注文住宅でコンセント位置や数が足りないなど電気配線での失敗は多いものです。
今回は、前回に書ききれなかった部屋のコンセントや将来に備えた電気配線、失敗しないコンセントの位置にするコツを書いてゆきたいと思います。
目次
1,子供部屋のコンセント
2,テレワーク用の部屋、書斎
3,寝室、クロゼットなど収納のコンセント
4,廊下やホール~掃除機用のコンセント
5,様々な部屋のコンセント~洗面所、オーディオルーム、屋外など
6,将来的な配線~ホームエレベーター、電気自動車など
・設計士のこぼれ話
7,コンセントの位置で失敗しないコツ
・次回予告
リビング、キッチンは「コンセントの位置(前偏)」は掲載しています。https://lifehome-sekkei.com/wp2/2023/07/29/electric-wiring/
1,子供部屋のコンセント
・子供部屋もコンセントを多めに
小さな子どもの勉強机周りは、学習スタンドの照明や電動鉛筆削り器のコンセントが必要です。
成長してくるとスマホ、勉強用のタブレットやパソコンなどのコンセントが必要になってきます。
また、子供部屋にはゲーム機などの充電するコンセントも必要かもしれません。
コンセントが足りないと、プラグの抜きさしで感電の危険も多くなります。
子どもは濡れた手で電気をいじったりなど、大人の想像を超える行動を起こしがちです。
リスクを減らすうえでも、お子様部屋は少し多めでもよいかもしれません。
また大人に近づくにつれて、電気が必要な趣味を持つケースは考えられます。
オーディオ機器を購入して音楽を聴いたり、エレキギターや電子ピアノなどで自分で演奏するケースは多いかもしれません。
学生のアルバイトも在宅で行う時代が来ています。
部屋に3か所以上はコンセントは必要かと思います。
10代の時の生活は、音楽と切り離せないところがありますね。
・子供部屋も壁ごとにコンセントがあるとよい。
子供は成長するにつれて生活も変わってきます。
模様替えなど数年ごとに行うかもしれません。
(子供が成長して出て行った後のこともありますね。)
また延長コードでつなげる配線だと、まだ体のバランスの悪い体型ですのでひっかると転びやすいかもしれません。
そのため、リビングと同様、壁ごとにコンセントがあると安心です。
(壁ごとのコンセントについては、前編、5「リビング、テレビ周りなどのコンセント」参照いただければと思います。)
下図は前編より
2,テレワーク用の部屋、書斎
・テレワーク、書斎はパソコン機器のコンセントが必要
家を建てたら、自分専用の書斎が欲しい方も多くいらっしゃいます。
また、経営者の方や日々勉強をしなければならないご職業の方もいらっしゃいます。
さらに最近ではテレワークなど自宅でお仕事される方も増えてきました。
どちらにしてもパソコンが欠かせないので、プリンターなどの周辺機器も含めてディスク周りにはコンセントが必要になります。
・造作カウンターでうまくコードを隠す
コンセントは、机から15cm位高いところにあるのが便利ですが、コードが見えるのが美観上お好きでない方もいらっしゃいます。
穴あきの造り付けカウンターは、コードをうまく隠すことができます。
下記の図のようにカウンター下にコンセントをつけて、穴にコードを通せば目立ちづらくなります。
カウンターの穴も目立ちづらいものもあります。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/interior/counter/
・USB専用コンセントもある
最近ではUSBコンセントもあります。
最近のホテルの宿泊室ではよく見かけますね。
ただ住宅で使われている方のお話はあまり聞いてはいないので、まだ少ないのかもしれません。
USBも規格が変わる可能性があるので、様子見かもしれませんね。
3,寝室、クロゼットなど収納のコンセント
・寝室のコンセントも多めに
寝る直前までスマホを見ている方も多くいらっしゃいます。
寝室で充電される方は、ベットのそばにコンセント(USBポート)が必要になります。
また寝室でドレッサーを置いてお化粧されたり、ディスクライトを置いて書斎兼用にお使いされる場合もコンセントが必要になります。
また寝室にもテレビを置くケースもあります。
空気清浄機や加湿器、また模様替えのこともあるので、コンセントは少し多めにしておくのもよいかと思います。
・大きな収納は湿気や臭い対策のためのコンセント。(ウォークインクロゼットやシューズクロゼット、ファミリークロゼット)
ウォークインクロゼットやシューズクロゼット、最近人気のファミリークロゼットなどは湿気や臭いが溜まりやすい場所です。
コンセントがあると除湿器などで対策が出来ます。
また、これらの部屋でアイロンがけをなされる方にも必要ですね。
4,廊下やホール~掃除機用のコンセント
