今回は、丸いデザインを取り入れたデザインのお話です。
少しわからないタイトルですが、ちょっとずつ関連してゆきます。
ブログの前半が日記風になっていますので、デザインのことだけお読みになりたい方は、飛ばしてお読みください。
目次
1,東京のエピソード
2,日本橋高島屋の「村野藤吾」展
3、建築家 村野藤吾氏
4,竹割というタイルの話の映画「みんなのいえ」
5,建物の一部を丸くすると少し優しい家に
6,どこか少しアクセントをつけると、オリジナルの家の外観に
1,東京のエピソード
・まず「神田明神の木田保造さん」のブログの協力者へお礼
記録的な大雨が降った日に、東京に行ってきました。
(飛行機が6時間遅れで、会合に大遅刻してしまいご迷惑をおかけしまいました。)
短い滞在のスケジュールでしたが、前ブログの神田明神を造られた木田保造さんの件で、お世話になったYさんにもお礼を言うことが出来ました。
関連ブログ
「木田保造さんの件に、ご協力をいただき感謝します。神田明神とコルビジェと不思議な巡り合わせ」https://lifehome-sekkei.com/index.php/2019/05/20/plan-20-2/
「函館の名所を設計された「木田保造」さんについて、調べている人がいます。」https://lifehome-sekkei.com/index.php/2019/02/28/blog-1/
Yさんは、とても感じの良い、やさしい人柄の方でした。
重ねてお礼申し上げます。
残念ながら、木田さんのお孫さんのお店は定休日でお会いできませんでした。
今度、東京に行く際は、お店の開いている日に合わせて、お礼に行きたいと思っています。
神田明神にもお礼に行きました。
2,日本橋高島屋の「村野藤吾」展
スケジュールの合間に、ユーザー様と東京の日本橋でランチをしました。
(よく聞いたら、その日の朝に、海外の仕事を終えて帰国したばかりでした。
わざわざ時間取っていただきありがとうございました。)
そのあと、日本橋高島屋で建築家の「村野藤吾」展がちょうど開催してましたので、ランチの後に行ってきました。
この村野藤吾さんが、日本橋高島屋に関わっていました。
・村野藤吾さんが、戦後、日本橋高島屋の増築工事を行う
日本橋高島屋は、高橋貞太郎さんが設計したのですが、戦争で計画が中断してしまいました。
その後、この村野藤吾さんが、基本設計を生かしつつ、自分の色も出しながら増築を重ね完成させました。
近代建築との調和ということで、昭和の名作と呼ばれ、平成21年に重要文化財に指定されています。
重厚感があるけど、柔らかな感じのやさしく迎え入れてくれるような外観デザインですよね。
エレベーターに乗ったら、エレベーターガール(女性の乗務員)が案内や操作をされていました。
たまたま途中から一人になったので、、許可を得て内部を撮らせていただきました。
昭和初期の感じで、とても雰囲気が良かったです。
エレベーターガールは、何機もあるエレベーターのすべてにいらっしゃいました。(エレベーターガールは昭和初期の人でなく、平成という感じでした。(笑))
エレベーターの感じが、北海道民としては、昔の丸井今井の札幌本館のエレベーターを思い出します。
階段も華やかでエレベーターを使うのがもったいないくらいです。
ランチで会食した人から、「昔、象が屋上にいて、地上に戻すとき、階段を使った」とお話を聞かせていただきました。
豪華で頑丈だゾウ(笑)という感じでした。
建物の見学ツアーも、金曜日に行っているようです。行ってみたいですね。
「日本橋高島屋 重要文化財見学ツアー
https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/cultural_propertie/index.html
3、建築家 村野藤吾氏
・村野藤吾さんの紹介
日本の2大巨匠と言われる建築家の方で、東の丹下健三、西の村野藤吾と言われていました。
迎賓館赤坂離宮の改築にも携わる
迎賓館の改築をされたのも村野藤吾さんです。
この迎賓館は、戦前は東宮御所(皇太子の住居)として利用されていたものを、海外の来賓をお招きする迎賓施設に改築をされました。
つい先日、アメリカのトランプ大統領も利用していました。
日本の国の重要な仕事であることと、建物のコンクリートの壁厚が180cm(普通の2階建ては18cmなので十倍)とかなり頑丈に作られていたので、改築には相当な苦労があったと言います。
建物は国宝に指定されています。
「内閣府 迎賓館赤坂離宮 これまでの歩み」https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/history/
・村野藤吾氏の設計の特長
「同じスタイルは繰り返さない」という建築家で、分かりやすい特長がないのが特長とされてます。
ただ、「99%関係者の話を聞き、残りの1%から出発する。それでも村野は残る」と、共通してぬくもりが感じられる建築物を創作されていました。
彼の語録に「頼む人はみんなイメージがあるんだ、 ただそれを表現する方法を知らないから、任せると言っているんだと。 それは、まったくその通りで、 やっぱりイメージはあるんです。 」と依頼者のイメージに近づけていたからかもしれませんね。(依頼者のイメージをくみ取ることは、大切なことですね。)
