自分で作る間取りで、階段設計で失敗しないコツのパート3最終章です。
間取りの一番失敗しやすい階段は、書いてゆく順番順序を間違えないとすべて上手く設計ができます。
今回が一番重要かもしれませんので、是非お読みいただければ幸いです。
書く順番が正しいときれいにまとまります。
(1)失敗しないポイント3,階段の位置は早めに決める
・なぜか変な間取りになってしまう原因
打合せや相談時にお施主様にご自分で考えた間取りを、数多く拝見させていただきました。
よく見る階段の間取りの間違いに「急すぎて登れない」「上り口と下り口が同じ場所」「登れない位置にある」などがあり、前編、中編と解説してきました。
でも、これらは皆さん間違えないように気を付けて書かれているのかと思います。
きっと間取りを書き始めると、いつの間にか変な階段になってしまったのではないかと思われます。
・今回のシリーズの前編

・今回のシリーズの中編

・うまく書けない原因は、階段の位置を決めるのが遅い
上手くいかない原因の多くは、階段の位置を決めるタイミングが遅いことが場合があります。
こだわりのポイントに集中してしまって、気が付くと間取り全体が変になっているのかもしれません。
こだわりを持って作るのは良いのですが、間取りとして成り立たないとやり直しになるので、非常にもったいないです。
次の章から、階段の位置を含めた間取りはどうゆう順番で決めてゆくのかを説明します。
・①まず基本~1階、2階を同時に作ってゆくことを意識する。
初めて間取りを書く場合で多く見かけるのが、まず1階を作ってしまってから、その次に2階を考えるパターンです。
これが一番失敗する作り方です。
同時に1,2階を考えるのが理想です。
漠然とでも構わないので2階のことも頭に入れながら間取りを作ってゆきます。
1階を固めてしまうと2階の間取りは「解けないパズル」のようになります。
・②間取りの位置決めは、優先したい部屋から決める
それでは、間取りを作る順番に行きます。
間取りを作るうえでは、理想にしている部分をまず優先して位置や大きさを考えてゆきます。
優先したいことで多いのが、「家族が集まるリビングを良い環境にしたい」ということかもしれません。

・③その次に玄関の位置を決める
その次に、玄関の位置です。
道路に安全に出やすい位置になるようにします。
また普段いるリビングと玄関は、外出や来客時のことを考えて動線がシンプルになるようにします。
また、車の利用が多い場合は、駐車スペースの位置なども考慮して考えます。

・④2階のレイアウトを決める
この後に、2階の部屋のレイアウトを大まかに考えます。
2階は何部屋作るかを意識して、大まかに部屋の割付をします。
日当たりの良い部屋をどの部屋にするかを考えす。
一般的には、日中いることの多い人の部屋を優先しますので、子供部屋にすることが多いかもしれません。

・⑤階段の位置を決める
2階の部屋の割り付けに合わせて、階段の適切な位置を見つけてゆきます。
結構、階段の位置決めは早めなのです。
位置決めは1階に大きく影響しないかをも考慮しながら決めます。
よく見る失敗は、日当たりの一番良い場所に階段を作ってしまうケースです。
「階段の日当たりが優先じゃ」→多分、住んでから後悔しますよ。