・掃除機のコードの届く位置にコンセントは必要
掃除機をかける際にコンセントがないと、他のを外して差し替えて行わねばなりません。
毎日行うのはつらいので、少し多めのほうが楽かもしれません。
また広い部屋や長い廊下のある間取りの場合、掃除機のコードが届くかのチェックが必要です。
東芝ライフスタイル https://faq-toshiba-lifestyle.dga.jp/answer.html?category=&page=1&id=428
掃除機のコードの長さが5mだとすると、その範囲ごとにコンセントがないと、ヘッド(ノズル)の届かない部分が出来てしまいます。
ちなみに、掃除機用のコンセントの高さは、30cmから40cm位が抜き差ししやすいといわれています。
ただ、美観上気になる方もいるので、絶対にというわけではありません。
パナソニック https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/80543/
・コードレス掃除機は電源の位置を考えておく
コードレスクリーナー(掃除機)は、電源を気にすることなく掃除ができるメリットがあります。
ただ、バッテリーを充電しなければなりません。
充電器につなげるコンセントは、90cmより高い位置のほうが使いやすくなります。
造り付けの棚や既製品の家具に合わせて、充電器を置く高さを決めるのが良いかと思います。
・ロボット掃除機の設置場所
ルンバなどをロボット掃除機は、自動で掃除してくれるので人気があります。
注文住宅で家を新築したら、使いたいという希望の方も多いです。
ただ直径が35cm位と大きく、意外と邪魔になります。
人の歩くのに邪魔にならない階段下や家具の下などにコンセントを設け、ロボット掃除機の基地をつくるのが最適です。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/livingroom_bedroom/stairs/
最近では、ロボット掃除機用のシステム収納もあります。
永大産業 https://www.eidai.com/product/closet/livingstage/
お掃除ロボットくん
5,様々な部屋のコンセント~洗面所、オーディオルーム、屋外など
・洗面所(サニタリールーム、ランドリールーム)など
洗面所はユーティリティと呼ばれるくらい、洗濯乾燥室や化粧室など多目的に使用されることがあります。
洗濯乾燥室なら洗濯機、乾燥機、除湿器、アイロンがけなどの電源や化粧室ならドライヤー、髭剃り(シェーバー)電動歯ブラシ、美顔器(顔のマッサージ器)などの電源が必要になります。
市販の洗面化粧台にはコンセントが内蔵されていますが、足りないかのチェックが必要です。
以前、洗濯乾燥室にエアコンをつけられた方もいます。
服を乾かす目的でしたが、風呂上りに涼むのに良かったとのことでした。
・趣味の部屋、オーディオルームなど
趣味によっては電気が多く必要なことがあるかもしれません。
その場合は、コンセントを増やさなければなりません。
大建工業 https://www.daiken.jp/buildingmaterials/sound/
またご趣味によっては、専門の電気配線が必要な方もいらっしゃいます。
オーディオがご趣味の方は、電気配線で音が違うということがあり、コンセントに接続する電源ケーブルを高品質なものにしたり、単独回路にするなど要望されるケースも珍しくありません。
自宅専用の電柱を建てるのが、オーディオマニアの夢のようです。
・屋外のコンセント
・多目的で使用できる防水コンセント
最近では屋外に使用する防水コンセントが標準装備になっているハウスメーカーや工務店が多いかと思われます。
屋外にコンセントがあると、車に掃除機をかけたり、イルミネーション(電飾)や庭で電動のこぎりで作業などアウトドアの趣味などいろいろ使用できます。
・将来、ガレージや設備を増設する予定ならばコンセントを忘れずに
将来、ガレージを建てたりロードヒーティングを考えられている方は、電動シャッターや照明、ボイラーの電源など必要になるので、その旨を建築会社に伝えて防水コンセントを増設しておいてもらうのが良いかと思います。
このほか防犯カメラを付ける電源が欲しいという方も少しずつではありますが増えてきています。
ワイヤレスの防犯カメラは電源があればつけられます。(あらかじめつける位置(高さも)を決めておく必要があります。)
6,将来的な配線~ホームエレベーター、電気自動車など
・ホームエレベーターは専用の電源が必要
ホームエレベーターを設置された方に聞くと、「買い物の荷物を上の階まで階段で登らなくて楽だ」「病気の時や年配の方が来られた時、安心だ」という声を聴きます。
