近年では一人暮らしをするための注文住宅も珍しくなくなりました。
「趣味を生かしたい」「バリアフリー住宅に建て替えたい」など理由は様々で、女性おひとりで家を建てることも増えてきました。
理想の間取りの実例や建てる際のポイントを書いてゆきたいと思います。
目次
(1)一人暮らしの一戸建ての注文住宅のメリット
(2)一人暮らしの注文住宅の注意点
(3)一人暮らしの間取りの特長
(4)理想の一人暮らしの間取り実例
①、平屋建てのオーソドックスな1LDKプラン。 17.5坪
②、平屋建ての2LDKの24坪~女性の一人暮らししやすい間取り
・ワンポイント①、一人で家を建てる際のアドバイス
③、2階リビングの2LDKの間取り。28坪
④、趣味のための部屋がある3LDKの間取り実例。2階建て36坪
・ワンポイント②、住宅ローン、請負契約のこと
⑤、3階建ての2LDKの間取り。車庫組み込みの31.6坪
⑥、ガレージライフを楽しむ。2LDK2階建ての間取り、39.3坪
(5)最後に
(1)一人暮らしの一戸建ての注文住宅のメリット
・好みの部屋や間取りができる
一人で家を建てるメリットは、自由に理想の家にすることが出来るということかもしれません。
決定権が自分ひとりなので、好みの内装や好きな趣味のための部屋が作れます。
誰にも邪魔されず、グッツやコレクションを壁一面に並べることや、車が好きならリビングからガレージを眺められる好きな間取りにすることもできます。
内装などは自分好みに出来るのも。一人暮らしの注文住宅ならではです。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/livingroom_bedroom/
ガレージハウスの間取りも作りやすい。
・音や騒音も気にしなくてよい
一戸建てはマンションと違い、上下階との音や振動のトラブルがありません。
そのうえ同居家族もいないので、大きな音で音楽をかけたり、楽器を弾いたりすることも気兼ねなく生活できます。
また好きな時に友達も呼ぶことができます。
急なホームパーティもできます。
・コンパクトな間取りや平屋建てにもしやすい。
家族がいないので部屋数が少なくて済むので、人気の平屋建ての間取りも作りやすくなります。
年配の方にも優しい階段のないバリアフリー住宅にすることもできます。
車いすの生活もしやすい。
(2)一人暮らしの注文住宅の注意点
・防犯に気を付ける
家に助けてもらう人がいないので、自分自身で守らなければなりません。
・玄関ドアはオートロックの電気錠が望ましい
玄関ドアにマンションにあるオートロック機能の付いた電気錠にすると、うっかり鍵の閉め忘れがなくなります。
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・侵入しずらい窓に
換気する窓は大きな窓を使わずに、侵入しずらい窓を使用するのが良いかもしれません。
たとえば、背の届かない高い位置の高窓にすると入りずらくなります。
また、人の体が入らない小窓や細長い窓など、最近の窓は販売されています。
デザイン的にもおしゃれなアクセントになるのでそれらを利用するのも良いかもしれません。
窓ガラスも割るの時間がかかる防犯ガラスが望ましいです。
AGC https://www.asahiglassplaza.net/use/house/
・外観は注意が必要
一人暮らしのメリットとして好きなデザインで建築できます。
ただ一人暮らしと一見してわかるような外観は防犯上よくないかもしれません。
こんな映画もありましたね。
以前、女性おひとりで建てられた方は、道路面の外観はかなり渋い色合いのものにされていました。
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・高齢者の方は、家族との話し合いが大切
高齢者おひとりの家を、古くなったのでバリアフリー住宅に建て替えるケースがあります。
その際、よく家族で話しあうことが大切です。
以前、お母さんが一人で住んでいる実家が老朽化したので、近くで家を持っている子供がお金を出して建て替えることになりました。
ただ解体直前にお母さまから「一人で新しい家に住むのはやっぱり寂しい」とお話しされ、再度お話合いの末、完全分離型の2世帯住宅を建築することになったことがありました。
結果的にはうまく話が進んだのですが、建築された後では遅いので最初によく気持ちや意見を聞くことが大切になるかと思います。
(3)一人暮らしの間取りの特長
・一人暮らしだと1LDK、2LDKの部屋数でもOK
部屋数がLDKと寝室のみで良ければ「1LDK」、趣味の部屋やゲストルームが必要であれば「2LDK」「3LDK」の間取りになります。
1LDKや2LDKだとコンパクトに収まるので、上下階の移動のない平屋に出来ます。
・余裕があれば3LDKや4LDK
一人暮らしの若い方で要望があるのが、将来、両親が一緒に住めるようにしておきたいことがたまにあります。
その場合は2LDKから4LDKの間取りになります。
部屋数が多くなると2階建ての方が設計しやすいかもしれません。
また将来、売却することを考えている方は3LDK以上あると売却しやすいかもしれません。
