住宅の夏の暑さ対策

家の中でも熱中症になると言われています。

2階リビングの間取りのデメリットのひとつとして、「夏が暑くなる」ことがあります。

今回は、住まいの夏の暑さ対策の家づくりについて書いてゆきたいと思います。

 

バルコニー

・南側に庇を付ける

夏の太陽は高度が高く、真上から日差しが来ます。

その日差しを遮る「庇(ひさし)」を付けるのは有効です。

日差しを入れない庇のある設計

・西日は、窓周りで対策する

朝日や夕日は、昼間と違って太陽高度が低くなります。

側面から長く陽が入ってきます。

その為、窓周りで対策を行います。

熱の入りづらい「断熱ガラス」や「日よけ」などが遮熱に有効です。

 

 

トリプルガラスの断熱性能の説明

LIXIL  https://www.lixil.co.jp/lineup/window/samos_x/variation/glass/

遮熱シート

ニトリ https://www.nitori-net.jp/ec/product/7441213s/?rc=set

 

・西側に大きな窓を設置する間取りは避ける。

西日の当たる部屋は、夏は暑くなります。

その為、注文住宅で家を建てる際は、2階リビングで西に大きな窓をつける間取りは避けるべきです。

西日対策の設計図

・ただし西側リビングは、北海道札幌などは有利な間取り。

私の住む北海道札幌など寒冷地は、冬は太陽が長く入ってくる西日は暖かくなりますので、西側リビングは有効です。

ライフホーム設計の過去ブログ「明るい暖かな住まい、北海道札幌は「西日」を入れる間取り」https://lifehome-sekkei.com/index.php/2018/12/22/plan-5/

 

夏への扉

ところで、夏と言えば「夏への扉」というタイムトラベル小説の傑作があります。

読み終わると、さわやかなスッとする本です。

題名がそっくりな「フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!」という掛け声の歌とは違います。

(40歳50歳代しかわからん歌かもしれない(笑)。答えはメルマガで)

 

・太陽の日の当たる屋根(2階天井)の断熱も大切

真夏の真上から照り付ける太陽の熱で、屋根面が温められ、2階が暑くなります。

壁の面積より屋根の面積の方が大きい場合が多いので、そこに断熱や遮熱をすると、夏の冷房費も安くなります。




・エアコンの室外機の位置も大切

北海道札幌でも冷房エアコンを、新築時から設置する注文住宅も増えてきました。

エアコンの室外機も、暑くなりすぎると冷房効率が落ちますので、強い日当たりの場所への設置は避けるべきです。

エアコンの室外機の設置位置の設計

ダイキン「夏場の冷房の「効き」を左右するエアコンの心臓「室外機」」https://www.daikin.co.jp/press/2018/20180719/

・間取りは、窓の通風を考えた設計も大切

熱がこもらないよう、室内の空気が入れ替わりやすい窓の配置が大切になります。

窓が2つあると、空気の入り口と出口が出来るので換気しやすくなります。

また2つの窓の距離が長いほど、換気しやすいので設計時には注意が必要です。

 

間取りで換気が入れ替わりやすい比較

通風のブログ「コロナ感染しない住宅は、ウイルスが客船の何処にいたかに学ぶ」 https://lifehome-sekkei.com/index.php/2020/05/19/cruise-ship/

夏のエアコン

 

ちなみに、こちらはタイムマシーンを無駄に使う「サマータイムマシンブルース」という少し昔のコメディ映画があります。

暑すぎるので「壊れたエアコンのリモコン」をタイムマシンで、取りに行くというところから始まります。

「カメラを止めるな」が好きな方は面白いと思いますよ。




・高い位置に窓があると「重力換気」が出来る

室内は足元は温度が低く、暖かい空気は天井に上がりやすくなります。

空気は温度差がある場合、冷たいほうから暖かいほうに流れます。

この温度差による空気の上昇を利用した「重力換気」という方法があります。

低い位置に空気の入り口を設け、高い位置に出口を設けると空気の流れが良くなり、通風しやすくなります。

重力換気による窓の設計

 

・バルコニー(ベランダ)に打ち水をする

2階リビングは、空が近い生活になりますので、広いバルコニー(ベランダ)を設けるとより開放的な間取りになります。

その人気のバルコニーに、昔ながらの打ち水を行うと、気分的にも涼しくなります。

小さなお子様がいらっしゃる家庭では、ビニールプールを出して遊んだ後、バルコニーにまくと水が無駄になりませんね。

2階のプール

大人もバルコニー周りを高い壁にすれば、ビニールプールで楽しめるかも(笑)

 

・熱中症対策に1階に涼しい部屋を作る

以前、年配の方が建てられた2階リビングの注文住宅では、わざと1階の陽当たりの悪い部屋を1部屋作られました。

夏の暑い時は、家の中で「避暑をする」という設計でした。

窓の外に木を植えるなどされ、現在も「冬は2階へ、夏は1階の別荘へ」と快適に暮らされています。

庭

・最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2階リビングで涼しくしてゆく方法は、周辺環境(街中や郊外)敷地条件(方位や面積)などによって、いろいろ違ってくるかと思います。

それぞれ対策は出来るかと思いますので、お困りごとは、当設計事務所にご相談いただければと思います。

皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。

 

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2階リビングで、後悔しない間取り①メリットとデメリット

・ブログを書いている設計士の紹介

打ち合わせの様子

田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士

建築設計事務所「ライフホーム設計」代表

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*注文住宅の主としたハウスメーカーで営業設計を経験し独立。

「一級建築士としての建築知識」と「税金や融資、登記や不動産の知識」も併せ持つ設計士です。

貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。

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