せず、全体を見ながら進めるという考え方を、

ぜひ覚えておいてください。

 

おさらい|土地探しで決めておきたいポイント

項目 ポイント
探し方 まずは不動産サイトで「どんな土地が出ているか」を知る
期間 タイミングもあるため、3か月〜1年程度の余裕をもつ
判断のコツ 100点を目指さず、譲れない条件を優先する
注意点 土地だけで決めず、建物と合わせた予算で考える

 

 

4,住宅会社選び(目安:3か月〜6か月、「2,土地探し」と並行して進めます)

 

(1)土地探しと同時に、住宅会社選びも進めます

 

家づくりは、土地だけ・建物だけで考えることができません。

そのため、土地を探しながら、「住宅会社選びも同時に進める」という進め方が失敗しにくくなります。

建物の内容や費用の目安がわかっていると、

「この土地で、本当に建てられるか」を判断しやすくなるからです。

いろいろな住宅の外観

 

 

(2)住宅会社選びは「気になる会社に聞いてみる」ことから

 

まずは、(1)の情報収集で気になった

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • 設計事務所

に、問い合わせをしてみましょう。

 

 

(3)事前に「どんな家にしたいか」を少し整理しておく

 

話を聞きに行く前に、「どんな家にしたいか」の優先順位を整理しておくと、住宅メーカー選びがスムーズになります。

  • 間取り(たとえば平屋建て・ガレージ付きなど)
  • 性能(たとえば断熱性・耐震性など)
  • デザイン(シンプル・都会的・三角屋根など)
  • コストとのバランス

「気になっている」ところをピックアップして絞ってゆきます。

家のことを話し合う夫婦

 

(4)話を聞く会社は、2〜3社くらいがちょうど良い

 

家族全員が、最初から同じハウスメーカーを第一希望だったなら良いのですが、

そういうケースは少ないかもしれません。

おすすめは、気になる会社の中から、2〜3社にまず絞って聞きに行くことです

これは5〜6社を一度に回った場合は、「どの会社で、どんな話を聞いたのかわからない」

ということが多く見受けられるからです。

まず希望の優先順位の高い3社くらい聞いてみて、理想の注文住宅が建設できないと感じたら、

別な日に、違う2,3社の話を聞くのが良いかと思います。

 

 

(5)間取りと見積は、必ず実際に出してもらいます

 

次の段階では、気になる会社に 間取りと見積を出してもらう ことが大切です。

というのも、

  • 「坪〇万円」と聞いて安心と思っていたら、見積は大きく違った
  • 地盤改良(杭工事)で、想定外の費用がかかった
  • モデルハウスの仕様は、オプション(標準外)工事だった

といったケースは、実はよくあります。

図面と見積を見てはじめて、現実的な総費用が見えてきます。

注文住宅と見積書

 

 

(6)住宅ローンの事前審査は、見積が出たタイミングで

 

見積の目安が見えてきたら、住宅ローンの事前審査を受けておくと安心です。

住宅ローンの事前審査とは、この家づくり計画で、

実際に融資(お金)が借りられるかを事前に確認する手続きのことです。

 

事前審査は、

  • 希望の土地でなくても
  • 住宅メーカーが決まってなくても
  • 建築費が概算金額でも

申し込みを受けてくれます。

 

また事前審査が通ったとしても

その土地でなくても、また工事予定会社でなくても、

実際に建築しなくても問題ありません。

 

 

(7)事前審査は「土地+建物」を含めて行います

 

事前審査を行う際は、土地の金額だけでなく、建物費用も含めた総額で申し込むことが大切です。

土地だけの金額で審査をしてしまうと、あとから建物費用を含めたときに、

資金計画が合わなくなることもあります。

「この予算で、土地も建物も含めて大丈夫か」を確認するための審査、

というイメージを持っていただくと安心です。

事前審査は、ご自分でも出せますし、住宅会社でも出すことができます。

銀行の窓口

 

