ファミクロ(ファミリークロゼット)のブログの続きです。
前回は、「メリット、デメリット」「間取りのどの位置がベスト」を中心に書きました。
今回は、「広さの決め方」や「安く作れる方法」などを中心に、書いてゆきたいと思います。
目次
1、ファミリークロゼットの種類
(1)ファミクロは主に2種類ある
(2)ウォークイン型ファミリークロゼット
(3)ウォークスルー(通過)型ファミリークロゼット
(4)ウォークインとウォークスルー型の違い
2,ファミクロの広さの求め方
(1)ファミリークロゼットの広さの計算式
(2)ファミクロの計算例
3,ファミリークロゼットを安く作る方法
(1)ハウスメーカーのクロゼットの標準仕様を知る
(2)安くファミリークロゼットを作るコツ
4,格好よく良く作るには
(1)カッコよく見せるには住宅建材メーカーのシステム収納を利用する
(2)制作家具会社に依頼すれば、オリジナル収納が出来る
5,次回のお知らせ「大切なこと」「間取り実例」「よもやま話」
1、ファミリークロゼットの種類
(1)ウォークイン型かウォークスルー(通過)型か
ファミクロにも2種類のタイプがあります。
(2)ウォークイン型ファミリークロゼット
・ウォークイン型は行き止まりタイプ
出入り口が一つのタイプです。
室内を部屋として使うことも出来るため、着替えなども行いやすい、中でアイロンがけなど家事も行おうと思えばできます。
行き止まりになっており、通路部分が少なくなるので収納が多く入れられるメリットがあります。
(3)ウォークスルー(通過)型ファミリークロゼット
・ウォークスルー型は通過できるタイプ
ウォークイン型が出入り口が一つで行き止まりになっているのに対して、ウォークスルー型は出入り口が2つあるので、通り抜けられるようになっています。
(4)それぞれのメリット、デメリットの比較
ウォークイン型とウォークスルー型はそれぞれメリット、デメリットがあります。
実例図を基に比較してみましょう。
・生活動線の比較
・ウォークイン型
ウォークイン型は出入りが一つしかない為、入った部屋へ戻る一方通行の間取りになります。
下記の実例図では。ファミリークロゼットから玄関へ行くのに、ぐるっと洗面所、キッチンを通ってゆかないとなりません。
・ウォークスルー型
出入り口の2つある通過型のウォークスルータイプは、両方向へ行けるので部屋から部屋へのショートカットが出来る為、生活動線が短くなるメリットがあります。
上図の実例だと、ファミリークロゼットから洗面所だけでなく、直接玄関へも行けます。
朝は1秒が惜しい
・収納量の比較
・ウォークイン型
ウォークイン型は通路部分が少ないので、図のように多く収納できるメリットがあります。
・ウォークスルー型
ウォークスルー型は、ウォークスルー型と比較して同じ部屋の面積であれば、収納部分が少なくなります。
・この章のポイント
限りある坪数で建築しなければならない場合、収納、動線のどちらを優先するのかを決めて、型を選択していきましょう。
昭和世代しかしらないかも(笑)
2,ファミクロの広さの求め方
(1)ファミリークロゼットの広さの計算式
・広さを畳数で求める
家族全員の衣類を入れるのに必要な広さを、今のお住いの状況や将来的なことを考えて広さを決めます。
家族一人ひとり、どれくらい広さが必要かを畳数で出してゆきます。
現在のお持ちの服を基準に、決めてゆきます。
例えば、「お父さんは畳1畳分のクロゼットが必要だから1畳」とか、「おねえちゃん(子供)は現在2畳分でたりなさそうだから3畳」と出します。
「1畳分くらいあれば足りそうかな」
・男女別、子供の成長も考える
子供は成長すると増えるかもしれないので、少し多めにしておくかも考えて決めてゆきます。
女の子は少し広めで計算します。
量がわからない場合は、男性一人当たり0.75畳~1畳、女性一人当たり1畳~1.5畳でも良いかもしれません。
・通路部分なども計算に入れる
洋服の入れるスペース以外に通路部分が必要になります。
部屋の形によっても違いますが、通路は服の量の半分くらいのスペースが必要になってきます。
服の量が4畳くらいであれば、その半分の2畳分位増やします。
9畳の野球場(や、きゅうじょう)「狭っ」(笑)
・畳数の合計を出す
家族分の広さに通路部分を足して、部屋の大きさを求めます。
姿見鏡を置くことやウォークスルー型など間取りによって面積は変わりますが、最初の間取りを作る際の目安とはなります。
(2)ファミクロの計算例
下記の図の計算は一つの例です。
お父さん0.75畳+お母さん1.25畳+子供(女の子)1.25畳+息子0.75畳+通路2畳で合計した6畳が必要な広さの目安になります。
出来ることなら少し余裕を持った広さにしたほうが安心です。
但し、全体のバランスを見て、広さは調整したほうが良いです。
