住まいの生活で、比較的よく使う場所は洗面や洗濯を行う「洗面所、ランドリールーム」です。
そこが、すっきりしたおしゃれな空間で、使いやすい間取りだと快適な家になります。
今回は実例図を使った洗面所をよくするブログです。
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目次
1,洗面スペースは多用途に使われる
洗面所はユーティリティプレイヤー
洗面所の平均的な広さは、2畳から3畳くらい
洗面所をおしゃれに快適に使うには
2,洗面所は、家族が使いやすい場所につくる
家事動線と家族の使いやすさ
3,最近の人気の洗面所の間取り
コロナ感染予防で玄関そばに洗面台が人気に
洗面所そばのファミリークロゼット
4,洗面所を「脱衣室」や「ランドリールーム(洗濯乾燥室)」に分ける間取り
洗面所を分けたい要望とは
(1)洗面所を独立させた間取り~「洗面所」と「洗濯、脱衣室」
(2)脱衣室を独立させた間取り~「洗面所」と「洗濯、脱衣室」
(3)洗濯乾燥室を独立させた間取り~「洗濯室」と「洗面、脱衣室」
5,海外の間取りをヒントに
欧米では洗面所は複数ある
家事コーナーとの組み合わせも
付録、洗面化粧台、洗濯機などの寸法
長文なので太字を追って飛ばしてお読みいただければと思います。
1,洗面スペースは多用途に使われる
洗面所はユーティリティプレイヤー
洗面スペースは、洗面や歯磨きなどの洗面室としての機能のほか、洗濯して乾かすランドリールーム(洗濯乾燥室)としても利用します。
また、日本では浴室と洗面室がくっついている場合も多く、脱衣室としても利用しています。
このほか、髪を乾かしたりお化粧するパウダールーム(化粧室)としての利用もあります。
このように、洗面室は多用途なことが求められます。
その為、ひと昔のモデルハウスでは洗面所を「ユーティリティ」と呼んでいて、間取り図にも略して「UT」と書いていた時期もありました。
洗面所の平均的な広さは、2畳から3畳くらい
洗面所の平均的な広さは2畳から3畳かと思います。
ここに洗面化粧台と洗濯機とタオルや洗剤など小物が入る収納棚が入ります。
実際、人が建てるスペースは1畳から2畳くらいかと思います。
多用途なのに洗面所は狭く、また朝に集中して使われるので不満を感じられる人も多いかもしれません。
狭くても機能的で、人と人がぶつかり合わない間取りになれば、おしゃれで快適に利用できます。
今回は間取りから始めます。
2,洗面所は、家族が使いやすい場所につくる
家事動線と家族の使いやすさ
・洗面所はキッチンの近くだと家事はしやすい
洗面所は洗濯など考えれば、キッチンの近くのほうが動線が短くなるので家事は楽になります。
基本は家事動線が近いキッチンのそばですが、最近では全自動の洗濯機になりましたので、多少、遠くても良くなりました。
3階にキッチンで1階が洗面所だと少し遠いかもしれませんが、2階キッチン、1階洗面所の間取りは多く見かけるようになりました。
あまり不便に感じないようであれば、キッチンと洗面は少し離しても良いかもしれません。
・家族が利用するので使いやすい場所に
洗面所は朝の忙しい時間に利用する為、家族が使いやすい位置が望ましくなります。
寝室や、朝食を食べる食堂と遠く離れていると不便かもしれません。
また新型コロナウィルスの感染予防対策の為、ひんぱんに手洗いうがいをするようになり洗面化粧台を利用する回数が増えました。
帰宅してすぐに手洗い出来るとさらに便利です。
・家事動線と生活動線と重ならないように。
洗面所の場所は、家事動線と家族の生活動線とぶつかり合わないように注意したいところです。
よく見かけるダメなケースは、キッチンの中を通らないと洗面所に行けない間取りです。
回遊動線(回廊動線)と呼ばれる2方向からいける洗面所であれば問題ないのですが、キッチンを絶対通らないといけない間取りは、家族がぶつかりあって使いづらい家になります。
・汚れた服で帰宅する人が多い場合は、玄関と洗面所が近い間取りが便利