 

(8)住宅会社選びには、ある程度の時間がかかります

 

最初に相談したハウスメーカーで、間取りも予算もすべてぴったり合うケースは、経験から言うと少ないかもしれません。

実際には、

  • 住宅メーカーを見直したり、
  • 間取りを何度も調整(変更)したり、
  • 土地の候補を変更したり

などですることがほとんどです。

そのため住宅メーカー選びには 3か月〜6か月ほど かかることが一般的です。

でもじっくり進めた分、あとからの「こんなはずじゃなかった」を減らしてくれます。

 

おさらい|住宅会社選びで押さえておきたいポイント

項目 ポイント
進め方 土地探しと並行して住宅会社選びも進める
会社選び 気になる会社2〜3社に絞って話を聞く
事前準備 間取り・性能・デザインなどの優先順位を考えておく
見積・資金計画 間取りと見積を出し、土地+建物でローンの事前審査を行う
期間の目安 納得いくまで進めると3〜6か月ほどかかることも

 

 

5,土地の契約(目安:1〜2か月、「5,住宅会社を決める」と並行して動きます。)

 

(1)土地契約は「申し込み」から始まります

 

希望に合いそうな土地が見つかり、「この土地なら、希望の家も予算内で建てられそう」と判断できたら、まず不動産会社へ連絡をします。

その後、土地の申し込み(買付証明)を行うのが一般的な流れです。

土地の購入は先着順となるケースが多いため、決断したら早めに連絡することが大切になります。

 

電話する人

この時、すでに第一候補の住宅会社が決まっている場合は、

その住宅会社を通して申し込むほうが、話がスムーズに進みやすいこともあります。

 

土地取引に慣れている人が間に入ることで、

条件の確認やスケジュール調整なども整理しやすく、

はじめての方でも安心して進めやすくなります。

 

 

(2)土地を契約するには、住宅ローンの事前審査合格が必要

 

分譲地の場合は比較的スムーズですが、一般的な土地では、申し込み内容をもとに売主が「この方に売るかどうか」を判断します。

住宅ローンを利用する場合、 事前審査に通っていることが前提でないと、 売主は「契約が白紙になる可能性がある」と考えるため、 OKの返事をしないケースがほとんどです。

そのため、土地の契約には 住宅ローンの事前審査が欠かせません。

 

 

(3)申し込みと同時に、間取り見積を進めます

 

事前審査を受けるためには、

  • 住宅会社による間取り作成
  • 間取り計画にあわせた総費用の作成

を進める必要があります。

総費用の目安が見えたなら、すぐに住宅ローンの事前審査の手続きを行います。

以前に事前審査が合格の場合でも、土地が変わる場合は、条件が変わるので再審査を行います。

なお事前審査は、土地と建物を含めた総借入額で申し込みます。

審査のイメージ図

 

(4)ワンポイント、その1|住宅会社が決まっていると、進みやすくなる

 

土地の申し込みの時期は、「決めること」「動くこと」が一気に増えます。

あらかじめ住宅会社の候補が決まっており、間取り見積の方向性が見えていると、土地の申し込みや手続きもスムーズに進みやすくなります。

その結果として、気持ちにも時間にも余裕をもって 土地の判断が出来るようになります。

 

 

(5)申し込みから契約まで

 

申し込みが受け入れられると、1~2週間以内に契約の手続きへ進むのが一般的です。

土地の契約時に、手付金(契約金)の支払いが必要になります。

手付金は、土地代金の1割程度が目安です。

金額が大きくなるため、 必要に応じて定期預金を解約するなど、 事前に準備しておくと安心です。

貯金箱

 

 

(6)ワンポイント、その2|ローン特約は「万が一」の安心材料

 

土地の契約には、ローン特約を付けておくことをお勧めします。

ローン特約とは、万が一住宅ローンが通らなかった場合に、契約を解除できる仕組みです。

支払った契約金が戻るため、大きなリスクを避けることができます。

 