「建築家、村野藤吾と宇部市」http://www.city.ube.yamaguchi.jp/kyouyou/bunka/kanrenshisetsu/watanabeokinakinen/muranotougo.html
・細部にこだわりが
アイアンワークと呼ばれる金属のを使った美しい形や自然界の形を作品生かすなど多くの建物に取り入れられていました。
3次元で芸術的ですよね。
甲南女子大学フォトギャラリー 「建築家 村野藤吾×甲南女子大学」意匠2
http://www.konan-wu.ac.jp/gallery/
高島屋の展示会に来ていたご年配の団体の方々も、「村野さんは、手摺が特長なんですよね」と話し合われていました。
盗み聞きしたわけではなかったのですが、声が大きめ(笑)だったので、いろいろ勉強させていただきました。詳しい方ばかりだったので、ありがたかったです。
彼が設計した東京の目黒区の庁舎(旧千代田生命保険相互会社ビル)では結婚式場として階段を利用しているようです。
「目黒区総合庁舎における建築家村野藤吾氏の建築意匠概要 」
https://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/chosha/muranotogo/index.html
・窓周りが「竹割」というタイル
角を丸く。というのも村野藤吾さんの特長で、窓周りを丸いタイルを使用したものも多かったそうです。
竹割とは、丸くなったタイルです。
https://www.tilelife.co.jp/item/corner-tile/corner-Interior/13798/
4,竹割というタイルの話の映画「みんなのいえ」
・設計士(実際はインテリアデザイナー)と家を新築するホームコメディー映画
「竹割」は三谷幸喜さんの映画「みんなのいえ」で少し有名になりました。
映画は家を造って行く様子のホームドラマ映画なのです。
設計を新鋭のインテリアデザイナーと昔気質の大工がぶつかり合っていたのですが、この角の丸い竹割タイルがきっかけで打ち解けあうというストーリーでした。
大工が田中邦衛さんで、ちょっと北の国からの黒板五郎さんにキャラクター設定がどことなく似ていて、笑えます。
また、デザイナーが、玄関ドアが外開きなことを怒っています。
参照ブログ 「欧米と日本の間取りの違いは。2、不審者を撃退する、洗濯物を干さない。」)https://lifehome-sekkei.com/index.php/2019/01/19/flow-line-plan-2-3/
この竹割タイルは、今では大手タイルメーカーで売っていません。
その為、曲線部分に貼る時は、小さいモザイクタイルか、タイルを縦張りにしたりします。
5,建物の一部を丸くすると少し優しい家に
・角を丸くすると、柔らかな印象の外観に。
家を丸くすると、少し柔らかな印象になります。
全部を丸くすると、家具が置けないなど少し生活しずらいかもしれません。
お勧めなのが、アクセントとして一部取り入れることです。
室内の壁で利用するのも良いでしょう
石膏ボードでガラス繊維のあるものは、曲がります。(吉野石膏)
・玄関やポーチは、顔になる部分なので、アクセントに最適
玄関まわりは家の顔になる部分なので、丸くするとアクセントになり効果的だと思います。
ポーチの床タイルだと費用も大してかからないと思います。
過去にやった実例ですが、建物がRCだったので、庇もポーチに合わせました。
アプローチでも良いかもしれませんね。
・角地の外観デザインに、丸い面を向けるのも有効。
本田技研の青山の本社ビルを建てる際、本田宗一郎社長は「ビルは四角だ」藤沢専務は「ビルを丸くしろ」という意見が分かれていたのを、設計事務所がうまくまとめて出来上がったのが下のビルです。
2人とも、意見を聞き入れられた設計で、満足されたという話があります。
街中の角地のビルをは、少し丸くしている建物も多いで、今度注意してみてみると良いかもしれません。
少し柔らかい雰囲気になります。
角は目立つ部分なので、住宅で私も何度か提案し、採用していただきました。
6,どこか少しアクセントをつけると、オリジナルの家の外観に
凹凸が多いなど、個性的な建物もありますが、最近多いシンプルなデザインの家でも、どこかアクセントをつけると、少し個性が出ます。
玄関回りにつけると効果的で良いアクセントにもなります。
タイルや外壁などでアクセントをつける方法もありますが、一部、丸いポイントも付けてみた住宅の設計も取り入れられてはいかがでしょうか?
ブログお読みいただきありがとうございました。
皆様の住まいが、より良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
ちょっと変わったブログも、参考にどうぞ。
丸みのある美術館
欧米と日本の間取りの違いは?
テレビの一般の家を見ると住まいのヒントが
ブログの冒頭の昭和初期の歴史的な建物に関わったお話
東北以北で一番古いエレベーターに乗りました。
建物を注意深く見るようになったエピソード
名古屋に行った時のエピソード
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田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
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