2世帯住宅は、親世帯、子世帯の双方にメリットがあり、昔から多い住まいです。
ただ、デメリットもあります。
そこを、うまく解消する間取りのポイントを今回はお伝えします。
目次
1、2世帯住宅のメリット、デメリット
2、ストレスを溜めづらくする間取り
3、2世帯住宅は、双方の時間やスペースを尊重することが大切。
1、2世帯住宅のメリット、デメリット
2世帯住宅のメリット
親世帯から見る2世帯住宅のメリットは、老後の安心感や、孫のそばにいられる事があります。
子世帯側から見ると、忙しい時に子供の面倒を見てもらえる面がありますが、大きいのは資金の面です。
土地を購入しなくてすむので、資金に余裕が出来ます。
そんなことから、2世帯住宅は、長寿社会化と景気の不安などで、増える傾向にあります。
2世帯住宅のデメリット
2世帯のデメリットは、プライバシーが守りずらい点と、生活スタイルが違うので、気を使い合わなければならない点です。
一般的に、歳を重ねてくると早寝早起きになり、若い世帯は、仕事などで帰宅が遅くなりがちで、生活時間にずれが出てきます。
その為、炊事、洗濯や入浴など生活音が気になりがちです。
2、ストレスを溜めづらくする間取り
水回りと寝室を離す
生活時間が違うので、寝室のそばに、キッチンや洗濯機、浴室などの水回りがあると安眠しづらいくなります。
洗濯機も親世帯が早朝、子世帯が帰宅後に回したり、帰宅後、遅くに入浴するケースがありますね。
また、気にしなければならないのは、平面だけでなく上下階です。
水回りの真下に、寝室の安眠は厳しいです。
完全分離型の2世帯住宅では、上下階同じ位置に水回りがある方が、無難です。
排水管の音も気になりますので、経路も気を付けるほうが良いです。
寝室と階段を離す。(高齢の場合を除く)
親が寝ている時間に帰宅することが多い場合、階段の上り下りの音が気になるかもしれません。
親の寝室と、子世帯に行く通路や階段は離しておく方が、気兼ねなく生活できます。
ただ、親が高齢の場合は、直ぐに見に行けるメリットがあります。
同居型の場合は、リビングからしか行けない動線の浴室は避ける。
リビングからしか行けない浴室は、気軽に朝や深夜に利用できない為、避けたほうが良いかもしれません。
風呂が長いとか、水を使いすぎるなど、変な小言のストレスなく、ゆっくり風呂に入れます。
(私は、長湯派なので(笑))
朝、シャワーを浴びる習慣のある家は、脱衣室を設ける
家族人数が多い場合、朝、洗面所は混みあいます。
朝、シャワーを浴びる家族がいる場合、洗面所が使えなくなります。
カーテンレールでも良いですが、娘さんなど女性の方の場合、狭くても脱衣室を設けて、区画したほうが良いかと思います。
親世帯のテレビと、子世帯の勉強部屋、寝室を離す。
年齢を重ねてくると、だんだん耳が聞こえずらくなってきます。
テレビのボリュームも上がりがちです。
自分の住んでる街は、古くからある住宅地で、夏場、散歩していると、テレビの音が道路まで聞こえてきます。
(私もあまり、他人ごとではなくなってきていますが。)
寝る部屋や、子どもの勉強する部屋とは、離しておく方が無難です。
セカンドリビングがあると便利
同居型の場合、セカンドリビングがあると便利です。
若い世帯で、休日前の夜にゆっくり過ごしたい場合に気兼ねなく過ごせます。
さらに、ミニキッチンを付けておくと、平日の遅くに食事にも便利です。
また、親か子のどちらかに友達を家に呼ぶことが多い場合も、気兼ねなく過ごしてもらえます。
共用の場合、内装や家具の好みが合わないケースは、自分たちのリビングは思い通りに出来ます。
面積に余裕があれば、共用のスペースがあると便利。
完全分離の2世帯でも、共用のスペースがあると便利です。
おじいちゃん、おばあちゃんが孫のピアノを聞きに、頻繁に子世帯側に来られるのが気になる場合や、一緒にご飯でも食べる時など、共用のスペースがあれば、自分たちのリビングをいちいち片付けなくても済みます。
