間取りを自分で考える。階段で失敗しない3つのコツ②良い位置、悪い位置

 

注文住宅の間取りを自分で考える際に間違えやすいのが階段です。

せっかく一生懸命に間取りを作っても、住宅メーカーから「これでは家は建てられません」と言われるとガッカリしますよね。

そうならない為の「失敗しない階段設計」の中編をお伝えします。

 

猫がいる家の階段

前編の「失敗しないポイント1,広さを確保する」を読むにはここをクリック

 

 

1,失敗しないポイント2,階段の位置は生活に関係する

 

階段は毎日の生活動線において、大きな意味合いを持ちますので、どこに配置するのかは重要なことです。

玄関に近い階段の間取りと、リビング階段のようなリビングを通らないと2階に上がれないプランでは、生活だけでなく家族の在り方も変わってきます

 

2,玄関と階段が近い間取り

 

・階段と玄関が近い間取りのメリット

 

玄関の近くに階段があると2階の部屋にすぐいけます。

 

忘れ物を取りに行く人

 

*2階リビングは玄関近くの階段がベスト

 

玄関近くの階段の有効な間取りは、2階3階リビング(LDK)、3階建ての住宅です。

それは、玄関とリビングキッチンの距離が近いほうが、「買い物の荷物を運んだりする生活動線が短くなる」「家族が集まりやすくなる」などのメリットがあるからです。

玄関と階段が近い2階リビングの間取り図

 

玄関と階段が離れていると、家族のコミュニケーションが取りずらい以外に、「来客(宅配)を迎えに行く距離が長い(時間がかかる)」「玄関の様子がわからりずらい(防犯、家族の外出帰宅)」などのデメリットがあります。

玄関と階段が離れている2階リビングの間取り平面図

階段を下りるドレスを着た人

「お待たせあそばせ」

 

 

*世帯が上下階で分離する場合も有効

 

また、2世帯住宅で上下階で気兼ねなく生活したい場合は、玄関近くの階段の間取りは動線が重なりずらいので効果があります。

玄関と階段が近い2世帯住宅のプラン

2世帯住宅




 

 

3,リビング階段の間取り

 

・リビング階段は、家族のコミュニケーションが取れる。

 

リビング階段は、一度リビングを通ってからでないと2階に行けない為、家族間の顔を合わす機会が増えてコミュニケーションがとりやすい間取りになります。

お子様のいる家族には人気のある間取りです。

リビング階段の間取り

またオープン階段や装飾された手すり子やデザインのあるおしゃれな階段も効果的です。

 

デザイン階段

スチール(アイアン、鉄骨)製やアルミ製など木以外の階段も人気があります。

 

 

・リビング階段、オープン階段のデメリット

 

ただ、リビングと階段室、2階の廊下は繋がってしまうので、冷暖房の熱の損失、キッチンからの臭いやリビングの音などが2階の部屋に伝わりやすいデメリットがあります。

 

オープン階段

 

またスケルトンのようなオープン階段は明るく開放的ですが、逆に小さな子供がいる家庭では、隙間にネットを張ったりと落下防止策が必要な場合もあります。

 

ネットの張ったオープン階段




 

 

4,階段位置を間違わない~上も下も部屋には出来ない

 

・基本的に階段の上に部屋は作れない

 

*階段上の部屋は2階の床が邪魔して上がれない

階段の上に部屋があって登れない人

 

ご自身で書かれた間取りでよく見かけるのが、1階の平面図で階段になっている上部に、2階の平面図では部屋になっていることです。

階段の上の部屋があるということは、2階の床が邪魔して人が登れないということです。

 

 

*吊り押入れは出来るが、見た目の圧迫感はある。

 

影響を受けないとすると登り口の1段目部分だけかもしれません。

もしどうしても有効利用をしたい場合は「吊り押入れ(物入、クロゼット)」という裏ワザがあります。

「吊り物入(押し入れ)」床面より高い位置に作る収納です。

吊り物入押入れのある階段

 

ただ、階段を降りる人は、目線近くに収納があるので圧迫感があるので収納が足りない場合を除いてはあまり取り入れないほうが無難です。

注)出来るかできないかは、工事する住宅メーカーに確認が必要になります。

 

・階段下も基本的に部屋には不向き

 

階段下

 

階段下は、階段の下部は天井が低く、空間としての利用はほとんどできません。

階段の上部(階段の最後の1段か2段)はあまり影響は受けません。

その中間は、使用できないことはありませんが、「天井が低い」天井が斜めになる」「足音が気になる」など部屋として利用するのは向かないかと思います。

 

大階段

これだけ広いと使用できます。

 

 

*階段下は物入れとしては利用可能

 

階段下は物入や収納、トイレの一部としては有効利用できるかと思います。

但し、空気の流れはあまりよくないので、腐るものやカビるものは入れないほうが良いです。

 

階段下物入

 

 

*階段下の有効高さの出し方

 

階段下の有効高さは、「階段の蹴上(一段当たりの高さ)×段数」ではなくて、そこから側板(階段の踏み板を支える板)の分を引いたものになります。

 

階段の側板の説明した図

 

一般的な注文住宅で15段階段の場合、11段目の部分の階段下の有効高さは、蹴上を19cmの場合は、19cm×11段=209cm(2.09m)ではなくて、おおよそ1.5段分を引いた高さになりますので、約1.8mになります。

 

 

階段下の有効高さがわかる図

 

 

*階段下トイレは12段目以降が望ましい。

 

蹴上の高さは階段の登りきりの段数や階高(1階床と2階床の間の長さ)によって違いますが、1.8mだと男性だと頭をぶつける可能性がありあmす。

トイレなどは15段階段の場合は、12段目以降が望ましいと言えます。

 

階段下トイレ




 

 

5,パート2のまとめ

階段の位置は、住んでからの生活に大きく関係します。

玄関と階段が近いと、「2階に行きやすい」「2世帯同居で気兼ねなく生活したい」などメリットがありますが、リビングと離れる場合は家族の気配がわからないデメリットがあります。

逆に、リビング階段のような、階段は必ずリビングを通って上がる動線の間取りは家族のコミュニケーションが取りやすいですが、においや音が伝わりやすいデメリットがあるので、どの位置にするかは家族との話し合いが必要です。

また、登れない階段や使えない階段下などの失敗は、間取りを書いてゆく順番が間違っているケースがあります。

次回のパート3は、階段の位置決めのタイミングについて書きたいと思います。

(関連ブログの中に後編入っています。)

 

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