お仕事で屋外での作業やスポーツ系のクラブ活動などで、服が汚れて帰宅する方がいる場合、玄関からすぐ洗面所に行ける間取りだと、家の中が汚れづらくなります。
最近だとウォークスルー(通過する)のシューズクロークと洗面所をつなぐ間取りも多く見かけるようになりました。
リビングなどを通らないで洗面所に行けると家が汚れません。
・玄関と洗面が離れてしまう場合は、勝手口を付ける方法も
敷地や方位によっては、玄関そばに洗面所を設けることが出来ないことがあります。
注文住宅を建てる場合、洗面所に勝手口が付けられないか検討してみるのも良いかもしれません。
勝手口から直接出入り出来れば、家が汚れません。
車で通勤の方だと車庫と洗面所をつなげる方法もあります。
・寝室と同じ階にする洗面所の間取りもあり
同一階にLDKと寝室が無い場合(1階LDK2階寝室もしくは2階LDK1階寝室)の間取りは、洗面所を寝室と同じ階に持ってゆく方法もあります。
朝の身支度が早く出来ます。
家事は少し不便ですが、寝室の近くの洗面室だと乾いた洗濯物をすぐ各部屋に持ってゆけます。
最近の洗濯機は全自動なので頻繁に見る必要もないので、あまり不便を感なければ考えてみるのも良いです。
以前、住んでたマンションは、メゾネット(住戸内に階段がある2つの階がある間取り)で、1階LDK、2階に寝室と洗面浴室でした。
朝、2階でシャワーを浴びて着替えて、1階でご飯を食べて出かける習慣でしたが使いやすかったです。
(札幌オリンピックの選手村だったマンションでした。)
3,最近の人気のおすすめ洗面所の間取り
コロナ感染予防で玄関そばに洗面台が人気に
新型コロナ対策で、手洗いうがいが推奨されています。
その為、玄関のそばに洗面化粧台を置く間取りが増えています。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/dressing/
洗面所そばのファミリークロゼット
・ファミリークロゼットとは
ファミリークロゼットとは、家族共有のウォークインクロゼット(洋服入れ)です。
洗濯した服を一部屋にまとめて置けるので、家事が楽になります。
「外出着や仕事着、普段着だけ」「下着類も含めて全部」などクロゼットに入れる衣類は、家族で決めます。
・メリットは階段の上り下りが少なくてすむ
ファミリークロゼットが洗面所のそばにあると、干した洗濯物がすぐ収納できます。
各部屋に運ばなくて済むので、階段の利用が減ります。
洗濯乾燥室兼ファミリークロゼットという間取りも作ったことがありました。
また、帰宅した人も、2階に行かないで着替えが出来るメリットもあります。
帰宅してすぐ入浴やシャワーを浴びたら、すぐリビングなどでくつろげます。
実際、ファミリークロゼットの間取りの方がいましたが、「使いやすい」とかなり気に入られていました。
帰宅後すぐ、リラックスタイムに
・デメリットは
デメリットとして、1階にスペースが広く必要なことです。
また、ルールを守らない人がいると管理が大変になります。
お子様が思春期になると(女の子は)嫌がるかもしれないことなどです。
4,洗面所を「脱衣室」や「ランドリールーム(洗濯乾燥室)」に分ける間取り
洗面所を分けたい要望とは
朝のシャワーなどで着替え中に洗面所を開けられることがあると、家族(娘さん)から脱衣室を分けて欲しい要望がでてくることもあります。
また、洗濯物が洗面室にあるとオシャレに見えず、スッキリしないと感じる人もいます。
コロナ以降、洗面を使いたい来客者も多くなったため、洗濯物を見えない場所に干したい要望も出てきました。
その為、注文住宅で失敗後悔しない洗面所の間取りにする相談も増えてきています。
組み合わせ例
1,「洗面室」と「洗濯、脱衣室」に分ける
2,「脱衣室」と「洗面、洗濯室」に分ける
3,「洗濯室」と「洗面、脱衣室」に分ける
では、色々なタイプを見てゆきましょう。
(1)洗面所を独立させた間取り~「洗面所」と「洗濯、脱衣室」
・洗面所を独立させると、混雑しなくなる
洗面所を独立させると、シャワーや洗濯などと重ならないので、忙しい朝も混雑しなくなります。
・洗面の動線には注意