北海道では大きな病院のある札幌に、田舎の両親を呼んで一緒に暮らすケースは多い。
・リビングの位置は
リビングの位置は建てられる目的に合わせて、設置する階を決めます。
老後のための住まいであれば、1階リビングが良いでしょう。
またペットがワンちゃんであれば、庭に出やすい1階リビングが良いかもしれません。
趣味などの部屋が1階で広くスペースが必要な場合は、必然的に2階リビングになるかもしれません。
例えば、広いガレージを考えられてるガレージライフを楽しみたい方や本など重たいものが多い方や収集家(コレクター)、日曜大工(DIY)も1階に部屋を設けるので、2階リビングの間取りになるかと思います。
また光が入りずらい敷地の場合も、日当たりの良い2階リビングにする間取りが良いかもしれません。
コクヨ https://www.kokuyo-furniture.co.jp/index.html
以前、本が多いのでと、図書館やオフィスにあるような移動式書庫を1階に設けた方がいらっしゃいました。
(4)理想の一人暮らしの間取り実例
①、平屋建てのオーソドックスな1ldkプラン。 17.5坪
1ldkなので平屋建ての間取りになります。
LDKと寝室は引き戸で仕切りますが、来客時以外は開けっ放しにしておくと開放感のある空間になります。
その際のハイドア(天井近くまでの背の高い戸)にすると、視覚的に広々と感じます。
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また扉が引き戸だと、平屋なので高齢者や車いす対応のバリアフリー住宅としても使用できます。
キッチンにカウンターテーブルを造作して、ダイニングテーブルを置かずにリビングを広く使う間取りにしています。
②、平屋建ての2LDKの24坪~女性の一人暮らししやすい間取り
女性が住みやすい平屋建ての2LDKの間取りです。
ランドリールームとウォークインクロゼットも近くに配置し、家事が楽になっています。
また寝室と浴室との間にパウダールームを設け、朝の身支度がしやすい動線になっています。
パウダールームは長い洗面カウンターと共用にしているので、お化粧も楽になります。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/dressing/
このほかウォークインクロゼットとシューズクロークなど収納も多めで、また鏡(姿見)を付けていますので出かける際のおしゃれチェックもしやすいです。
女性の一人暮らしをご希望される方の中では、将来、両親と暮らせる部屋を作っておいてほしいと要望される方は多くいらっしゃいます。
そのための部屋は利用しないともったいないので、友達を呼んだした際のゲストルームとして使ったり、趣味の部屋として利用するのが良いかと思います。
その部屋をリビングの続き間にしておくと普段は広く使えます。
パウダールームに自分専用の洗面台を設けたので、トイレと玄関そばに洗面台を設置しました。
帰宅した際、すぐ手洗いできたり、トイレを使用した際も、大きな洗面ボウルを使って手洗いが出来るので感染予防や清潔な生活できます。
・ワンポイント①、一人で家を建てる際のアドバイス
一人で注文住宅を建てる際、ハウスメーカーや工務店の担当者が重要になります。
特に女性や高齢者の場合、相性も大切になります。
あまりアドバイスをしてくれなかったり、気が合わないと感じたときは、お友達や親せきの方など同席してもらって打合せを行うことをお勧めします。
1対1で打合せすることになるので、「言った言わない」というトラブルも回避できます。
出来ない場合は打合せの記録を残しておく「議事録」を作ってもらうのも良いかもしれません。
また、良いアドバイスがもらえなかったり、プランなどうまくいかない場合は「間取りのセカンドオピニオンサービス」を利用するのも手です。
担当の言ってることが本当に良いのかなどの相談や違う視点で間取りを作ってもらうことができます。
(当設計事務所でもセカンドオピニオンサービスを行っております。)
ライフホーム設計のホームページ(ちゃっかりCM(笑))
③、2階リビングの2LDKの間取り。28坪
2階リビングの大きなメリットは、日当たりが良くなることです。
また、景色も良く見えるので眺望の良い場所は特に良いかもしれません。
2階リビングにすると1階に部屋が作りやすくなります。
テレワークなど在宅での仕事の方も増えてきましたので、1階に仕事部屋を作るのも良いかもしれません。
リビングと仕事部屋が離れた階になりますので、在宅ワークのデメリットのON,OFFの切り替えがしやすくなります。
最近は、リモートワークの方が郊外に移住されることも増えてきましたので良いかもしれません。
④、趣味のための部屋がある3LDKの間取り実例。2階建て36坪
趣味を気兼ねなく楽しみたいという理由で、一人で住む家を建てられる方は多くいらっしゃいます。
特に音や騒音の出るDIY(日曜大工)や楽器を演奏のご趣味の方や、オーディオルームが欲しい方は多いかもしれません。
一戸建てはアパートやマンションと違い近所迷惑にもならず、同居家族もいないので気兼ねなく作業や音を鳴らせます。
