注文住宅のキッチンの使い勝手の良さは、住んでからの満足度に大きく差が出ます。
ただ、キッチンは仕様による金額の幅が大きく、新築リフォームで予算オーバーになりがちです。
失敗後悔しないには早めのキッチン選びなどの対策が必要です。
目次
1,キッチンを含めた資金計画を立てることが大事
2,キッチン選びには時間がかかる
3,キッチンの見積もりを取って検討する
4,キッチン選びのポイント
5,最近、気になるキッチン装備
6,そのほかのポイント
1,キッチンを含めた資金計画を立てることが大事
・キッチンによって満足度が違うことがある
モデルハウスなどで、奥様がキッチン周りから離れすに、そこを集中して見学していることはよく見る光景です。
またキッチンは新築やリフォームを検討している段階で、住宅雑誌やインテリアの本の写真に付箋(フセン)を張られるなど関心の高い住宅設備だと思います。
ご家族でキッチンにかなり関心が高い方がいらっしゃれば、そこが満足できないと不満が残る恐れがあります。
・キッチンはグレードで価格が違う
キッチンは、様々なオプション品も多く、またグレードによる値幅が大きいので高額になりやすい設備機器です。
かなり上級クラスになると、高級車が買えるくらいの商品もあります。
・キッチンの費用を含めて、総予算を考える
たまに見るのは、間取りも建築費もまとまった契約直前やご契約後に、ご希望のキッチンで見積もりを取ると、予算をオーバーするケースです。
その場合に資金計画内であれば問題ないのですが、住宅ローンや間取りや仕様などの大きく見直しをすることが起きてしまいます。
その為、関心が高い場合は、間取り設計と同じくらいの早い時期に、希望のキッチンがどれくらい費用で、総体費用がどれくらいかかるのかを知っておくことが失敗後悔しないポイントになります。
・予算とのバランスも大事
その一方で、高額になるキッチンもあるので、満足度と予算のバランスも大事になります。
・ちなみに男性でもキッチンに関心のある方も少なくありません。
少数ですが男性でも料理付きの方もいらっしゃいます。
また釣りがご趣味で、釣った魚をさばかれる方なども関心が高いことがあります。
(魚をさばきやすいように業務用の厨房機器(キッチン)を設置したこともあります。)
マルゼン http://www.maruzen-kitchen.co.jp/index.htm
2,キッチン選びには時間がかかる
・同じ定価のキッチンでも、ハウスメーカーによって見積もりが違う
注文住宅で建てられる場合でハウスメーカーや工務店など数社と相見積もりされることもあるかと思います。
その際、同じ定価のキッチンでも、住宅会社によってお渡し金額に差が出ることがあります。
住宅メーカーでも、キッチンメーカーによって仕入れ値が違うからです。
その為、それぞれのハウスメーカー工務店に見積もりを出してもらう必要があります。
・住宅会社に任せた方がお得な場合も。
希望のキッチンの設備があるもののキッチンメーカーはこだわらない方もいらっしゃいます。
その場合は、依頼されるハウスメーカーや工務店に、仕入れが安く入るキッチンメーカーでお願いしたほうが、お得かもしれません。
「カウンターは人工大理石で、食器洗い乾燥機は大きなタイプで、カップボード(食器棚)はカウンタータイプの1.8mくらいのもの」などと営業担当に言って見積もりしてもらうと良いかと思います。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/
・標準仕様のキッチンがお得な場合が多い
ハウスメーカーや工務店では、標準仕様にしておりキッチンがあります。
そこのキッチンメーカーと結びつきが強い場合が多く、そこの商品が比較的お得に買えることが多くみられます。
・キッチンメーカーによって定価の設定が違う
いろいろなキッチンのカタログを取り寄せると、同じ仕様なのにキッチン会社によって定価が大きく違う場合があります。
安いほうがお得な感じがしますね。
でも、見積もりを取ると、定価が安くてもあまり値引きしないで販売しているキッチンメーカーもあります。
逆に定価が高くても大きく値引きして販売しているキッチンメーカーもあります。
様々なので、定価だけで判断せず、お渡し価格がいくらになるのかを出してもらって比較し検討する必要があります。
