新しい年号が「令和」に決まり、「平成」も終わりを迎えようとしています。
その為か、「平成」時代の思い出の番組や記事が、目立つようになってきました。
先日の新聞に、昔に何度か行った喫茶店のあったビルが、取り壊されると出ていました。
「昭和」のやや後半生まれの私としては、「平成」の思い出より気になるところでした。
学校の設計の最初の課題
建築の学校に行った際の最初の課題が喫茶店の設計でした。
その為だったか、中の雰囲気とか動線を見に、よく喫茶店に行くようになりました。
今のようにネットなかったので、友達(お店に貼るポスター張りのバイトをしていた)から、よさそうな店を教えてもらって、いろいろ行っていました。
キャッチボックスのあったビル
新聞に出ていた壊されるビルに「キャッチボックス」という喫茶店があり、こちらも何度か行ってました。
店は上階にあり、少し狭めの階段を上がって店に入り、席は通りに面した窓に沿って、椅子が並べられていたレイアウトだったと記憶しています。
このころ、どこの喫茶店にもオリジナルのマッチがありました。
この「キャッチボックス」は紙マッチで、縦横の格子の線の上に、斜めにCATCHBOXと白抜きの手書きのような文字で書かれていました。
このデザインが好きで、行くたびに持ち帰っていた記憶があります。
映画をよく見に行ってた須貝ビル
もう一つ、新聞に出ていたのが「スガイディノス」でした。
こちらも、解体される予定とのことで寂しい限りです。
高校の頃は、このビルは「須貝ビル」と呼ばれ、映画館が10スクリーンありました。
そのころ映画が好きで、年間100本以上見に行っていましたので、よく通っていました。
地下に名画座、低層階にゲームセンターがあり、中層階にボーリング場、新作をやってる映画館は6階以上の高層階にありました。
ビルにはエスカレーターがなく、エレベーターの台数も少なく、上映時間のギリギリの場合、階段を駆け上がらなければならなかった建物でした。
その中でも、印象深い構造の映画館
映画館は、現在のように。第一スクリーンとかの番号でなくて、それぞれに「札幌劇場」「シネマアポロン」とか名称がありました。
その中で、「グランドシネマ」という映画館がありました。
ここは、天井がやたら低く、あちこちに柱があり、席によっては良く見えないところもありました。
また、傾斜もわずかしかない為、途中から中央の通路を通ると、映写機の光が上半身に当たってスクリーンに影が出来てしまっていました。
その為、知っている人は、中央の通路を使わず、わきの通路から、背中を丸めながら、席に着くという感じでした。
多分、ボウリング場だったところを改装したため、ちょっと変わった構造になったと思われます。
建物には詰まった思いがある
先日、パークホテルの建て替えの記事も出ていました。
去年は、「月寒グリーンドーム(共進会場)」も取り壊され、「ニトリ文化ホール(厚生年金会館)」も閉館されました。
今から6,7年前に厚生年金会館が閉館に決まる前に、ミュージシャンの山下達郎さんが札幌のラジオで、この建物のお話されていました。
「歴史あるコンサートホールは、音楽家の思いに培われた音の響きがある。長い時間かけないと出てこないものなので、壊してほしくない」という内容でした。(記憶の中のことなので、正確な表現ではないです)
住宅の解体も同じ
これは、住宅の解体でも同じことがあります。
建て替えの際、解体の様子を見られた方の多くは、涙を流されます。
今の解体は、分別しながらになりますから、1日でグシャと壊すのではなく、建物を徐々に壊してゆきます。
その為、中の部屋が「ドリフの土曜8時のコント(古い(笑))」セットのように見える時があるのです。
そうゆう姿が見えながら、思い出の場所が、無残に壊れてゆくので、涙が出てしまうのだと思います。
思い出は、きれいなままか、最後にお別れか
年配の方には、お引越しの際お別れして、更地になってから見に来てくださいとお話しています。
でも、気になるのか、見に行く方も多いです。
泣かないと覚悟を決めて行っても、やはりダメなようです。
思い出はきれいのままか、最後にお別れかは、とても微妙ですよね。
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