掃除、洗濯、調理など毎日おこなう家事は楽できると良いですよね。
逆に何度も、遠い距離を往復するの家は暮らしづらいですね。
今回は、歩く距離が短く、作業も楽になる「家事動線」の間取りの作り方のブログです。
目次
1,キッチンの家事動線
2,キッチンとランドリールーム(洗面所)の関係
3、洗濯の家事動線
4,掃除、片付けが楽になる動線
(興味のあるところだけ、お読みいただいてもけっこうです。)
1,キッチンの家事動線
・キッチンと冷蔵庫のレイアウト
システムキッチンは、シンク(流し)、作業台(切るところ)、コンロ(加熱機器)で構成されて、その間を移動します。
キッチン以外に、「冷蔵庫」と「カップボード(食器棚)」、「レンジ台(電子レンジや炊飯器)」があり、これらの間も移動します。
下の図のようにシンク、コンロ、冷蔵庫の動線の距離が短いほど家事は楽になります。
コンロ、シンク、冷蔵庫をキッチンのワークトライアングルと言います。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/alesta/
ワークトライアングルがバランスよく配置出来れば料理が楽になります。
・独立型や対面キッチンは作業動線が短くて済む
対面式キッチンや独立型キッチンは、振り返れば冷蔵庫や食器棚があるので炊事作業は楽になります。
・L型、U型(コの字)、Ⅱ列型(二の字)も調理は楽。
コの字(U型)キッチンや二の字(Ⅱ型)キッチンも、I型と同じく動線は短くてすみます。
L型キッチンは、さらに横を向くとシンクやコンロがあるので調理は楽になります。
ただし、これらのキッチンは、2人以上だと狭いのでぶつかり合うデメリットがあります。
2人で調理を行うことが考えられる場合は、シンクとコンロの距離を広くとるようにします。
・子供と一緒に料理の場合はカウンターキッチンが良い
小さいお子さんに手伝ってもらう場合は、キッチンカウンターの反対側で作業できるようにすると良いです。
カウンターは子供には高く、安定した台を置いて作業の方が安全ですが、親からすると台は邪魔です。
反対側に台があると、動線の邪魔にはなりません。
・ダイニングキッチンの間取りは、食器棚までの距離が遠い
ダイニングとキッチンを一緒にした間取りは、場所を取らなくてすむので狭小住宅などに向いています。
ただ、食器棚との距離が離れてしまうので、食器の片付けなどの家事動線は長くなりがちです。
食器洗い乾燥機も家事の負担を減らしてくれます。
・冷蔵庫とキッチンの関係
冷蔵庫は、キッチンに近いほうが料理する人には楽です。
ただし冷蔵庫は料理する人以外の家族も使用します。
キッチンの奥に冷蔵庫を持ってゆくと、家族と炊事の動線が重なって炊事がやりずらいです。
その場合は通路部分を少し距離(1mくらい)を取ったほうがよくなります。
また、冷蔵庫を手前に持ってくるレイアウトにするとぶつかりません。
デメリットとするとキッチンから遠くなるのと、リビングから冷蔵庫が丸見えになることです。
冷蔵庫がリビングから見えるのが違和感がある方、避けたほうが無難です、
・アイランドキッチンは2方向からの動線が取れる
片側が壁についているペニンシュラのキッチンと違い、壁にくっついていないアイランドキッチンは、レンジ側からもシンク側からも行ける2方向の動線が取れます。
開放感もあり人気があります。
また、家族との動線も重ならないメリットがあります。
2WAYーPLAYER
・勝手口もあると買い物に便利。
キッチン近くに勝手口があると便利になります。
買い物をすぐ冷蔵庫に入れられたり、屋外のゴミ箱に生ごみなどをすぐに置きに行けます。
ただ、私の住む札幌の寒冷地は出入りする勝手口ドアを付けると寒いので、キッチンではなく洗面所などに付けるケースが多いです。
勝手口と言えばこの人「三河屋さん」
サザエさん http://www.sazaesan.jp/
・敷地が角地や2方道路、平屋の場合も勝手口があると便利
勝手口のメリットがあるのは、敷地に道路が2つ面している場合、また平屋など1階が広くて玄関とキッチンが離れてしまう場合です。
ガレージとキッチンが近い間取りも、クルマからすぐ買い物の食材を冷蔵庫などに入れられます。
・キッチンとパントリー(食品庫)の動線
最近の注文住宅の間取りは、玄関にシューズクローク、洗面にランドリー収納、キッチンにパントリー(食品庫)と収納を充実させる間取りが増えてきています。
パントリーを設ける場合、広さは半畳から1.5畳ほどが多いです。
なるべくキッチンそばにあるのが失敗しなコツです。
パントリーは乾麺など保存できるものや、ビールやジュースなど飲み物をストックされています。
私の住む北海道では、冬の嵐のことを考えて、保存食はやや多めにしています。
また海産物を保存しておくのに冷凍庫を持っている家も多いです。(北海道あるある)
・ウォークスルー型の動線のパントリーも人気
玄関から入ってきて、パントリーを通過してキッチンに行ける回遊式(回廊式)の動線の要望も増えてきています。
買い物してきて、すぐに収納できるメリットがあります。
2,キッチンとランドリールーム(洗面所)の関係
・キッチンと洗濯室は、近くて一直線の動線が理想
1日の家事で長い時間いるのが炊事を行うキッチンと洗濯をするランドリールーム(洗面室)かもしれません。
この2つが近い動線の間取りは、移動距離が短くなって家事の時間が短縮できるかと思います。
さらに一直線に行けると家事は楽になります。
・フロアが離れてしまう場合は、階段そばに配置する
全自動洗濯機の利用は、二層式と比べ移動が少なく、キッチンと洗面所が多少離れていても負担は少なくなります。
ただ、洗面所とキッチンが同一階にない3階建てや2階リビング、狭小住宅などの間取りは、階段の上り下りで負担が増えます。
その場合は、なるべく階段そばにキッチンやランドリールームを持ってくるのが得策かと思います。