家族の第一希望が広いリビングなのに、ファミリークロゼットのせいで狭くなることは問題があります。
3,ファミリークロゼットを安く作る方法
(1)ハウスメーカーのクロゼットの標準仕様を知る
住宅メーカーの多くクロゼットの標準的な仕様は、枕棚の下にステンパイプの洋服掛けになっているところが多いです。
a、可動棚や引き出しはオプション工事が多い
下駄箱のような棚板を自由に高さを変えられる可動棚は、シャツやかばんなどを効率よく入れられて便利です。
南海プライウッド https://www.nankaiplywood.co.jp/product/
ただ可動棚は多くのハウスメーカーや工務店が、オプション(標準外)工事にしています。
棚板の材料費のほか、大工さんの手間賃がかかるからとされています。
そのため、ファミリークロゼットを頼む際に、「可動棚を付けてください」と依頼すると別途費用を取られることがあります。
但し、可動棚は、安く設定しているハウスメーカーもあるので、値段は聞いてみるのが良いかと思います。
b、引き出しは、完全オプション
引き出しを制作するとなると、家具職人さん並みの精度が要求されるのでかなり手間がかかります。
棟数をこなす、大工さんはやりたがりません。
そのため、住宅建材メーカーで販売している既成の引き出しを購入して、大工さんにつけてもらっている住宅会社や工務店が多いかもしれません。
そのため、こちらもオプション工事で、材料代や組み立て費が別途費用がとられます。
(2)安くファミリークロゼットを作るコツ
a、収納ケースなどをうまく使う
可動棚や引き出しを、見栄えの良い住宅建材メーカーの材料を使用すると値段がそこそこかかります。
安価で、棚や引き出しを付けたい場合は、収納ケースやフィットケースを活用する方法があります。
これらは、ニトリ、ホームセンター、無印良品などのインテリアショップで売られているものを使用します。
ニトリ https://www.nitori-net.jp/ec/
収納ケースやフィットケースの方が、棚の材料代や大工さんの工賃、住宅メーカーの利益載せた費用より断然安くなります。
軽くて移動もしやすいメリットもあります。
インテリアショップの中では、ウォークインクロゼット用の収納家具が販売しており、それらを使用するのも良いかと思います。
b、お持ちの家具を入れるのもあり
現在お住いで使用している家具を、新居のファミクロで利用するのも良い方法です。
ベビータンスなど引き出し付きの背の低い家具は、使い勝手が良いかもしれません。
大きめの家具は、搬入経路など含めて設置できるか確かめておくのが無難です。
4,格好よく良く作るには
(1)カッコよく見せるには住宅建材メーカーのシステム収納を利用する
格好良く素敵に見せるには、LIXILやパナソニックなど住宅建材メーカーのシステム収納の部材を活用するのが良いかと思います。
統一感があるファミリークロゼットになります。
南海プライウッド https://www.nankaiplywood.co.jp/product/
次の項で書く、家具を製作するよりは、既製品を使用するので安価でできます。
既製品でも、引き出しのほか網棚やコーナー収納など様々な種類があります。
(2)製作家具会社に依頼すれば、オリジナル収納が出来る
住宅建材メーカーの商品は、決められたパーツを組み合わせて収納を作りますが、オーダー家具を作っている会社に依頼すれば、オリジナルのファミリークロゼットが出来ます。
主に商業施設など店舗などを扱っている家具メーカーも多く、細かいオーダーメイドにも対応してもらえます。
建築工事を行う工務店やハウスメーカーを通して、見積もりしてもらうとよいでしょう。
5,次回に続きます。
今回はファミリークロゼットの種類や広さや費用を安く抑える方法、かっこよく見せる方法を書いてみました。
ハウスメーカーに間取りを依頼する際やご自分で間取りを考える際に、参考になればと思います。
前回に続き長文になってきたので、前回のブログで書くと言っていました「ファミリークロゼットを決める際に大切なこと」と「間取りの実例」は次回にしたいと存じます。
それまで少々お時間いただければと思います。
つーびーこんてにゅう
・それまで関連ブログも参考にどうぞ
・もう一度、パート1から読んでみる。
・キッチンを含めた家事動線の基本
・家族の間取りの要望をまとめるには
・通過型シューズクロゼットの間取りのポイントは
今回のブログが、みなさまの住まいの参考になりましたなら幸いです。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
・新築の間取りの設計
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
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