今回は、注文住宅で家を建てる際、ハウスメーカーや工務店で出してきた間取りが気に入らなかったり、決まらなかったりすることがあるので、それが何故かと、その対策のブログです。

後悔、失敗しない間取り作りのコツなども書いてゆきます。

家の模型と間取り図

目次

1,エピソード

2,ハウスメーカー、工務店の設計の現状

3,良い間取りにする方法

4,最後に

 

1,エピソード
知人の女性が家を建てた時のお話

ある女性から聞いた、家を建てた際の話です。

ご主人の知り合いの工務店で、家を建てることにになりました。

間取りは「奥さんの考えた家にしますよ」と言われ、方眼紙にスケッチのような簡単な図を書いて大工さんに渡しました。

その後、何の連絡もなく、現場に行って見ると、家がなんと出来上がっていました。

家のイラスト

中に入って見ると、窓が、部屋のは小さく、トイレや洗面や廊下には全然ありませんでした。

大工さんに「なんで窓が無いんですか」聞いたら「図面に書いてなかったから」と言われて愕然としたそうです。

そのほか、1階のLDKの広い部屋の中央の邪魔なところに柱があったので聞いてみたら「この間取りは柱があった方が丈夫だ」と言われたそうです。

大工さん

奥様は「まさか、素人の書いた間取りのまま家を建てるとは思わなかった」とお話されていました。

(ご主人と、その後大喧嘩になったそうです。)

これは、笑い話でもなんでもなくて、ハウスメーカーでも「あるある」の話です。

 

2,ハウスメーカー、工務店の設計の現状

すべての住宅メーカーの事ではありませんが、間取りに満足いかない原因が住宅業界の構造にあります。

 

・ハウスメーカーは設計の人数がかなり少ない

住宅メーカーでは、営業マンの数に比べ、間取り図を考えられる設計の人が少ないのが現状です。

確認申請などの審査の書類つくりや、営業用の外観パースなどのCADのオペレーターの設計スタッフはいるものの、間取りを考えられる人は少ないハウスメーカーが多くあります。

 

経営的に、設計や現場監督などは少ないほうが、固定経費が掛からないというメリットがあるからかもしれません。

(建築価格にも影響がありますが、本当はそこが大事なところなんですけどね。)

全部の住宅会社がそうだと言いませんが、設計の人は年々少なくなっている気がします。

 

住宅の営業マン

 

・多くの案件を抱えている設計

営業マンの数に対して設計する人が少ないので、一人の設計マンが、数名の営業マンの打合せ物件を抱えています。

一人の営業マンも数棟案件を抱えていますので、結構な数になります。

 

・設計にあまり時間が掛けられない

新築の打合せの日は、お客様の土曜日曜の休みに合わせることが多くなります。

その為、週の後半に建築費用の見積もりをする為、設計の人は、週の前半に集中して多くの間取りを考えなければなりません。

考えられる時間があまりとれないことが出てきます。

こっちの方が使いやすそうだなと思っても、作り直してると間に合いません。

また書き直してると、ほかのお客さんの間取り図にも影響が出てしまいます。

CADオペレーター

・住宅会社の間取りは、意外と営業マンが考えていることも多い

設計の人が少ない為、営業マンが間取りを考えていることは多くあります。

設計が忙しい時、営業マンが間取りを考えてたほうが、打合せを早く進めてゆけるからです。

札幌のハウジングプラザや北海道マイホームセンターのような住宅展示場に出展しているハウスメーカーや工務店では、特に競合が激しく、遅れて営業すると他社にお客さんを取られてしまうからです。

住宅展示場

その為、設計の専門でない人が間取りを作るケースが多くあります。

一度試しに「この間取りは誰が考えたのですか」と聞いてみるのも良いかもしれません。

 

モデルハウスでアンケートを渡した営業マンが担当になるので、当たりはずれがある
また、営業マンが間取りを作るにしても、当たりはずれがあるかもしれません。
気に入ってる住宅メーカーがあっても、モデルハウスでアンケートを渡した営業マンが担当になる為、相性が悪かったり、経験が少ない人でなかなか思いが伝わらないケースもあります。

住宅の営業マン




・他業種からの転職してくる営業が多い

実は、住宅の営業マンは他業種からの転職者も多くいます。

土日が仕事で人手が少なく、営業経験があれば建築知識がなくても採用しています。

 

・敷地に合わない企画プランや過去の間取りを持ってくるケースも

建築の専門でない営業の人も、そんなに間取りに時間をかけらてられないので、企画プランや過去の間取りを、そのまま当てはめて持ってくるケースもあります。

以前見せてもらったハウスメーカーの間取りは、部屋数は要望通りだったもの、日当たりの悪いほうに「リビング」、陽当たりの良いほうに「納戸」と敷地に合わないものがありました。

ハウスメーカーの注文住宅の間取りは、個別に敷地や要望にあわせないこともあるので、気に入らない間取りになってしまうのかもしれませんね。




 