(2)間取りの書き方の実践編
それでは、実際に間取りをどのように作っていっている様子を図を使って解説してゆきます。
・実例間取りの書き方(1)、リビングの位置を決める
敷地は東南側に道路があるやや縦長の土地という仮定です。
周辺環境としては、敷地の両側にすでに家が建っているとします。
東側(右側)の家は接近して建っています。
今回は、この条件で、2人のお子様のいる家族が3LDK2階建ての注文住宅を希望した場合のプランを作ってゆきます。
まず前の章であった通り、優先したい部屋を決めます。
今回はリビングの日当たりを優先して間取りを作ることとします。
上の配置図の通り、この敷地は南東に道路ですが、北東側の建物は境界沿いに建物があって、陽が入りずらそうです。
南西側は比較的離しているので、西側を開けて建物を配置したほうが良さそうです。
そうなると、オーソドックスに真南の位置が日当たりが良さそうなので、この位置にリビングを仮設定してみます。
南東になんと「うに」!(笑)
・実例間取りの書き方(2)、玄関の位置を考えてみる
先ほどの案だと、リビングが建物の南西になるので、玄関を南東に持ってきます。
上の平面図の通り、玄関とリビングがの動線も近いので良さそうです。
玄関前に駐車スペースが欲しい場合は、車が置けるかチェックしてみます。
駐車スペースを優先する場合は、建物の奥行を短くしてプランが出来ないか考えてゆきます。
「短くしすぎに注意」
・実例間取りの書き方(3)、2階の大まかなレイアウトを考える
1階を細かく考える前に、2階のレイアウトを考えてみます。
上の図の通り、2階は3部屋欲しいプランなので、子供部屋を日当たりの良い位置にしてレイアウトしてみました。
階段は6マスでとりあえず入れてみます。
・実例間取りの書き方(4)、1階の階段の位置の目安を付ける。
2階に合わせて、1階の平面図にも階段を入れてみます。
キッチンや浴室、洗面、トイレなどが間取りにうまく入るかやってみます。
キッチンを「きっちん」とまとめる(笑)。
・実例間取りの書き方(5)、大まかなレイアウトを考える(決めてゆく)
先ほどの必要な部屋を、部屋の動線を考えながら大まかに配置してゆきます。
うまく配置できない場合は、部屋の位置を変えながら、考え直して作ってゆきます。
階段の位置を変える場合は、2階の間取りもうまくまとまるかも含めて考えてゆきます。
大まかなレイアウトが決まってから、窓や物入の位置などを細かく書いてゆきます。
・ワンポイント、レイアウトが決まるまで細かく書き込まない
最初にも書きましたが、レイアウトが決まらない段階で細かく書き込み始めると、うまくいかない場合にまた最初から書き直すことになるのでやめておいた方が良いです。
細かく書いてしまってから、うまくいかないことに気づくと精神的なダメージも大きいです。
私を含め設計を生業にしている建築士も、数回で間取りが決まることは稀です。
ハウスメーカーの担当者もまず、ベストな間取りは何かと大まかなイメージ図(レイアウト)を何十回も考えてから、正式な図面を書きます。

・実例間取り図の書き方(6)、完成した参考平面図
参考までに、レイアウト図から平面図を作ってみました。
床面積が104.34㎡(31.56坪)の総2階の間取りです。
イメージ図に、パントリーやシューズクロゼットなど収納を加えて設計しています。
若干間取りのイメージ図と変わっていますが、部屋の基本レイアウトは変わっていないかと思います。
*1F平面図
*2階平面図
*外観パース(イメージ図)
(3)最後に~何度でもチャレンジしてみて
設計に長く携わっていても、階段の位置を決めるのは難しいものです。
間取りがもうすぐ出来そうだという段階でも、うまくまとまらなくて、またやり直しということは結構あるものです。
一生に一度と言われるマイホームですので、是非あきらめないでチャレンジしていただければと思います。
階段も上手くまとまった間取りは、住宅会社の設計士も「おっ、やるな!」とちょっと感心すると思います。
ぜひ楽しみながら、素敵なマイホームプランを考えてみてください!
*うまくいかない場合は、当設計事務所にご相談を。(CMでした。笑)
・欧米では日当たりに関係なく、玄関そばにリビングがある

・階段は家の中心に近いほうがまとまりやすい

・北海道では雪かきの負担の少ない玄関の位置がベスト

・家族の要望をまとめるには

・お子様部屋の理想の位置の間取りとは

・理想の寝室の間取りとは

・ハウスメーカーは営業マンがプランを作っている?

・階段設計シリーズのパート1(前編)

・階段設計シリーズのパート2(中編)

今回のブログが、みなさまの住まいの参考になりましたなら幸いです。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここからCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
・新築の間取りの設計
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
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