ただこの時、脱衣室を通らないと洗面所に行けない間取りは、シャワーを使っているとき洗面所が使えなくなり失敗後悔します。
直接、洗面に入れる動線を作るよう注意が必要です。
・洗濯乾燥室と脱衣室が一緒だと「家事は楽」「洗濯物も来客の人にも見えない」
洗濯乾燥室と脱衣室が一緒だと、脱いだ衣類をすぐ洗えるので家事が楽になります。
また、来客した人が手洗いで洗面所を利用しても、洗濯物は別部屋なので見られないメリットがあります。
・トイレ近くに洗面台を設置する間取りは人気
洗面台を洗面所と切り離して、トイレのそばに持ってくる間取りも人気があります。
そうするとトイレの手洗いと兼用に出来ます。
デザインの良いタンクにて手洗いの無いタンクレスタイプが出てきたことで、別に手洗い器が必要になりました。
最近の住設メーカーで出しているトイレのカウンターはボウルが小さいので洗いづらい点があります。
トイレのそばにボウルの大きい洗面台があるとしっかり手洗いも出来るメリットが生まれます。
住宅用のトイレの手洗いカウンターはボウルが小さめ
・ちなみに2階に洗面台を増設すると混雑しなくなる
2階にも洗面台を増設する家も増えてきました。
身支度が2か所で出来るメリットが生まれ、洗面所が混雑しません。
このほか。花の水やりや加湿器、除湿器など利用に便利であったり、病気の時、1階まで降りなくて楽ということもあります。
洗面台は安いものであれば、取り付け費込みで10万円くらいで付けられるので、もう1台増設して悩みを解決する方法もあります。
(2)脱衣室を独立させた間取り~「洗面所」と「洗濯、脱衣室」
・脱衣室を独立させるとバスタイムが楽しくなる
脱衣室を独立させた方が良い場合は、「朝、シャワーを浴びる時間が長く、歯磨きの時間が重なりやすい」「家族で長風呂の人がいる」などの条件だと思います。
ゆっくり湯船につかりたい人は多いはずです。
気兼ねなく入りたい場合は、検討してみるのも良いかもしれません。
デメリットとすると、洗面所の全体の面積が増えるところです。
・ちなみに脱衣室を設けず、生活ルールでも良い方法
家全体の面積で脱衣室と洗面所が分けれないケースがあります。
その場合は家族のルールを決めて生活を行うことで解決できることもあります。
1⃣シャワーを利用するときだけ洗面所の扉を閉める
洗面所の扉は引き戸にして、普段は開放しておき、朝シャワーを使用するときだけ、洗面所の扉を閉めるルールにしておくのも良いかもしれません。
そうすると、洗面所は使用中だとわかって、鉢合わせにならなくなります。
2⃣浴室にバスタオルを置く棚を用意する
ビジネスホテルなどは、ユニットバス室内の棚にバスタオル類が置いてあります。
多少、狭いですが浴室内で身体を拭いて出てきてもらう方法もあります。
設計者のつぶやき。ホテルに泊まった際、ユニットバスのトイレのふたの上に着替えを置くことに少し抵抗があるのは私だけ(笑)。(たまにフタもない時がある。)
(3)洗濯乾燥室を独立させた間取り~「洗濯室」と「洗面、脱衣室」
・洗濯乾燥室を独立させると、洗濯物がなくスッキリとする
干している洗濯物が洗面所にあると、ごちゃごちゃしてストレスに感じる人は多いかもしれません。
独立させて洗面所から見えないようになるとスッキリします。
・北海道では独立した乾燥室の間取りも多い
北海道など雪の降る寒冷地では外干しが出来る期間が短いので、独立した乾燥室を付ける家は少なくありません。
場所は洗面所の横とは限らず、陽当たりの良い2階のホールに設置する間取りも見かけます。
バルコニーもあると、夏は外干しできます。
私の住む札幌など寒冷地では、冬のことを考えて暖房器具を設置します。(セントラルヒーティング暖房の場合はパネルヒーター)
冬の暖房がない温暖地では、乾燥室を設置した場合、マンションのユニットバスでよく見かける換気暖房乾燥機と同じ機能の洗面所用のものを付けるのも良いかもしれません。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/air/kanki/bathkan/02.html
・洗面所と脱衣室を一緒にした場合は、パウダールームにも利用できる