3階建てや2階リビングで注文住宅を検討されている方は、将来的なことを考えてホームエレベーターの設置を考えておくほうが望ましいかと思います。
設計段階から納戸などを将来エレベータースペースに出来るような間取りにしておくと、比較的楽に設置できます。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/elevator/index.html
ホームエレベーターは、単相200vという電源が必要になります。
将来のために配線しておくのが望ましいかと思います。
また緊急通報ボタンが設置できるよう、電話線の配線も忘れずにしておいたほうがよいです。
ホームエレベーターは3人乗りが最大です。
・電気自動車用のコンセント
最近では電気自動車用のコンセントを要望される方も多くなりました。
電気自動車のコンセントは200Vが一般的です。
ただコンセントの形状が車種によって違うので注意が必要です。
EV・PHEV充電用] 屋外コンセント (パナソニック)https://www2.panasonic.biz/jp/energy/elseev/EVplug.html
・将来的なことも考えて配置
子どもが育って独立した後、お子様部屋をご自分のための部屋にされたい方も多くいらっしゃいます。
中には自宅をお店に改装して、ご商売を始めたい方もいます。
ご計画がある方は、それに合わせてコンセントを設置しておいたほうが良いかと思います。
・設計士のこぼれ話
ブログを書いている設計士も、自宅の子供部屋だったところで、仕事をしています。
家を建てたときは、仕事場にする予定ではありませんでした。
現在、コンセントは2口のが3か所あります。
電化製品はノートパソコン2台、モニター、シュレッター、空気清浄機、プリンター、携帯の充電、タブレットの充電、テプラ、電話機、扇風機、卓上の電気スタンド2台があり、掃除機をかける際などはもう少しあってもよかったかなと思っています。
7,コンセントの位置で失敗しないコツ
・何とかなるは幻想
家を建てる際「リビングはコンセントが4つもある」「寝室はベットしか置かないから2つコンセントがあれば十分」というのは幻想にすぎないことが多く聞きます。
引っ越し終わってから「はて、困った」ということにならないようにしたいものです。
コンセントは良い位置に設置できると、かなり快適な生活が出来ます。
良い電気配線にするには、新居でのイメージ作りが大切です。
新しい生活を想像しながら、間取り図に家具や家電を手書きでよいので書き加えてみるのがイメージをつかみやすいかもしれません。
・設計士に家具や家電のレイアウトを考えて入れてもらうのがベスト
さらに良いのは、プランを設計し頼む際に、設計士にその部屋で使用する家具や家電の寸法を教えて、それを間取り図面に書き入れてもらうことです。
新しく購入する(したい)家具や家電も入れてもらうのもよいです。
希望のレイアウトも伝えると図面に落とし込んできてくれるはずです。
もしそのレイアウトで入らない場合は、教えてくれるはずです。
家具の寸法を上手く測れない場合は、設計士に頼むとよいかと思います。
布のメジャーは寸法に狂いがあるので、金属製のほうが望ましい。
・家電を置く位置がわかるとコンセントがどこに必要かわかる。
家具や家電を図面に入れてもらえると、どこにコンセントが必要だということが分かりやすくなります。
気が利く設計士なら、「この部屋に掃除機かけるコンセントないですよ」とか「コーヒーメーカーとかは使いませんか」とかいろいろ教えてくれるかもしれません。
工務店やハウスメーカーだと営業マンが間取りを作ってる場合もあるので、対応してくれないかもしれませんが、そう言った場合は間取りのセカンドオピニオンサービスを利用するのもよいかもしれません。
(当設計事務所でも行っています。→ちゃっかりCM(笑))
次回予告
スイッチを含めた位置や電気配線はいつまで決めないとならないのか、テレビやLAN、おしゃれな電気機器など書こうと思いましたが、話が長くなりましたので続編に書きたいと思います。
下記に今回の内容に関するブログを掲載しておきます。
ご覧いただければと思います。
・続編パート3
・前偏を読み返す
・実は、設計士に家に来てもらうとよい家になる。
・エレベーターが必要になっても困らない3階建ての間取り
・2階リビングの場合の対策とは
・間取りのセカンドオピニオンサービスとは
・在宅ワークの場合のコンセント以外の注意も必要
・過去に書いたコンセントに関するブログ
今回のブログが、みなさまの間取り決めの参考になりましたなら幸いです。
最後までお読みいただき感謝いたします。
あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
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