建築見積もり書のチェックを行っていると、大手のキッチンメーカーの主力商品(数が多く販売しているもの)は値引き率が大きく、定価の半値以下の価格もよく見受けられます。
キッチンメーカーによって定価の価格設定が違うことがあるということは、失敗しない為の気を付けるポイントです。
・同じキッチンメーカーでもシリーズによって割引率が違う
ちなみにキッチンメーカーでも、一般向けや上級タイプ、最上級タイプなど数種類の商品(シリーズ)をもっていることがあります。
その場合、商品によって値引き率が違うことがあります。
傾向とすると、一般向けは値引き率が高く、高級品は値引き率が低いように思われます。
その為、定価が同じくらいのシリーズ違いのキッチンでは、販売価格が大きく違うことがあるので注意が必要です。
LIXILの会社では3つのシステムキッチンのシリーズを設定している。
・キッチン選びには時間がかかる。
住宅メーカーによっても、キッチンメーカーによっても、さらにシリーズによってもキッチンの金額が違うので、選ぶのに意外と時間がかかるものです。
その為、キッチンに関心が高い場合は早めの行動を起こす必要があります。
3,キッチンの見積もりを取って検討する
・キッチンメーカーのショールームに行ってみる
雑誌やカタログのイメージと違うこともありますので、実物を見るのは良いかと思います。
大きな都市ではキッチンメーカーのショールームがあります。
そこへ行ってどんなキッチンがあるのかを見てみるのが良いかと思います。
何社か気になるメーカーがあれば、それぞれ特長もあるので見に行って、それを見比べるのも良いかもしれません。
・プランを作って見積もりを出してもらう
ショールームでは希望に合わせたプランを作ってもらうことも可能です。
気になるキッチンがあればそこでスタッフの人に商品の説明を受けながら、プランと見積もりを作ってもらいます。
おおよそ1週間から2週間程度で、希望に合わせたイメージ図と定価の見積もりが出来上がってきます。
・出てきた見積もりに応じて見直しを行う
出てきたプランと定価の見積書を、希望する住宅メーカーに渡して、いくらになるかを出してもらいます。
それを元に、総体予算でどれくらいかかるのかを見てみます。
予算価格をオーバーしている場合、間取りやキッチンのグレードの見直しが必要になるかもしれません。
でもこれが早い段階に分かると、途中で大きな計画変更になる失敗は少なくなるかと思います。
ちなみに
キッチンのメーカーでは浴室や洗面化粧台も展示しているので、同時に見積もりしてもらうのも良いかもしれません。
浴室の希望を出されるのは、男性の方が多いかもしれません。
4,キッチン選びのポイント
・自分の生活スタイルに合わせて選ぶ
キッチンは生活で重要な部分で、比較的長く作業を行う場所です。
間取りは自分の生活スタイルに合わせることが重要なことです。
・キッチンのレイアウト
キッチンには対面型、壁付け型、独立型など様々なレイアウトがあります。
・対面型
対面型が人気があるのは作業しながら家族の様子も見られることです。
小さいお子さんのいる家庭では安心かもしれません。
・アイランドキッチン
最近では対面式でもアイランド型という壁に接しないレイアウトが人気があります。
二方向からキッチンに行けるメリットがあります。
食卓テーブルを横並びにするレイアウトも人気がありますが、間取り設計に影響が大きいのであらかじめ設計士に希望を伝えておくことが大切です。
キッチンの価格は若干、対面式より高くなります。
坪数も増えると建築費も上がるかもしれません。
・壁付け型
キッチンが端にあるので部屋を広く使うことが出来ます。
あまり部屋が広くとれない場合に多く使われるレイアウトです。
景色の良い場合は窓を設けて、楽しく料理が出来るようにします。
2世帯住宅のセカンドリビングでは多いキッチンのレイアウトです。
・独立型
料理に集中したい方や、家族で音や臭いが気になる方にお勧めなキッチンです。
・オープンキッチン
オープンキッチンはカウンター部分が仕切りが無いので開放感があります。
さらにカウンターの幅を広げるタイプのものは、作業スペースが広がるメリットがあり、人気があります。