3、洗濯の家事動線
・乾燥機を使用しない日本では洗濯干し場までの動線も大切
イタリア映画などでは、洗濯物が屋外にはためいているシーンがありますが、欧米の国の多くは、洗濯物は外に干さない習慣のようです。
そのため、大型の洗濯乾燥機で洗濯から干すまで行っています。
日本では洗濯乾燥機の普及率は高いものの、乾燥機を使用するのは1割程度で、洗濯物を乾燥させるのは屋外干しが8割、室内干しが5割だそうです。
そのため、ランドリールームから洗濯干し場までの動線も大切になります。
海外では高温洗いで乾燥まで行うのが一般的
ミーレ https://contents.miele.co.jp/lp/laundry/
・ランドリールームと洗濯干し場が近いのが最善。
注文住宅の間取りを作る場合、あらかじめ洗濯物をどこに干すかを考えておいた方が良いです。
屋外であれば庭かバルコニー、屋内であればランドリールームと併用もしくは専用の乾燥室、また2階などの陽当たりのホールなどに洗濯もの干しスペースを付ける間取りが多いです。
また、晴れでも雨でも干せるサンルームも人気があります。
いずれにしても、ランドリールームから近くて行きやすい場所が理想です。
北海道では、半年間は外に洗濯物を干せないので、室内に乾燥スペースを付けることが多い。
乾かすスペースには暖房パネルを付けるのが一般的です。
・ここで北海道あるある
内地(本州)に冬来ると、洗濯物が屋外に干されていてびっくりします。
洗濯物は凍るのではないかと反射的に思ってしまいます。(笑)
1月、2月は最高気温でも氷点下(0度以下)
・階段の形状も大切なポイント
階段も急こう配で細くて曲がりが多いと、濡れた重たい洗濯物を上げずらくなるので形状も重要です。チェックが必要です。
さらに2階の階段から干し場まで遠い間取りも避けたほうが無難です。
踊り場のある階段は楽だが・・・。収納量もチェックが必要
・洗濯物をたたむ、しまう
洗濯物を干した近くでたためると楽になります。
屋内であれば、物干しスペースに少し余裕があると兼用に出来ます。
洗濯物を乾かす部屋に、アイロン台のスペースのあると便利です。
・ファミリークロゼットを設ける場合も洗濯干し場の近くにする
家族が共用できるファミリークロゼットの間取りも最近は人気があります。
その場合、干してたたんだ場所の近くにファミリークロゼットある設計が理想です。
1階であれば洗濯乾燥室の近くや、2階であれば洗濯もの干しスペースやサンルームの近くに配置すると家事も楽になります。
4,掃除、片付けが楽になる動線
・汚れた服で家の中を歩かせない動線を作る
外でのお仕事やお子様の部活動などで、土やほこりを付けたまま家の中を歩かれると汚れて、掃除の家事の負担が増えます。
玄関からリビングなどを通らないで、着替えられる所までの距離が短いと、家の中が汚れづらくなります。
最近だとウォークスルー(通過する)のシューズクロークと洗面所をつなぐ間取りも多く見かけるようになりました。
土間収納を通ってすぐシャワーの浴びられる動線の間取りは、お仕事帰りの大人だけでなく、小さなお子様のいる家庭でも、外遊びした後の掃除が楽なので家事の負担が減ります。
洗面所のそばにファミリークロゼットがあると、シャワーを浴びた後、自分の部屋まで行かずに着替えられるので早くくつろげます。
・水回りは収納場所があると便利
トイレに補充用のトイレットペーパーを置く収納を付けるのは一般的ですが、買い置き用の大きな収納庫もあると便利です。
いちいち補充する家事労働が減ります。
タオルがいるトイレや洗面化粧室、キッチンなどもタオル棚があると便利です。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/interior/
・リビングにも収納があると便利
専用の家事室の無い間取りの場合、裁縫や家計簿など家事作業を行う部屋に専用の物入を付けると便利です。
また、リビングに古新聞入れを新聞を読む近くに設けると楽になります。
以前、造り付けのテレビボードに古新聞入れを設けたことがありました。
部屋に物が置いてあるのが嫌とのことで、新聞のほかテッシュケースからテレビのリモコン、ゴミ箱まですべて造作収納し、部屋にものがない設計の家でした。(→部屋に物がないのは、お金持ちの家あるあるです。)
まとめ
家事は毎日のことなので、使いやすい間取りは生活が楽になります。
今回は代表的な家事動線のことを書きましたが、生活スタイルは各家庭それぞれだと思います。
たとえば、洗濯はご主人が行う家庭(我が家(笑))では、キッチンそばにランドリールームは必要ないかもしれません。
注文住宅を建てる際は、ご自身の生活スタイルにあわせて使いやすい動線の間取りを考えてみてはいかがでしょうか。
また家事のお悩みを設計士にご相談してみるのも良いかもしれません。
このブログが皆さまの何かのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき感謝いたします。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
*ライフホーム設計の違うブログも、ぜひお読みいただければと思います。
・家を設計士に見せると良い間取りが作れる??
・ランドリールームの間取りのいろいろな実例
・使いやすい玄関収納とは
・カウンター型のキッチンのデメリットを知っておく。
・欧米ではキッチンのそばにランドリールームはない。
・掃除のしやすい水回りとは。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の設計業務に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
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