平成も終わり、新しい年号の令和に変わります。
テレビ欄を見ても、平成に起こった出来事を、振り返る番組が掲載されています。
建築でも、数多くの出来事が起こりました。
その中で、建築士としての私見で、2つの出来事を振り返ってみたいと思います。
阪神淡路大震災
平成になって、東日本大震災など地震や豪雨や台風で、多くの災害に見舞われました。
北海道内でも、南西沖地震や胆振東部地震など、数多くの地震、津波、竜巻、豪雨、台風などが発生しました。
災害にあわれた方々の傷が、少しでも早く癒えることをお祈り申し上げます。
阪神淡路大震災の第一報は「まあ大丈夫だろう」と思っていた
平成7年1月17日の早朝に、阪神淡路大震災が発生しました。
東日本大震災の際は、北海道でもかなり揺れましたが、阪神淡路大震災はニュースでしかわかりませんでした。
朝のテレビで、大きな地震があったことは知りましたが、映像もほとんどなく、一報を聞いた際は「まあ、日本の建物は頑丈だから、大丈夫だろう」と思っていました。
それは日本の建築基準は、地震に強いという教えがあった
建物を建てるのに、法律上、建築基準法に適合しているかを、審査することになっています。
入社したころ、審査に必要な構造計算をしていましたので、いろいろ勉強するのに、講習会に行っていました。
講習会では「日本は地震に対して、厳しい建築基準になっているので壊れることはない」。
「海外の大地震と同じ規模の強さでは、日本の建物は壊れない」と説明がなされていました。
自分でも、「そうなんだろう」と思っていました。
自然災害に対するおごりがあったと痛感
阪神淡路大震災で、最初に見た「高速道路の継ぎ目の境に、かろうじて残っているバス」の映像を見た際も、「土木の構造計算の基準は緩いか、施工ミスなのでは」と思ったほどでした。
その後、次々に出てくる被害の映像を見ていると、今までの考えが間違っていたことが分かってきました。
自然現象に対して、おごりがあったと痛感させられました。
耐震偽装問題
もう一つの事件が、姉歯事件とも言われる「構造計算書偽装問題」です。
建物の構造計算を偽装して、建物の安全性を脅かしたことで、社会的に問題になりました。
安全性を求められる建築士が構造偽装
阪神淡路大震災から、ちょうど10年後の平成17年に事件は発覚しました。
マンション建築において、建築士に構造計算を偽造させ、必要な鉄筋などを減らさせて、儲けていた建設会社があり、大問題になりました。
この事件の際、建てられたマンションは、震度5くらいで崩壊するのではと騒がれて「殺人マンション」と呼ばれていました。
この後、スーパーゼネコン(超大手建設会社)でも類似したマンションを建築した報告があったり、最大手のハウスメーカーで偽の一級建築士が数名見つかったりと大きな社会問題になりました。
これらの事件から設計者として「凶器になる建物は造ってはならない」「住む人が恐怖を感じる設計はしてはならない」と、改めて認識させられました。
また、一級建築士としての社会的責任を思い知らされることにもなりました。
教訓を生かした設計を
この二つの平成の出来事は、いろいろな教訓があったと思います。
建築は社会の基盤であり、安全な建物を作ることが設計士として求められるものであると思い知らされました。
その為には、設計士は、誠実であり、常に勉強が必要だと考えられます。
「令和」の時代になっても、私も良い建物が出来るように、最善を尽くしてゆきます。
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田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の設計業務に関わる)
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