ただし、仕切りが無いのでキッチンの上が、リビングから丸見えで生活感が出やすくなるので注意が必要です。
平日の昼の食事や、友人とのお茶の際はダイニングカウンターとしても利用できるメリットがあります。
多人数がキッチン周りに立てるので、子供に料理を教えやすい面もあります。
カウンターが広いものは、若干価格が上がります。
・L型、U型キッチン
キッチンカウンターが一般的なI型の直線ではなく、Lの字やコの字に折れ曲がったキッチンになります。
作業の移動距離が短くなるので、一人で作業する場合は効率的です。
カウンターが長くなる分、値段が高くなります。
L型とアイランド型などの組み合わせの複合型キッチンというものもあります。
・冷蔵庫、収納の位置も大切
作業をするうえで食器棚や冷蔵庫の位置が大切になります。
近いほうが作業効率が良くなります。
対面キッチンなどのレイアウトの場合は、背面に収納を持ってきやすく使いやすい間取りになります。
また最近では収納を充実させたパントリー(食品庫)のある間取りも増えてきましたので、キッチンとの距離も大切です。
ランドリールームにも近いと理想に近い間取りになるかもしれません。
5,最近、気になるキッチン装備
建築される際、ショールームに同行することが多いのですが、その際に気になったキッチンをご紹介いたします。
・10年間掃除のいらないレンジフード
レンジフードは年に数回、分解掃除などの手間が必要でしたが、最近では10年間ファン掃除が不要の商品があります。
通常商品より高価ですが人気があります。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/kitchen/concept/detail.php?id=Range
・横並びの加熱コンロ
ガスやIHヒーターの鍋が横並びで置けるコンロ(加熱機器)があります。
今までの3口だと三角形の配置のコンロの並べ方で、一つは小さい鍋しか置けず作業もしずらかったのですが、横並びにすることによって料理がしやすくなりました。
ワイドコンロシリーズ | システムキッチン | Panasonichttps://sumai.panasonic.jp/kitchen/wideconro/
・セラミックのカウンター
セラミックで出来たキッチンのトップ(天板)で、熱に強くキズにも強い特性があります。
また見た目にも高級感があります。
ただ価格も高めの設定です。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/richelle/parts/
これらは私が気になったものですので、偏りがあるかもしれません。
いろんなタイプのキッチンがあるので是非ご自分の目で見て、検討していただければと思います。
タッチレス水栓カランもコロナ禍では良いかもしれませんね。
・各社さまざまなキッチン装備があります。
キッチンメーカーによってそれぞれ特長のあるキッチンを出しています。
シンクの形や引き出しなどもそれぞれ違います。
ステンレスならクリナップ、ホーローならタカラスタンダードなど得意分野のあるメーカーもあります。
いろいろ見比べるのも楽しいかもしれません。
・札幌にショールームのあるキッチンメーカー
・LIXILショールーム札幌 https://www.lixil.co.jp/showroom/hokkaido/lixil_sapporo/
・クリナップ 札幌ショールーム https://cleanup.jp/showroom/info/hokkaido_tohoku/sapporo.shtml
・TOTO札幌ショールーム https://jp.toto.com/showroom/001/
・キッチンハウス札幌 https://www.kh-sapporo.jp/
・トクラスショールーム札幌 https://www.toclas.co.jp/showroom/sapporo/index.html
・タカラスタンダード 札幌駅前ショールーム https://www.takara-standard.co.jp/showroom_search/hokkaido/sapporoekimae/
・ハウステック 札幌ショールーム https://www.housetec.co.jp/showroom/list/4/