洗面所と脱衣室を一緒にするケースは、家族人数が少ない場合は問題ありません。
パウダールーム(化粧室)のような使い方には最適です。
コイズミ照明 https://www.koizumi-lt.co.jp/
5,海外の間取りをヒントに
欧米では洗面所は複数ある
海外のドラマなどを見ると、寝室に洗面カウンターが付いていることが多いです。
日本の洗面所は一家に一つですが、海外では複数あり、主寝室には独立したバスルームと洗面台があるのが一般的です。
ご夫婦でお二人で住む家の場合、寝室に洗面、浴室を持ってくるのと、楽で良いかもしれません。
ちなみに欧米では毎回、浴槽のお湯を抜きます。
日本のように残り湯を使うことがないので洗濯機の場所は、地下室、キッチン、家事室など様々です。
家事コーナーとの組み合わせも
共働きの多い欧米では、ご夫婦が共用で作業のできる広い家事室の間取りも多くあります。
在宅ワークが増える日本でも増えるかもしれませんね。
アイロンがけが出来る広いランドリールームの間取りも作ったことがありますが、使い勝手は良かったようです。
ご自分のライフスタイルに合わせた洗面所を考えられてはいかがでしょうか。
ご相談はライフホーム設計へお気軽にどうぞ。(ここはCMでした。(笑))
付録、洗面化粧台、洗濯機などの寸法
洗面化粧台の寸法図
TOTO https://jp.toto.com/products/groom/
洗濯機もおおよそ75cm幅で考えますが、最近大型化してきているのでもう少し広く考えても良いかもしれません。
洗濯機の寸法
設置する為に5cmくらい必要です。
パナソニック https://panasonic.jp/wash/check/size12.html
洗濯機スペースを考える際は、洗濯機の幅に設置するスペース5cmと排水ホース9cmが必要なので、60cm幅の洗濯機の場合は、74cm(60cm+5cm+9cm)で考えるようにします。
次回はランドリー収納、洗面カウンターを安くつけるブログです。
少しブログがだいぶ長くなったので、今回はこれまでにします。
次回は、おしゃれになるランドリー収納や洗面カウンターを安くつける方法などお伝えしたいと思います。
続きもぜひお読みください!
また過去に書いた「線(せん)」と「面(めん)」で洗面の設計をする?(笑)「ライフホーム設計」のほかのブログもどうぞお読みください。
欧米では洗濯物は外干ししない
2階に洗面を持ってきた場合は注意が必要
ハウスメーカーのモデルハウスの洗面所には特長がある
家族とコミュニケーションを取りやすい間取りは洗面所?
洗面所のコンセントが足りないことにならないように
2世帯住宅の洗面所はストレスを減らすことが大切
お医者さんの家で多いものは?
水道の排水音で失敗後悔しない
注文住宅で家を建てるなら家族の要望を聞こう
オシャレな家を建てるヒントは
最後までお読みいただき感謝いたします。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
ブログの実例などはホンの一例です。
新規プランや間取りのご相談はホームページお問い合わせフォームからどうぞ。
「ライフホーム設計」のお問い合わせフォーム
https://lifehome-sekkei.com/#contact
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・ライフホーム設計では「新規ブログのお知らせ」や「裏話が載ってる」メルマガを始めました。
登録も解除も簡単です。
ここから設計事務所のCMです。
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊の江別、北広島、恵庭、千歳などの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊であれば工務店やハウスメーカーの紹介も行っています。
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