ご自身で、初めて書く間取りは、思いがいっぱいで、素敵なものが多い
初めて、注文住宅の打合せする際に、お客様から「ちょっと、自分でプランを考えたので」と見せてもらうことがあります。
これは、思いが詰まった間取り図で、とても素敵なものが多いです。
その図面を説明していただくと、「ああ、こうゆう風にされたいんだ」「今、こんな不満があるんだ」と、参考になることが多いです。
建築基準法や構造的に合わないこともあったり、こういう風にした方が良いというのもあります。
でも、そこを直してゆくのは、設計士の仕事ですので、自宅をご自分たちで、考えてみるのは良いことだと思います。
目次
1、初めて書く間取りは、階段部分が難しい
2、階段の設計の基本的なこと
3、階段の種類
4、設計で、有効利用するか、見せる(魅せる)階段にするか
5、階段をどこに配置する設計にするか
6、ご自身で描く場合で、階段の位置を間違えない為には。
まとめ、階段部分が上手くなっていると、「やるなあ」と、住宅メーカーに思われます。
1、初めて書く間取りは、階段部分が難しい
初めて考える間取り図は、階段は難しいようです。
間違いが見受けられるのは、はしごのような急な階段であったり、天井がつかえて上がれなかったり、上下階がずれてたり、上り口と下がり口が同じなどがあります。
立体的に考えなければならないので、慣れないと難しい部分です。
でも、せっかくなので、よりよく出来る方法をお伝えしたいと思います。
2、階段の設計の基本的なこと
法律で、階段の蹴上げや踏面の寸法の最低寸法は決まっています。
でも、これは45度以上の勾配ですので、かなりきついです。
・階段の寸法は、法律より少し緩やかに。
これは、私が設計する際に、決めている階段の基準です。ご参考までに。
自宅や気になった階段があったら、メジャーで測ると実感できます。
踏面は①になります。(微妙に違う)
・階段スペースに必要な広さは
階段スペースが、どれくらい必要か分かってると、急な階段になりません。
平面で言うと、1坪分の畳2枚が最低必要な広さになります。
直階段、周り階段など上り方もありますが、最低これくらいは必要になります。
大体、畳半畳(91cm*91cm)を、4分割したのが1段が基準になります。
計算すると910mm÷4段≒228mmで一段辺りの踏面が22.8cmですね。
希望によって、踏面の長さを長くすることもあります。
・段数は14段か15段くらいが一般的、天井高くするときは段数を増やす。
蹴上げは、20cm以下が理想で望ましいです。
その数値で行くと、建物の高さにもよりますが、14段から15段で登りきることが多いです。
気を付けなければならないのは、1階の天井高さを高くするときに、建物の高さを上げた場合、その分階段を増やさなければならないことです。
階の高さをを20cm上げたら、1段増やすとか、30cmなら2段増やすなど必要です。
・ゆったり上るには
勾配を緩やかにするには、踏面を長くするか、階段の段数を増やすことです。
面積が増えますので、2畳のスペースを、2.5畳とか3畳にします。
踊り場があると登りやすい理想的で安全
踊り場がある階段は、踏み外しやすい回り部分がないので、安全な階段になります。
バリアフリーの考え方(ちょっと難しいかも)
フラット35のバリアフリー性に関する基準
https://www.flat35.com/files/400343754.pdf
・階段に2階の床があると、頭がぶつかって登れなくなるので、注意が必要
階段の上部に、2階などの上階の床があると、頭をぶつける階段になってしまします。
階段が「怪談」にならないようにしましょう
3、階段の種類
大きく分けて、直階段と回り階段があります。
カーブ階段や、螺旋(らせん)階段と言うのもあります。
https://sumai.panasonic.jp/sumu2/basic/vol3/04.html
・直階段
読んで字のごとく、まっすぐな階段です。
メリットとして、周り部分がないので、階段スペースが少なくて済むことがあります。
構造も単純で、費用も少し安いです。
デメリットして、上から見たときに、真下が見えるので、怖く感じられるところがあります。
また、もし落ちた場合、どこにも引っかからず落ちるので、大ケガになりやすいデメリットもあります。
昔、「蒲田行進曲」という日本映画で、「階段落ち」という名シーンがありましたね。
・回り階段は2種類
L型(かね折れ)やコの字(折り返し)など種類があります。
メリットして、プランを考えるうえで、納まりやすいところがあります。
デメリットして、3段回りなどの回り部分で、踏み外すことがあります。
防止策として、3段回りをやめて、踊り場にしたり、2段にすることがあります。