・値引きなどで契約してしまい、後に後悔することもある

住宅メーカーなどで、期間限定キャンペーンや月末近くになると値引きなどで契約をあおることがあります。

間取り図が気に入らなくて決められない状況でも、値引きやグレードの高いキッチンなどのサービスに釣られて契約して失敗してしまった話はよく聞くことです。

また、建築条件付きの土地の場合、ほかの誰かに土地と取れれないようにと、間取りも固まってない状況でも、申し込みをしてしまって家を建ててしまって後悔した話もよく聞きます。

折角のマイホームなのに、とても残念な気がします。

住宅営業

昔、ノルマが厳しいので、土下座営業という住宅営業スタイルがありました。(私の時代で北海道でも1,2社ありました)

間取りも仕様も決まってなくても、「契約してください」と契約書に判を押すまでお願いし続ける営業スタイルです。(住んでから倍返しされる?半沢直樹(笑))

今は建築の資格のある人が契約前に立ち会わなければならない決まりになりました。

 

・失敗した注文住宅の間取りで一生後悔しながら生活する?
SUUMO(スーモ)の間取り失敗ランキングというのがあります。

1位が配線の失敗、2位が収納の失敗、3位が広さの失敗だそうです。

でも、これのほとんどは建てる前に、設計の人と普通に打合せしていれば解決できたはずです。

1位の電気配線のチェックなどは設計の仕事です。

失敗した注文住宅の間取りで、後悔しながら一生住み続けるのは避けなければなりませんね。

SUUMO間取りの失敗ランキング https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_plan/madorinoshippai/#tboc2

SUUMO 間取りの失敗ランキング

スイッチは、おスイッチ(押す位置)が重要です。(失礼しました(笑))




3,良い間取りにする方法
・優先順位を付ける

営業マンを通して設計マンに間取りを作ってもらう場合は、要望の優先順位をつけてから、作ってもらうのが良いです。

設計では、色々な要望に対して、直接会って話していないのでニュアンスが分かりません。

「あれば良いかな」程度の要望も全部プランに取り込んで設計すると、譲れない要望よりそちらが優先された間取りになることもあります。

全部要望はかなっても、メリハリのない中途半端な家になってしまうことがあります。

家のチェックリスト

・こだわりを書いて渡す

優先順位を付けても、営業マンが設計にうまく伝えられるかということもあります。

具体的に、要望を書いて渡すと伝わりやすいかもしれません。

たとえば、「対面キッチン」が希望の場合、「キッチンからテレビを見ながら料理したい」など。

子供部屋も「子供部屋は2部屋で4.5畳から6畳」も、「兄弟喧嘩しないよう、同じ大きさの部屋で、両方とも南向きの窓」「女の子の部屋は、クロゼット1.5畳もしくはウォークインクロゼット」などです。

またラフな簡単な間取り図でも、設計の人にはかなり参考になります。

(想いの詰まった図面でとても参考になります。)

手書きの家の間取り

 

・ノートを一冊作る

私はお施主様にノートかメモ帳を用意していただいています。

何か思いついた際に書き留めておいてもらうためです。

打合せの時に、「なんか言おうと思ってたけど何だったかな」ということが無くなります。

アイデアを書く

 

・どうしてもうまくいかない場合は

何回も図面を書いてもらっても上手くいかない場合、ハウスメーカーや工務店を変えるのも一つです。

ただ、そこの住宅会社の工法や知人の紹介などで、変えられない場合は、そこの会社の設計の人に来てもらって、直接、要望を伝えるのが良いでしょう。

それでも気に入らない場合や、設計の人がいない工務店、住宅メーカーの場合は、図面のアドバイスを行っている設計事務所に相談するのも良いかもしれません。

 

設計の打合せ

 

ちょっとここでCM(笑)(飛ばして読んでも良いです)

ライフホーム設計では、新築プランのほか、間取りにアドバイスを行うセカンドオピニオンサービスも行っております。(お試しの新規プラン作成は初回3万円。アドバイスのみは全国対応、2万円)

こだわりのある要望も成功例を元にシュミレーションし理想の間取り図にしてゆきます。

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住いは高い買い物ですし、うまくいかない場合、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

詳しくは北海道札幌市の建築士事務所「ライフホーム設計」ホームページ
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4,最後に

間取り設計は、注文住宅においてとても楽しい部分でもあり、最も重要な部分でもあります。

昔は「家は3回建てなければ満足しない」と言われてましたが、今は1回建築するのが難しい時代になってきました。

したがって初めて建てる家でも、間取りは真剣に検討して満足いくものになるのが良いですよね。

このブログが、理想の家を建てることの参考になりましたなら幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。

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・ブログを書いている設計士の紹介

 

打ち合わせの様子

田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士

建築設計事務所「ライフホーム設計」代表

*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。

貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。

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