札幌からの東京に出張の際に、上野の国立西洋美術館に行ってきました。
先月の令和2年1月中旬に、札幌から出張で東京に行ってきました。
国立西洋美術館は世界文化遺産です。
出張の合間に、上野の国立西洋美術館に行ってきました。
昨年、美術館設立60周年のイベントをやってたのですが、日程が合わず見れなかったので、行く機会があれば見たいと思っていました。
この建物は、2016年にユネスコの世界文化遺産に指定されています。
設計は、世界の3大近代建築家の一人「ル・コルビジェ」氏
国立西洋美術館の設計は、世界の3大近代建築家のル・コルビジェ氏です。
彼の設計で、日本で唯一の建築された建物です。
監理は、後の日本の近代建築家になった、坂倉準三氏、前川國男氏、吉阪隆正氏で、彼らは「コルビジェの3人の弟子」とも言われています。
ちなみに、「コルビジェ」はペンネームで、カラスという意味だそうです。
国立西洋美術館の外部
コルビジェの代表的なデザイン設計のピロティが使われた。
コルビジェの設計の手法で、ピロティというものがあります。
これは、柱だけで支えられた屋外空間のことです。
最近では、1階に駐車スペースを造るのに多く見かけますが、世界で一番最初に設計の提案したのがル・コルビジェでした。
現在は正面1列しか、柱が屋外に出ていませんが、建築当初は数多くの柱が屋外にありました。
コルビジェの弟子の坂倉準三氏の設計の札幌パークホテルの駐車場などもピロティですね。
外壁は個性的な玉石付きコンクリート仕上げ
上部の外壁は、コンクリートに玉石を張り付けたデザインです。
外壁材は、コンクリートを板状にした版(PCパネル)で、取り換えが可能です。
現在の玉石は、新しく取り換えられたものです。
当初のは、高知の桂浜の小石を使っていたそうです。
「竜馬がゆく」という本を読んだ青年の頃、高知の桂浜に行ったことがあります。
国立西洋美術館の内部
1階のホールを中心とした回廊式な間取り
入り口から入ると、19世紀ホールと名付けられたホールがあり、そこを中心に2階は、ぐるっと回れる動線の美術館になっています。
国立西洋美術館のホームページより
https://www.nmwa.go.jp/jp/visit/floorplans.html
ホールは、三角形の天窓から自然光が降り注ぐ
1階のホールの吹き抜けは、天窓があり、自然光が降り注ぎ、柔らかな空間になっています。
また、吹き抜け部分には、木目のある丸い円柱と梁があります。
1階の19世紀ホールからは、スロープで2階に
1階のホールからは2階にスロープで上がります。
2階にあるバルコニーなど、上がってゆくと景色が変わってゆく楽しさがあります。
2階の展示コーナーにも、水平の窓からの光が入る設計に
写真の右上に見える窓は、2階のホールにも、自然光が入るような設計がされました。
現在は、美術品を守る為、陽の光を入れずに、人工光のみにしているそうです。
中3階天井と2階の低い天井は黄金比で
コルビジェは、モデュロールという建築の黄金比を用いて、設計していました。
こちらの美術館も、至る所に採用されています。
中3階などもその割合で高さが決められています。
前年ながら、現在は中3階に上がれなくなっています。
階段幅が狭い
外に出ると、コルビジェの弟子の設計の建築物が見えます。
国立西洋美術館を出ると、コルビジェの弟子の前川國男氏が設計した「東京文化会館」見えます。
国立西洋美術館に増築された新館も「前川國男」の設計です。
世界の3大近代建築家は、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)、ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)、ル・コルビュジエ(Le Corbusier)の3人です。
彼らが設計した日本の建築物は、ライトが3棟、コルビジェがこの西洋美術館1棟と、数少なく、たいへん貴重なものです。
また、無料で公開している日もあります。
私もラッキーなことに無料でした。
是非、一度ご覧になられることをお勧めします。
続きは、
「札幌にはない「世界の近代建築」と「人気4位の大正時代の住宅」を見ました、後編」へ。
https://lifehome-sekkei.com/index.php/2020/02/18/garden/
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田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の設計業務に関わる)
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