 

(7)契約後から土地の引き渡しまで

 

契約が成立すると、土地の融資を利用する場合は、銀行で住宅ローンの本審査の手続きを行います。

本審査が通ると、銀行で土地代金の住宅ローン契約(金消契約)を結びます。

その後、1週間程度で融資が実行されます。

その後、売主に最終残金を支払い、土地の引き渡しとなります。

引き渡しは多額のお金が動くため、通常は銀行で行われます。

不動産取引のイメージ

 

(8)土地の申し込みから引き渡しまでの目安

 

申し込みから土地の引き渡しまでの目安は

  • 現金での購入の場合、約1か月
  • 住宅ローンの場合、約2か月(申し込み、審査、ローン契約の期間があるため)

程度見ておくとよいでしょう。

 

おさらい|土地契約までの流れと押さえておきたいポイント

項目 ポイント
申し込み 気になる土地が見つかったら、まずは「申し込み(買付)」からスタート
ローン 土地契約には、住宅ローンの事前審査に通っていることが前提
同時進行 申し込みと同時に、間取りと総費用の確認を進める
契約まで 申し込みから1〜2週間ほどで、土地契約へ進むケースが一般的
手付金 契約時に、土地代金の約1割を手付金として支払うことが多い
安心材料 万が一に備えて、ローン特約を付けておくと安心

 

 

 

6,住宅会社を決める(目安:2〜4か月)

 

土地が決まると、家づくりはいよいよ具体的な段階に入ります。

この時期は、

  • 間取りの調整
  • 仕様(設備や仕上げ)の検討
  • 見積の確認・調整

を、住宅会社と進めていきます。

 

(1)土地に合わせて、間取りを整えます

 

これまで考えてきた間取りをもとに、

  • 日当たりや眺め
  • 周囲の音や視線
  • 風の通り道

など、その土地ならではの環境に合わせて、プランを見直していきます。

同じ間取りでも、土地が変わると心地よさは大きく変わるため、この調整はとても大切な工程です。

日当たりの良い部屋

 

 

(2)仕様は「実際にいくらかかるか」を確認します

 

仕様についても、より具体的に検討していきます。

たとえば、

  • キッチンにこだわりたい
  • お風呂や洗面を使いやすくしたい

といった希望があれば、
間取りに合わせて実際の金額を見積してもらうことが大切です。

キッチンにたつ女性

 

ショールームなどで見積を取ることで、

「思っていたより高い」
「この内容なら予算内に収まりそう」

といった判断がしやすくなり、間取りと仕様、予算のバランスを整えていきます。

 

(3)これからの暮らしを思い浮かべながら、住宅会社を決定

 

間取りや仕様、費用が見えてきたら、

  • 自分たちの暮らしに合っているか
  • 安心して任せられそうか

を考えながら、住宅会社を決めていきます。

「今」だけでなく、これから先の暮らしまで想像して選ぶことが、完成後の満足度につながりやすくなります。

 

(4)住宅会社決定までの目安期間~進み方によって、変わります

 

進み具合によって、期間には幅があります。

土地が決まった時点で、

  • すでに1社〜2、3社に絞れている場合
    土地契約後、2か月ほどで住宅会社を決定(請負契約)できることもあります。
  • 住宅会社を見直す必要が出てきた場合
    3〜4か月程度かかるケースもあります。

状況に応じて進み方は変わりますが、「納得して決めること」を大切にしていただければ大丈夫です。

 

おさらい|住宅会社を決めるまでのポイント

項目 ポイント
進め方 土地条件に合わせて、間取り・仕様・費用を具体化していく
間取り調整 日当たり・音・視線など、その土地ならではの環境を考慮する
仕様確認 ショールームなどで実際の金額を確認し、予算とのバランスを取る
判断基準 暮らしに合っているか、安心して任せられるかを総合的に考える
期間の目安 状況により2〜4か月程度。納得して決めることが大切