住宅性能制度では、2段回りを60度にして、踊り場を設けるとバリアフリーとして認められています。
回り部分に階段が無くなるので、その分直線部分に踏み板の数を増やす必要があります。
・らせん階段、カーブ階段
カーブ階段、らせん階段もデザイン的にかっこよく、あこがれる方も多いです。
カーブ階段は、古いアメリカ映画でよく見られました。
ただ、費用が高いのがデメリットです。
らせん階段は、回っている部分が中心部分が狭いので、踏み外しが多いのもデメリットです。
手摺をつかまって下りる生活が安全で望ましいです。
特に、腕力が弱く、バランスも不安定な高齢者や小さい子供がいる家庭ではお勧めしません。
また、大きな荷物が上がりずらいところも注意です。
4、設計で、有効利用するか、見せる(魅せる)階段にするか
階段には、箱型階段とオープン階段があります。
希望に合わせて採用してゆきます。
最近のモデルハウスは、魅せるオープン型のデザイン階段が流行っていますね。
・箱型階段
蹴込み板がある階段で多くの住宅で採用されています。
階段下が収納や小部屋などの部屋として有効利用できます。
・オープン階段
蹴込みがないので、光が入り明るい階段になります。
ただ、下が見えるので、怖さを感じたり、下から覗かれるのを嫌がる女性もいますので、意見を聞いて採用されたほうが良いです。
また、小さい子供は、隙間から落ちる危険もあるので注意が必要です。
隙間から、おもちゃを落として遊ぶことも多いので、下の床が傷だらけなのも特長です(笑)
5、階段をどこに配置する設計にするか
間取りで、家の端っこにしたり、中央にしたりすることで、2階や3階の間取りが変わってきます。
・外壁に面して設置すると日中明るい
階段に光が入りやすく、明るい階段になります。
廊下が長くなることもあります。
・中央の階段は動線が短くて済む
中央真ん中の階段は2階に上がった際、部屋までの動線が短くて済むメリットがあります。
外壁に面さないので、昼間でも電気が必要なことがあります。
6、ご自身で描く場合で、階段の位置を間違えない為には。
ご自身で描く際に、階段の位置がずれたプランになることが見受けられます。
2階を書く際に、先に階段を書くと間違いが少なくなります。
描いた後も、チェックすると良いかもしれません。
まとめ、階段部分が上手くなっていると、「やるなあ」と、住宅メーカーに思われます。
階段部分は間違いがとても多いので、うまく納まっていると「やるなあ」と感心します。
私も「以前、どこかでプランされたことないですか?」と思わず聞いてしまいます。
ほとんどの方は、私のような設計士に希望を言ってプランを作るケースが多いですが、間取りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
住宅メーカーや工務店に、「なめられたくない」?(笑)または、頼んだ内容の間取りを持ってこないあなたへ。
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このあと、今回の内容に関する過去のブログも載せておきますので、ご覧いただければと存じます。
*ライフホーム設計の今回に関係する過去のブログのご案内
・リビング階段で、失敗しない為のブログ
・階段の位置の違いについて詳しく書いたブログ
・2階リビングの階段のデメリットを消す方法
・コンパクトにまとめる間取りは階段の次に難しい?
・設計士がお施主さんの生活スタイルを見たほうがイメージしやすい
・階段の窓の位置は足元に近いほうが良い
・キャンペーンに申し込んだつもりが契約書だった?
・欧米の映画を見ると、日本と大きな違いが沢山あります。人気のブログ
・3階建の階段はどこがベストか?
・最近人気のシューズクロークのブログ
・住宅メーカーのモデルハウスの間取りを、そのまま真似すると・・・。
・ハウスメーカーの間取りは営業マンが作る?
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田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
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2件のコメント
野沢良次 · 2020年5月5日 10:06 PM
埼玉県でハウスメーカーで家を建てる予定ですが、90度の折れ階段で90度の折れ部が4段(幅は壁芯で910mm)のため悩んでます。参考になりましたありがとうございます。
a.tanaka · 2020年5月6日 10:28 AM
メールありがとうございます。
参考になりましたなら幸いです。
良い住まいになると良いですね。