冬の北海道は、雪かきの生活になります。
駐車する位置によって、雪かきする量が大きく違ってきます。
今回のブログは、注文住宅で家を建てる際、雪かきで失敗後悔しないコツについて書いてゆきます。
目次
1、札幌の住宅の設計は、道路と家の関係が大切
2、建物の配置は道路の付き方によって位置を変えるのがコツ(具体例あり)
a、南側に道路がある場合は、雪かきが少なくなるように工夫
b、北側に道路がある場合は、建物を道路に寄せる。
c、北側道路でもカーポートを利用するのも良い
d, 東側、西側道路の場合は、方位の向きや敷地の形によって使い分ける。
e, インナーガレージとの組み合わせ
f, その他の注意点
3, 敷地に適した配置計画のヒント
1、札幌の住宅の設計は、道路と家の関係が大切
・一戸建ては雪かきが少ないのが理想
札幌は雪はサラサラしたパウダースノーでしたが、近年は湿った雪が増えてきました。
その為、雪が重たく体の負担が大きくなりました。
一戸建ての場合、雪かきの範囲が狭いほうが体が楽になります。
・昔はロードヒーティングで対策、現在は配置計画がポイントに
30年以上前は灯油が安く、家を建てる際にロードヒーティングにすることは多くありました。
(一時、札幌市から工事費の助成金もありました。)
その為、建物と道路の位置関係は、雪かきのことはあまり考えずに設計が出来ました。
近年は灯油も高騰した為、新築では設置する住宅がかなり少なくなりました。
それため、最近の注文住宅の設計は、雪かきを少なくする配置計画はとても重要になってきました。
2、建物の配置は道路の付き方によって位置を変えるのがコツ(具体例あり)
a、南側に道路がある場合は、雪かきが少なくなるように工夫
南側に道路がある場合、家は陽当たりを良くする為、北側の配置が理想です。
ただ、デメリットとして家と道路までが離れる為、雪かきする面積が増えてしまいます。
最近、注文住宅で人気があるのはカーポートなどを配置して雪かき部分を減らす間取りです。
ロードヒーティングと違い、設置してしまえば燃料費など維持費がかからないメリットもあります。
LIXIL カーポートhttps://www.lixil.co.jp/lineup/carspace/garage/
*北海道では豪雪地域用のカーポートを選ばないと、倒壊の危険性があるのでチェックが必要です。
b、北側に道路がある場合は、建物を道路に寄せる。
北側に道路がある場合は、なるべく道路側に寄せたほうが雪かき面積が減らせます。
・北側プラン例1
c、北側道路でもカーポートを利用するのも良い
北側道路でもカーポートを利用するのも良いかもしれません。
そうすると玄関前と駐車スペースの雪かきは少なくできます。
・北側プラン例2
家族の車が2台ということも多い為、並列に2台置けるカーポートが人気があります。
ちなみに北海道では、「雪かき」のことを、「雪はね」「雪投げ」と言います。
札幌は「雪投げ」と言う人が多いです。
ついでに投げるは、「ゴミを捨てる」場合も「ゴミを投げる」と使います。
内地(本州)で知らずに「ごみ投げといて」言うとゴミを投げつけられます。(笑)
d,東側、西側道路の場合は、方位の向きや敷地の形によって使い分ける。
東側道路や西側道路などは、陽の入り方(方位など)や敷地の形などから、南と北の例を参考に使い分けるのが良いかと思います。
・東西プラン例1
上の図のように、奥行きが長い敷地で、道路側からの陽が期待できる場合、カーポートなどを設置して、住まいを奥に持ってゆく方法があります。
・東西プラン例2
また、上の図のように、道路に対して間口が広く奥行きが短い場合、住宅を道路側に寄せて、南側の庭からの陽を取る方法もあります。
・東西プラン例3
庭側に日当りの良い部屋を多く設置したい場合(二世帯住宅など)は、北側を駐車スペースにします。
予算があれば組み込み車庫(インナーガレージ)なければカーポートスペースが理想です。
雪でスノウ。(笑)
e,インナーガレージとの組み合わせ
北海道は、吹雪の時でも雪下ろしのいらない組み込み車庫(インナーガレージ)やカスケード型ガレージは人気があります。
特にインナーガレージは、雪にあたらずに車に乗り込めるので人気のある間取りです。
・提案プラン例1
インナーガレージとカーポートを併用できれば、人も車も雪にあたらない動線の間取りになります。
インナーガレージから家に入れる第二の玄関(勝手口)をシューズクローク設ければ、さらに使い勝手が良くなります。