・ウッドワンプラザ 札幌 https://www.woodone.co.jp/showroom/sapporo/
・永大産業 札幌ショールーム https://www.eidai.com/showroom/sapporo.html
新型コロナの影響で、ショールームは人数制限がかけられていることが多いので、事前に電話かネット予約していくことをお勧めいたします。
6,そのほかのポイント
・キッチン以外のオプション工事も早めに出してもらう
今回は、キッチンのグレードアップなどで資金計画で失敗しないことについて書きました。
キッチン以外にも、外壁や内装材のグレードアップや外構工事(アスファルト、ガレージ、塀工事など)住宅建築費以外の費用で、資金不足で計画を変えなければならないケースもあります。
慣れていない工務店では、住宅建築費以外の見積もりしか出さず、後で杭工事や確認申請の申請料、融資諸費用など請求してもめるケースもありますので、建てる際には建築に関わる総費用を出してもらうことが大切です。
・ショールームに行くと予算より高くなりがち
今回のブログでは建築前にかならずショールームにキッチンを見に行った方が良いとは言ってるわけではありません。
最近の標準装備のシステムキッチンは、性能が良くなっているのでカタログの中で選ぶのもありだと思っています。
また見に行くといろいろな商品を勧められるので、当初の予算より高くなる傾向はあります。
注文住宅で建てる場合、私も建て主さんとショールームに同行することも多いのですが、聞いているとスタッフの人の説明が上手いので、ついついワンランク上のものを買ってしまう傾向が見受けられます。
予算内で納めるのに、見に行かないという選択もあるのかと思います。
でもキッチンの関心が高い方は後悔しない為にも、一度ショールームに行くことをお勧めいたします。
・見に行く時間が無い場合は
住宅計画が思ったより早く進み、キッチンのショールーム見学に行く時間が取れない場合や見積もりが間に合わない場合は、あらかじめ予算を取っておくほうが良いかもしれません。
具体的な仕様が分かっていれば、営業の担当者におおよその差額を聞いて総予算に組み込んでおくのが良いかと思います。
まったくわからない場合は、建築費の1%~2%でも良いので少し予備費を取っておく方が良いかもしれません。
・最後に
キッチンは生活するうえでも重要な場所です。
そこに不満があると楽しく生活できません。
できれば時間をかけてじっくり検討したい部分です。
キッチン選びは楽しい部分でもあります。
関心の高い方は、出来れば住宅選びと並行してキッチン選びもスタートされたほうが良いかと思います。
より良いキッチンにされて楽しい暮らしなることを祈っております。
この下に過去に書いたキッチンを含めたブログを載せておきます。
時間がございましたならお読みいただければと思います。
キッチンの見積もりを頼むのに間取りがあった方が、依頼しやすい面があります。
当設計事務所でも簡単な間取り図の設計を低予算でも行っていますので、ご利用いただければと思います。(ホームページ「料金の目安」のお試しコースをご参照ください。)←CMでした。
ライフホーム設計のホームページ https://lifehome-sekkei.com/
過去のキッチンのよりぬきブログ
キッチンなど水回りの使いやすい間取りとは
成功されている家のキッチンはピカピカなことが多い?
オープンキッチンで失敗しないには
キッチン収納を安く抑えるコツも
海外のキッチンの間取りは
契約後の変更は間違いが起こりやすい
家相風水が気になる人だけどうぞ
最後までお読みいただき感謝いたします。
今回の記事が、家づくりの参考になりましたなら幸いです。
あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
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(平成3年9月以前のご登録いただいた方も再設定が必要になりました。お手数ですがよろしくお願いいたします。詳しくはhttps://lifehome-sekkei.com/index.php/2021/10/31/apology/ をご覧ください。)