新型コロナウィルスに罹患された皆様と、感染拡大により生活に影響を受けられている全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。(注、2020年5月のブログです。)
新型コロナウィルス感染症の自粛要請が解除されつつあります。
私の住む北海道札幌市では、感染者の数は減りつつも、残念ながら解除には至っていない状況です。
目次
1,コロナウイルスがいた場所
2,船に学ぶコロナ対策
(1)トイレ編
(2)ドア編
(3)換気編
(4)間取り編
3,最後に
1,コロナウイルスがいた場所
・厚生労働省の「ダイヤモンドプリンセス号」の報告。
今月、厚生労働省の国立感染症研究所から、コロナで話題になった「ダイヤモンドプリンセス号環境検査に関する報告(要旨)」が発表されました。
これを基に、住まいの仕方や注文住宅を建てる際に、気を付ける事を考えてみたいと思います。
・感染した船内の何処にウィルスがいたか。
報告書によると、船内の共用部、客室など検体を採取されした結果、トイレ周辺、机、電話機、TVリモコン等からよくSARS-CoV-2 RNA(コロナウィルス)が検出されたとのことでした。
*各部屋での検出頻度は、浴室内トイレ床13か所(39%)、枕11か所(34%)、電話機8か所(24%)、机(8%)、TVリモコン7か所(21%)
有症状患者と無症状患者では、有意な差は認められなかったそうです。
また、空気感染に関しても、共用部97k所の内、廊下の排気口から1か所だけではあるが、検出されていたので、遠方まで浮遊する可能性はあるかもしれないとのことでした。
詳しくは、
ダイヤモンドプリンセス号環境検査に関する報告(要旨)国立感染症研究所(掲載日 2020/5/3)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9597-covid19-19.html
ちなみに、ダイヤモンドプリンセス号の客室の間取り
ダイヤモンドプリンセス号のホームページから
https://www.princesscruises.jp/ships/diamond-princess/staterooms/
・トイレが汚染されやすい
報告などから、トイレ周辺が危ないようです。
用を足すと、排泄物からウイルスが、霧のように空気中を漂う状態になり、数時間も生き続ける場合があるようです。
飛び散らせない為には、トイレのフタを閉めて水を流すのが一番で、8割は減らせるそうです。
2,船に学ぶコロナ対策
(1)トイレ編
・家族に感染者や疑わしい場合は、トイレが2つある場合は、使い分ける。
ご家族に、新型コロナウィルスに感染してたり、疑わしい方がいて、トイレが2つある住まいの場合は、感染者と共有しないで、違うトイレを使用することも、防止に有効です。
・掃除しやすいトイレ
最近は、掃除のしやすい建材や便器など出てきています。
壁材に化粧パネル、床材にふき取りやすい専用フロア材、掃除のしやすい便器などです。
以前のブログに、このことを書きましたので、ご参考にしていただければと思います。
(2)ドア
・手に触れるものから感染しやすい
トイレ以外には、テレビのリモコンなど手の触れるものにウィルスがいるようです。
消毒は気を付けたいところですね。
最近の便器は、自動で流れるオート機能や直接、手で触れないで便座の開け閉めできるものが増えてきています。
手洗いもオート機能が選べるようになってきているので、家を建てる際には採用するのも良いでしょう。
TOTO
https://jp.toto.com/products/toilet/restroom_dresser/index.htm
・将来、ドアは自動化される?
ドアノブも注意が必要ですね。
「宇宙船」や「未来の物語」の映画を見ていると、ドアが自動化されています。
バブルの頃、建具(ドア)の会社から、「そのうち、ドアは自動が標準になります」と売り込みがありましたが、残念ながら、今の未来はそうはなりませんでした。
これは、この頃、注文住宅は、ドアの下にも枠がある開き戸が一般的で、自動ドアの出来る引き戸は、間取りにあまり採用されてなかったからだと思います。
でも、今は枠なしの段差のないバリアフリーの引き戸が、邪魔にならなくて人気があります。
引き戸の自動ドアは買う人が多いかもしれませんね。
ナブテスコ株式会社 https://nabco.nabtesco.com/products/
現在、住宅用建材メーカーでは自動ドアは売られていませんが、自動ドアメーカーや部品のみ販売している会社はあります。(高価ですが)
開かない….。
・高齢者対応のバーハンドルに
自動ドアは、現在難しいですが、ハンカチなどで、ドアノブを直接触らない方法を取るのは有効かと思います。
注文住宅で新築される際は、引き戸を多くする間取りにして、病院のスライドドアの取っ手のような、バーハンドル(下図参照)を選ぶと良いです。(ドアも広めの高齢者対応ドアとして販売されています。)
これだと、手のひらでない、腕やひじでも開閉できます。
パナソニック https://www2.panasonic.biz/ls/sumai/fukushi/hikido/
(3)換気
・換気を大切に
報告によると1例ではあるが、廊下の排気口にウイルスが見つかったので、浮遊の可能性もあるとのことでした。
注文住宅など新築の建物は、換気システムが義務化されていて24時間空気が入れ替えるようにされています。
ただ、換気システムは、長時間で空気が入れ替わる計算(2時間に1回程度)なので、部屋に集まったりした場合は、換気量が足りないので、窓を開けての換気が望ましくなります。
・北海道で使用される樹脂サッシ窓は、開閉の位置が大切
札幌のような寒冷地であれば、窓は樹脂サッシが主流です。
また、気密を良くするために、北海道外で多い、引き違い窓ではなく、たて滑り出し窓と言って全部が開かない窓になっています。
リクシル
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/hint/select_room/
換気を良くするためには、なるべく部屋に空気が流れるように窓を設置する間取りプランが良くなります。
(4)間取り
・玄関と洗面、浴室の動線が短い間取りが望ましく
厚生労働省による、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例によると、帰宅した際に、「家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。」とあります。
船内の枕でコロナが多かったので、多くの人と会った後などは、頭も洗った方が良いかと思われます。
体につけてきたかもしれないコロナウィルスを家の中に、落としていかないには、玄関の近く洗面や浴室があった方が望ましいかもしれません。
ライフホーム設計の参考間取り図
すぐに着替えができるファミリークロゼットの間取りが増えるかもしれませんね。
以前に、洗面と玄関の位置のことは、お医者さんの家に学ぶ間取りのブログにも書きましたので参考に
(このほか、新型コロナに負けない住まいのブログは、ページの最後の方にあります。)
厚生労働省『新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。』参照
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
最後に
・マスクや手洗いの徹底が基本
ダイヤモンドプリンセス号の報告のまとめに、「日常的な手指衛生が極めて重要であることが再確認された。」とあります。
全国で、自粛解除の方向にむかっていますが、「三つの密」や「人と人の距離の確保」 「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」など守ってゆきたいですね。
60の手習い(洗い)
・まとめ
クルーズ船の報告書を元に、住みやすくなる家はどんなものか自分なりに考えてみましたが、いかがだったでしょうか。
住まいは掃除がしやすく汚さないキレイに保つことが基本のようです。
皆さんのなにか良いアイディアみたいのがあれば教えていただければ幸いです。
(ページの最後にコメント欄があります。)
早く普通の日常に戻ると良いですね。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
*ライフホーム設計の設計士が書く、ほかのブログもどうぞ
病気にならない家の作りとは
文中に書いた掃除のしやすい建材や便器など
お医者さんの家に多い間取りのブログ
コロナ対策の間取りの実例もあるブログ
「昔は何故、廊下と部屋との間に段差を付けたのか」というブログ
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
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