建築家の安藤忠雄さんは「コンクリート打ちっぱなし」の住宅で評価され有名になりました。
私は札幌で設計事務所を開設して活動していますが、以前は鉄筋コンクリートの注文住宅を設計施工していた会社に勤めていましたので、当時とても刺激を受けました。
今回は、大阪で開催されています「安藤忠雄展|青春」の見学の様子をお伝えいたします。
*今回は展覧会編です。
1,建築家「安藤忠雄」とは
独学の建築家
安藤忠雄(あんどうただお)さんは、世界的に有名な建築家で、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した日本の数少ない一人です。
大阪出身で、高校卒業後、建築家を目指し独学で一級建築士の資格を取得し「安藤忠雄建築研究所」を設立しました。
またプロボクサーという異色の経歴もあります。
作風の大きな特長~コンクリートの打ちっぱなしの住宅で有名に
「コンクリート打ちっぱなし(コンクリート素地仕上げ)」の外観はクールで都会的で人気があります。
現在では一般的になった「コンクリート打ちっぱなし」ですが、最初にこの素材を生かした住宅を設計をされたのが安藤忠雄さんです。
建築当時は無機質で、そのままの仕上げで使われることは一般的には少なかったようです。
この住宅は建築業界の中では「住吉の長屋」(1976年)と呼ばれています。
上の写真は、住吉の長屋ではなく、自宅の打ちっぱなしの外壁です。(笑)
代表作「住吉の長屋」は大胆な発想の間取り
住吉の長屋は、コンクリート打ちっぱなしのシンプルなデザイン以外にも大きな特徴がありました。
間取りが、細長い敷地の中央に屋根のない中庭を配置し、住人は部屋間を移動するのに屋外にでる必要がある独特のものでした。

住吉の長屋の模型「安藤忠雄展」より
部屋から部屋に移動する場合、雨の日は傘が必要になりますが、自然を感じながら生活できるという設計コンセプトと言われています。
また、道路や隣地に窓が面していない為、中庭から光と風を取り入れられるので、プライバシーを守れるメリットもあります。
この住宅は安藤建築の特長である「コンクリート打ち放し」「自然との共生」を象徴する代表的な作品と言われています。
住吉の長屋の展示スペース
安藤忠雄展では図面や模型、説明のスライドの映像がありました。

安藤忠雄展より
今回の展覧会は、入場口に近いところに「住吉の長屋」の模型や図面などが展示されています。
情熱「青春」のある図面
平面図や断面図の黒色の線が住吉の長屋の部分です。
オレンジ色ぽい線は、隣家の詳細な間取りの平面図です。
隣家の部分は窓の位置くらいまでは図面に書き入れることはあるのですが、自分の経験ではここまで詳細に書き入れられたものは見たことはありません。
設計に対する情熱、展覧会のテーマの「青春」が感じられますね。
2,安藤忠雄展「青春」の様子
会場はVS.グラングリーン大阪
大阪駅徒歩10分くらいのところにある、大阪うめきた「グラングリーン大阪」の「VS.(ヴイエス)」の建物が今回の会場です。
この会場も安藤忠雄さんが設計監修されました。
グラングリーン大阪エリアにある緑色のオブジェも、展覧会のテーマの色に?

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会場の「VS.(ヴイエス)グラングリーン大阪」

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上の写真の左手に展覧会のテーマ「青春」の青いリンゴが見えます。
展示コーナーの様子
展示コーナーは2つに分かれていて、入り口近くが「住吉の長屋」など初期の作品、奥の方に最近作や活動中の作品になっていました。

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上の写真が活動中の展示コーナーです。
目を引いたのが、イタリアのベネチア(ヴェネチア)のプンタ・デラ・ドガーナのリノベーションしている映像です。
出来上がってゆく様子が見れますが、打ちっぱなしのコンクリートの壁が出来上がってゆくところは圧巻でした。
北海道の建築空間も展示~水の教会
私の住む北海道のトマムの「水の教会」が展示されています。
水の教会は実物はガラス越しに見るので、こちらの方がきれいに見える感じでした。

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札幌の真駒内滝野霊園「頭大仏」
北海道札幌市の真駒内滝野霊園にある頭大仏殿(あたまだいぶつでん)も展示や映像による紹介がありました。
頭大仏のある札幌の真駒内滝野霊園には母方の祖父母のお墓があるので、不思議な縁がありました。
下記の写真は、札幌の頭大仏。
暑いお盆に行くのですが、頭大仏が見れる地下空間にあるのでちょっと涼しいスポットになります。
さらに見た帰りに、頭大仏殿水庭のそばの売店で、ラベンダー色のソフトクリームを買って食べるとより涼しいです。(笑)
展覧会では、映像によるバーチャル空間コーナーがありますので、是非体感していただければと思います。
ソフトクリームは展覧会では食べられませんのであしからず(笑)。
3,最後に
昭和の終わりころ、コンクリートの打ちっぱなしのデザインをお施主さんに勧めたところ、「なんか出来上がる途中みたいで好きではない」と年配のかたに多く言われたことを思い出しました。
そんな時代に、コンクリートの素材を生かして素敵な作品に仕上げた安藤忠雄さんは素晴らしい人だと改めて思いました。
「安藤忠雄展|青春」は、安藤氏の建築人生の集大成ともいえる内容になっています。
展覧会の売店では、安藤忠雄さんのサイン入りトートバックなどもグッツ販売されています。
大阪関西万博の期間と重なる、2025年3月20日から7月21日まで大阪梅田駅の「VS.(グラングリーン大阪)」で開催です.。
建築がお好きな方は是非ご覧いただければと思います。

安藤忠雄展青春パンフレット
入場券は当日券も販売されていますが、ネット予約のほうが並ばなくて良いので楽かと思います。
安藤忠雄展 青春 – TADAO ANDO YOUTH | VS. | うめきた「グラングリーン大阪」の新たな文化装置

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次回のブログは、展覧会のテーマ「青春」の象徴を表す青いリンゴが設置されている安藤忠雄さん設計の大阪にある「こども本の森 中ノ島」を書こうと思います。
関連ブログもどうぞお読みください!
・日本にも安藤忠雄さんのリノベーションの素敵な作品が

・コンクリートの打ちっぱなしをきれいに仕上げるには

・狭小地などで日当たりを確保する方法とは

・日本で初めてコンクリート寺院を建てた北海道の建築会社の話

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今回のブログが、みなさまの住まいの参考になりましたなら幸いです。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住(ス)マイルな住まいを目指しております。
詳しくは、住マイルな一級建築士のプロフィールへ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
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