昭和の建物が見られる江戸東京たてもの園
先週、東京に出張した際に、設計事務所に勤める親友と「江戸東京たてもの園」に行ってきました。
ここは、東京にあった、昭和初期の建物が見られる、屋外の博物館です。
建築家の前川國男さんの自邸
この園の中に、昭和初期の住宅が２棟ありました。
一棟は建築家の前川國男さんが設計された昭和１７年に建てられた自邸です。
間取りは、居間を中心に、部屋が配置されていました。
このころ住宅は、１００ｍ２(３０坪）にしなければならない法律がありました。
女中部屋があるのも、このころの特長です。
また、玄関ドアを、道路から真正面に見せないようにしていたり、
来客者が玄関に立った際に、リビングが丸見えにならない設計の工夫が、平面図から見て取れます。
リビング階段のある間取り
リビングから上がるオープン階段がありました。
今の住宅の、はやりの間取りに近いですね。
大きな窓の柔らかな光
リビングは大きな吹き抜けになっており、床から天井まで窓が連続しています。
窓が格子状になっており、庇も大きく出ているので、柔らかな光が入ってきています。
現代のように、全部ガラスよりは上品な印象です。
吹き抜け上部には、飾り棚があります。
階段から登ってゆく時にも、見える設計です。
また、食卓テーブルの天井は、低くなっていますので落ち着いた雰囲気です。
テーブルの照明もおしゃれです。
吹き抜けにある照明も良いですね。
きっと、夜になると柔らかな光で、暖かい雰囲気になると思われます。
この部屋で、過ごされている写真が、飾られていました。
それは、夜に大きなステレオにレコードをかけている様子でした。
きっと、やさしい安らいだ時間だったんでしょうね。
田園調布の家
もう一棟が、田園調布の家(大川邸）です。
ちなみに田園調布は、新紙幣の渋沢栄一さんが開発した住宅地です。
今は、高級住宅地ですが、この頃は中級家庭のための土地開発だったらしいです。
こちらも窓がおしゃれですよね。
こんなところで仕事したら、良いアイディアもどんどん出てきそうですね。
リビングもコーナーに窓がありました。
造り付けの椅子があり、室内に向いています。
現在のリビングは、テレビ中心に椅子を配置する間取りが多いですが、こちらの方が家族との会話は弾みそうですね。
江戸東京たてもの園は、家族でも楽しめます。
江戸東京たてもの園は、たくさんの建物があります。
家づくりの参考になると思います。
ジブリの「千と千尋の神隠し」のモデルにもなった建物もあるので、ご家族でも楽しめると思います。
江戸東京たてもの園
ちなみに、宿泊は以前のブログの建物のそばでした。
今回の出張では、以前ブログで書いた、木田保造さんの造った「神田明神」のすぐそばのホテルに宿泊しました。
神田明神は、関東大震災の際に焼失したため、昭和９年に建築されました。
日本最古の鉄骨鉄筋コンクリートの神社になります。
神社にも書いてありました。
関東大震災って、大正９年（１９１９年）なので、ちょうど１００年になるのですね。
この１００年の間にも、大きな災害がありました。
建築に携わる者として、令和以降の時代に残せる、安心安全な住まいを、造ってゆかなければなりませんね。
そんなことを願いながら拝んできました。
大正、昭和の建物からも、いろいろ教えてもらえるものはたくさんありました。
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