最近人気のシューズクロゼットの間取りのブログをご参照ください。
https://lifehome-sekkei.com/index.php/2020/08/05/walk-through/
冬の北海道は路上駐車禁止。(注射違い(笑))
・提案プラン例2
カーポートを設けず組み込み車庫にして、人の歩く部分は屋根付きの通路にする。
玄関が奥にあることによって、少し建物の格が上がる感じがあります。
f,その他の注意点
・除雪した雪を置ける場所を考えておく
クルマの前にたまった雪や吹き込んでくる雪、除雪車が置いて行った雪は片付けなければなりません。
その為には除雪した雪を置ける場所を考えておく必要があります。
駐車スペース近くにあるのが一番ですが、スペースが足りない場合など建物脇を通って雪を持ってゆく必要があります。
その際にはガスボンベ庫やホームタンク、エアコンの室外機など運ぶのに邪魔にならないか建てる際にチェックされたほうが良いです。
ちなみに、敷地内の雪を道路に捨てる(置く)のは、厳密には道路交通法の違反になります。
また札幌市でも、道路に雪を出さないで欲しいとPRしています。
札幌市からのお願い https://www.city.sapporo.jp/shiroishi/shisetsu/doboku/documents/street.pdf
札幌市の雪対策のキャラクター「ゆきだるマン」耳があるのが特長
・土地を選ぶ際、車通勤の方は、旗竿地は避ける。
ちなみに土地を買って家を建てる場合、通勤などで車を利用する頻度が高い方は、旗竿地(路地状敷地)は避けたほうが無難です。
道路まで行くための除雪の面積が大きいからです。
ロードヒーティングで溶かそうと思うと、面積が大きいので工事費もかかりますし、燃料費もかかります。
また、一気に降り積もる雪には、じんわりと溶かすロードヒーティングは追い付かない欠点もあります。
道路までの除雪の為に、個人で大型の除雪車を購入された方もいました。
(除雪車代を住宅ローンに組み込めないかという相談がありました(笑)。もちろん銀行で却下されました。)
3,敷地に適した配置計画のヒント
・配置は周りの家を見てヒントを探すのも一手
今回はほんの数パターンですが、ご紹介させていただきました。
これ以外にもいろんなパターンがあるかと思います。
ご自分で間取りを考える際、色々なパターンを試してみるのも良いかもしれません。
また、散歩やドライブがてら、ほかの家を見て参考にするのも良いかと思います。
家の間取りは、道路から見ることはできませんが、建物の配置や車庫などの駐車スペースの取り方は見ることが出来ます。
あまり、じっくり見ると不審者だと通報されるかもしれませんので、グーグルマップのストリートビューを利用するのも良いかもしれません。
グーグルマップ https://www.google.co.jp/maps/
最後に
家の配置計画は方位や敷地の形、周りの状況、車の台数など様々な条件によって、それぞれ適した形があります。
ブログや周りの家をヒントに最適な配置計画を考えてみましょう!
やってみたけど分からない、我が家にはどんな形が合うのかが不安という場合は、当設計事務所にご相談いただければと思います。ホームページhttps://lifehome-sekkei.com/
参考までに、この下に過去の関連ブログを載せておきますので、お読みいただければ幸いです。
過去の参考ブログ
・ガレージとファミリー玄関をつなげた間取りのブログ
・ガレージが玄関?欧米の間取りのブログ
・北海道では冬、暖かい西日を大切にしているというブログ
・旗ざお地でデメリットを生かす失敗後悔しない注文住宅とは
*ライフホーム設計の札幌の設計士が書く、ほかのブログも参考にどうぞ
https://lifehome-sekkei.com/index.php/blog/
最後まで、ブログをお読みいただきありがとうございました。
雪国ならではの話題でしたが、なにか家づくりの参考になりましたなら幸いです。
皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
新規プランのほか、ご自分で書いた間取り、工務店やハウスメーカーの作成したプランへのアドバイスやサポート診断を行う「セカンドオピニオンサービス」も出来ます。(電話メールオンラインで全国対応)
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