趣味の部屋としては、最近では大きなスクリーンのあるAVルームも作られる方も増えてきました。
また楽器演奏ではピアノ教室ははじめ、仲間を呼んでセッションされている方もいらっしゃいます。
建てられる場合は、ガラスが3重のトリプルサッシ窓や防音シートや吸音材を入れて音が外部に漏れないようにします。
大建工業 遮音シート https://www.daiken.jp/sounddesign/lineup/15100200.html
音にこだわりのある方は、オーディオ機器に単独で電源を引き込んだり、コンセントそれぞれにブレーカーを付けていました。
気を付けたいのは工事するハウスメーカーや工務店がどのくらいの防音ができるノウハウを持っているかいうことです。
住宅メーカーのカタログのデータはあまりあてにならないことが多いので、実際建てられた家で、音を鳴らしてもらう方が間違いないです。
大きな書庫が欲しい、集めたコレクションを大切にしまっておきたい、トレーニングルームが欲しいという方もいらっしゃいました。
中にはゴルフシュミレーターをご希望された方もいらっしゃいました。
仲間を呼んで楽しまれたい部屋にはミニキッチンや大きなテレビを設置されるケースも多くあります。
・ワンポイント②、住宅ローン、請負契約のこと
一人で家を建てる際、住宅ローンは昔と違って連帯保証人は必要ないので問題はなくなりました。
ただ、注文住宅を建てる住宅会社との請負契約で、稀ですが「連帯保証人が必要」と言われることはあるかもしれません。
それは建築途中で亡くなってしまった場合、工務店は「建物を完成させてよいのか」「支払いは誰がしてくれるのか」分からないからです。(住宅ローンは完成し登記されないと融資されない。)
事前にハウスメーカーに「連帯保証人が必要か」を確認し、対応を考えておいた方が良いかもしれません。
ちなみに建築中だけなので、近親者に保証人を頼まれる方が多いです。
(建物を相続される方が引き継ぐことになるので最近は保証人はたてられないことも実際は多いです。)
生命保険でカバーできるようにしておくと安心です。
⑤、3階建ての2LDKの間取り。車庫組み込みの31.6坪
街中は土地が狭いことが多いため、組み込み車庫の3階建ての間取りになることがあります。
玄関とガレージをつながる間取りにすると、雨や雪に当たらずに車に乗り込めます。
行き来するドアは、サッシドアでなくて玄関ドアの方が2ロックの防犯用のカギを使えるので泥棒に侵入されずらくなります。
外から見えないのでアパート用玄関ドアの2ロック式の安価なものでも良いかと思います。
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3階建ての場合は2階にリビングを持ってくるのがオーソドックスな設計になります。
ただ環境的に日当たりなどが望めない場合、3階リビングにすることも検討してみるのも良いかもしれません。
3階に部屋が2つ作れますが、趣味の部屋として使う場合は、その部屋を景色の良い方に配置した方が明るく開放的になります。
本を置く部屋などは、陽で焼けてしまうので、日当たりの悪いに部屋を配置した方が良いかもしれません。
アトリエも直射日光の当たらない部屋が良いですね。
⑥、ガレージライフを楽しむ。2LDK2階建ての間取り、39.3坪
ビルトインガレージ(組み込み車庫)にしてカーライフを楽しみたい方は多くいらっしゃいます。
リビングから車を眺められる間取りや、心ゆくまで車と一緒に過ごせるようにガレージにソファーやミニキッチンを設置できる設計が人気があります。
車を中心にする間取りに出来るのは、一人暮らしならではかもしれません。
最近は、昔の車(旧車)が人気のようです。
(5)最後に
あるある話ですが、「好きな趣味のための家を建てられ後に、知り合いの異性が同じ趣味だったことが分かり、その後意気投合しご結婚されて二人暮らしになってしまった」ということがあります。
楽しく過ごせる生活していると、福を呼ぶのかもしれませんね。
自由に好きな間取りや内装で家を建てられるのは、一人住まいの方の特権かと思います。
理想の家に近い雑誌の写真やネットの画像を集めておくと、設計する側にも伝えやすくなります。
夢を膨らませて楽しいシングルライフを過ごせる家を建てていただければと思います。
下に今回の内容に関するブログを載せておきます。
参考にご覧いただければと思います。
・参考ブログ
・一人暮らしのデメリットをなくす~防犯で安全な玄関ドアのカギとは
・防犯対策ができる家とは
・階段をどこにつけるかによって間取りは違ってくる
・眠りやすい寝室にするには
・間取りのセカンドオピニオンサービスとは
・使いやすい洗面所とは
・平屋の間取りの作りかたのヒント
・ペットと2人(2匹?)暮らしの住まい
・外観デザインも大切
今回のブログが少しでもみなさまの間取りを決めることの参考になりましたなら幸いです。
最後までお読みいただき感謝いたします。
あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
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