多目的ホールや、地下室に設けたケースがありましたが、好評でした。
共用型では、自分の時間を過ごせる空間があるとストレスがたまらない
面積の関係で、どうしても四六時中、顔を合わせてしまう間取りの場合は、1畳ほどの小さくても良いから個室を設けるとストレスが溜まりずらくなります。
お婿さんや、お嫁さんなどには、とても好評でした。
書斎と言うスタイルで、鍵付きにしておいた方が、留守中も入られません。
(大事なコレクションがある場合は、子供にも荒らされないメリットも)
出来れば、水回りは分けておいた方が良い
生活時間帯が違ったりしますので、面積や予算の関係もありますが、出来れば水回りは分けたほうが良いです。
キッチンの高さが体格に合わなかったり、幼少期は、親世帯と浴室にはいる時間がかぶったり(体を洗ってから入浴するしないなども)、育ってきた環境が違うので、ストレスになるケースがあります。
ただ、参考までに2世帯の水回りを完全に分けた場合、設備費用だけで、200万円から300万円かかり、設置するスペースによる坪数も増えるので建築費用も増加します。
検討しどころですが、キッチンは2つあったほうが良いかと思います。
水回りを分けられない場合は、ルール決めをして、皆で守ってゆくことが大切になります。
子供の足音が気にならない場所に、親世帯の寝室
小さい子供と同居する場合、足音が気になるケースは多いです。
子供部屋の下に、親世帯の寝室がないほうが無難です。
寝室の上に、寝室という間取りが多いのはそのせいです。
本当は、上下階の寝室も面積に余裕あれば、避けられる方が、いろいろな面で良いです。
親世帯を上の階に持ってくるのも一つの手法
上の階の方が、陽当たりも良く、子供の足音も気になりません。
日中、家に長くいる親世帯を2階に持ってくる方法もあります。
子供の成長がしたら、上下入れ替えるというプランもあります。(実際はあまりない)
お金に余裕があれば、ホームエレベーターです。(意外とあります)
2階建てで、250万円位だと思います。(会社によって違いますので、参考までに)
パナソニックホームエレベーターhttps://sumai.panasonic.jp/elevator/home-elevator/index.html
鍵が、プライバシーのカギに
2世帯住宅の場合、干渉されるのが不満なケースが一番多いです。
以前、2世帯の税金のブログで、鍵付きの開き戸で区画すると、税制のメリットがあると書きました。
この鍵を使って、プライバシーの確保する方法があります。
入って欲しくない部屋やスペースに鍵を付ける方法です。
室内の建具(ドア)に、メーカーのオプションで、1万円程度で付けれます。
(トイレの鍵(表示錠)と違い、鍵のある錠です。)
避難や介護の面もあるので、設計段階で検討は必要です。
3、2世帯住宅は、双方の時間やスペースを尊重することが大切。
あまり、干渉しあわないで、お互いの時間やスペースを大事にしてあげることが、うまくやってゆくコツです。
そこは、間取りによるところも大きいです。
以上のことが、少し参考になればありがたいです。
あとがき
郵便ポストは分けたほうが良いとか、光熱費の上手い分け方などなど、書ききれませんでした。
*当事務所では、「姑となるべく顔を合わせない間取り」と言うお嫁さんの要望の秘密を厳守します。(探偵事務所の広告ではありません(笑))
ご要望をお聞きして、経験を基にして、上記以外のアドバイスもさせていただきながら、2世帯住宅プランは、作ってゆきますので、ご相談ください。(少しだけ宣伝)
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
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