 

7,契約から着工までの準備期間(目安:2〜4か月)

 

(1)着工打ち合わせ~工事前に行う、大切な準備期間です

 

住宅会社と契約したあとは、工事に入る前の「細かな準備」を進めていく期間になります。

この段階では、

  • 工事用図面の作成
  • 仕様の最終確認
  • 建築確認申請
  • 構造・省エネに関する検討

などが行われます。

表からは見えにくい工程ですが、家の品質や住み心地を左右する、とても重要な時間です。

 

(2)工事用図面で、暮らしを具体的にイメージ

 

工事用図面には、契約前の間取り図よりも、

  • 部屋の広さ
  • 窓の大きさや位置
  • 収納(物入、押し入れ)の寸法

などが、より具体的に記載されます。

 

この図面を見ながら、

  • 家具の配置を書き込んでみる
  • 動線に無理がないか確認する

といったように、
実際の生活を思い浮かべてチェックすることが大切です。

家のイメージをする人

 

 

(3)図面の打ち合わせ期間はゆとりをもって

 

図面の打ち合わせには、おおよそ1〜2か月ほどかかることが多く、その後、構造計算書や申請書類の作成が進められます。

せっかくの注文住宅ですので、少し余裕をもったスケジュールを想定しておくと安心です。

※契約後の流れについては、こちらのブログでも詳しくご紹介しています
https://lifehome-sekkei.com/2025/11/30/after-contract/

 

(4)図面の審査~最近は、申請に時間がかかることもあります

 

家を建てるためには、法律上「建築確認申請」という審査を受ける必要があります。

そのため構造計算、審査用の図面、書類の準備も必要となり、審査にも一定の時間がかかります。

2025年には、建築基準法改正(構造の安全など)や省エネ基準(断熱性能など)の大きな見直しがあり、これまでより時間がかかるケースが増えています。

場合によっては、申請の準備や確認だけで約2か月ほどかかることもあります。

建築図面を作成している様子

 

 

(5)注文住宅の契約から着工までの準備期間は

 

そのため契約後の工事開始までの準備期間も、着工打ち合わせや確認申請で約2か月から4か月ほどかかります。

あらかじめ余裕を見ておくことで、スケジュールだけでなく、気持ちにもゆとりが生まれやすくなります。

 

おさらい|契約後〜着工前までに行うこと

項目 ポイント
打ち合わせ 工事用図面をもとに、間取り・寸法・使い勝手を細かく確認する
仕様決定 設備や仕上げを最終決定し、金額もあわせて確認する
申請準備 確認申請・構造計算・省エネ関連などの書類作成がある
注意点 法改正や審査状況により、申請に時間がかかる場合がある
期間の目安 契約後から着工まで、2〜4か月ほどかかることが一般的

 

 

 8,着工から完成までの期間(木造2階建ての目安:4〜6か月)

 

(1)工事期間の目安について

 

一般的な木造2階建て住宅では、着工から完成まで4〜6か月程度が目安になります。

3階建ての場合は 5〜7か月程度 が一つの目安になります。

 

掘削工事

 

 

(2)地下付き住宅、解体工事などはさらに工期がかかる

 

さきほどの工事期間は、基礎工事から完成までの「建物本体の工事」の目安です。

  • 地下付き住宅
  • 傾斜地で擁壁(土留め)が必要な敷地
  • 建て替えに伴う解体工事
  • 杭打ちなどの地盤改良工事

がある場合は、土工事や安全対策の仮設工事が増えるため、工期が長くなりがちです。

そのため、解体や地盤改良を含めた「全体の工期」を、情報収集の段階から住宅会社へ聞いておくことが重要です。

特に解体工事は1〜2か月待ちになるケースも見られるので、住宅会社の決定する前に再度、日程の確認を行うことが大切です。

 

 

(3)季節や地域の影響で、工期が延びることも

 

・季節による影響

 

猛暑が続く日本では、気温が比較的安定している春・秋は着工に向いている時期とされ、
その分、工事が集中しやすくなります。

また、秋から年末にかけては、年内引き渡しの希望が多いため職人不足になりがちです。

このように、着工のタイミングが重なったり、職人の手配に時間がかかることで、当初の予定より工期が長くなるケースもあります。

 

・地域特有の事情で、工期に差が出ることも

 

雪国の冬

 

このほか、地域特有の事情により、工期が延びる場合があります。

たとえば私の住む積雪のある北海道・札幌では

  • 冬期(11月下旬〜3月中旬)は基礎工事に不向き
  • 雪解け後の春は、着工や確認申請が集中しやすい

といったことがあります。

お住まいの地域によって、北海道にはない梅雨や台風などによる工期の影響があるかもしれません。

全国的にも慢性的な職人不足が続いているため、転勤やお子さんの入学・転校など、引っ越し時期が決まっている場合は、早めに余裕をもった計画を立てることが大切です。

 

おさらい|着工から完成までの期間の考え方

項目 ポイント
期間目安 木造2階建ては約4〜6か月、3階建ては約5〜7か月が一つの目安です
工事範囲 上記期間は、基礎工事から完成までの「建物本体工事」が基準です
工期が延びやすい要因 地下付き住宅、解体工事、地盤改良、擁壁工事などがある場合は工期が長くなりがちです
解体工事 解体工事は1〜2か月待ちになることもあり、事前確認が重要です
季節の影響 春・秋は着工が集中しやすく、年末は職人不足で工期が延びる場合があります
地域差 積雪・梅雨・台風など、地域特有の事情によって工期に差が出ます
注意点 転勤や入学時期が決まっている場合は、余裕を持った計画が大切です

家の引渡しのイメージ図

9,まとめ

・時間の流れを知ることが、安心につながる

 

せっかくの楽しいマイホーム作りですから、できるだけ落ち着いて、納得しながら進めたいものです。

全体の流れと、「どこに時間がかかりやすいのか」を知っておくだけでも、判断する時の気持ちに、少し余裕が生まれます。

入居したい時期が決まっている場合は、そこから逆算して土地探しや住宅会社選びを始めるのがおすすめです。

ぜひ、時間を味方につけながら、納得のいく注文住宅つくりを進めていただければと思います。

 

家づくりの流れ この時期に考えること 期間の目安
検討・準備 土地探し・住宅会社探し・資金計画
(住宅ローン事前審査など)
3か月〜1年
計画・契約 間取り・見積の検討/住宅会社の決定
請負契約・住宅ローン手続き
4〜6か月
工事 着工〜完成・引き渡し 4〜6か月
全体の目安 ※工程の多くは同時に進みます
途中で立ち止まり、考える時間があっても問題ありません
約1〜2年

 

・選択に迷ってしまうことはあります。

 

とはいえ、家づくりは決断することは多く、時には迷うものです。

たとえば、

間取りを何度考えても、しっくりこない
・最終プランがこれでよいのか不安になる
・契約期限のある建築条件付き土地で、判断を急がされている

こうした悩みを感じることは、決して珍しくありません。

 

・第3者の専門家に、意見を聞いてみる

 

そんなときは、住宅会社とは利害関係のない 第三者の設計士 に相談してみる方法もあります。

これまで多くの注文住宅をみてきた設計士であれば、今の状況を客観的に確認しながら、別の視点からのアドバイスをもらえるかもしれません。

また、専門家に確認してもらうことで、「これで大丈夫なんだ」と安心できることもあります。

もし身近に相談できる設計士がいれば、決断する前に意見を聞いてみるのもひとつです。

 

ちなみに、このブログを書いている設計士も、全国対応で、間取りや図面のチェックを通して
家づくりを整理するご相談を行っています

この間取りが問題ないか確認したい」
「第三者の意見も聞いてみたい」

そんなタイミングがあれば、お気軽にご相談ください。

 

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