お子様の幼少期から受験時期など成長によって子供部屋の考え方が違ってきます。
さらに兄弟姉妹が2人以上のいる家庭では、子供部屋の分け方は悩ましいところです。
成長に合わせて子供部屋を変えてゆくのが良いのですが、何度もリフォームするわけにもいきません。
いろいろ対応できる間取りがありますので,少しご紹介したいと思います。
目次
1,子供部屋をクロゼットの引き戸でつなげた間取り実例
2,ホールを介して2部屋にする間取り
3,子供の人数が分からない場合は、ホールを引き込み戸で間仕切る
4,大きな部屋を間仕切りする
5,子供部屋の基本
6,最後に
1,子供部屋をクロゼットの引き戸でつなげた間取り実例
・部屋同士はつながっているが、将来は個室になる間取り
子供が小さい家庭(幼稚園から小学校低学年くらい)では、兄弟姉妹は一緒に遊んだり一緒に寝たりしています。
部屋は一つで良い時期なのですが、後で区切るとお金もかかるので、2部屋にしておいてクロゼット(物入収納)を通って行き来できる間取りです。
そうすると、1部屋のように利用できます。
また片側は遊ぶ部屋、もう片方は寝る部屋と空間を分けることが出来るので、片付けの手間が省けます。
女の子だと、将来衣類が増えそうであれば、クロゼットをウォークインクロゼットにしておいても良いかもしれません。
成長して個室が欲しくなった際は、引き戸の前に本棚やベビータンスなど家具を置いて行き来出来なくさせます。
・クロゼットで間仕切りされているので防音性が高い
大人になってからの兄弟喧嘩の原因は音楽、楽器、ゲームなどに音よるものが多いと言われています。
クロゼットで間仕切りすると物入で吸音され、また距離も離れるので、防音効果がありトラブルになりづらくなります。(音の強さは距離に反比例する)
・くぐり戸にしたケースも
小さいうちしか行き来しないからと、くぐり戸(くぐって出入りする小さな扉)にしたケースもありました。
・ちなみに、将来、年配のご夫婦の寝室にも利用できる
子供部屋は日当りの良い部屋に持ってきていると、子供が出て行った場合、そこをそれぞれの寝室にしてしまうことも出来ます。
一人でゆっくり寝れて、ドアを開けておけば、お互いの気配は感じられる距離になります。
介護する場合も良いかもしれません。
*ちょっと子供部屋の話から離れてしまいましたがご参考に
2,ホールを介して2部屋にする間取り
・ホールを介して子供部屋を一部屋として使う間取り
部屋のドアを引き戸にして開け放しにしておいて、廊下を介してのつながりのある部屋のようにして使います。
前述と同じように、寝る部屋と遊ぶ部屋に分けて使用します。
子供が成長して個室として使うようになると、廊下やホールで距離が離れて互いの音も気にならないので、喧嘩になりづらくなるメリットがあります。
・ちなみに、立てこもり防止には、廊下側にレールをつける
子供を立てこもりが心配な方は、片引き戸を廊下側にレールを付ける間取りにします。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/interior/door/knowledge/#hikido
子供部屋側だと、つっかえ棒を付けられると開きません。
開き戸の場合は、廊下側に開かせます。
室内に物があると開けれれません。(大地震の際、閉じ込められたケースも)
ただし、廊下側に開くと、廊下を歩いている人にぶつかる可能性があるので、危なくないかチェックは必要です。
3,子供の人数が分からない場合は、ホールを引き込み戸で間仕切る
・子供部屋としても使えるように引き込み戸を利用する間取り
結婚して間もないご夫婦など、子供の人数が分からない場合で家を建てる場合は、ホールにしておき、そこに2枚か3枚の引き込み戸を設置しておくと子供部屋にも対応できます。
セカンドリビングや書斎、在宅ワークの部屋など多目的に利用できます。
この際、パネルドアだと光を通しやすいデメリットがあるので、子供部屋にするには不向きです。
4,大きな部屋を間仕切りする
・間取りの段階から、暖冷房やスイッチなど分けられるようにしておく
注文住宅を建てる際、あとから2部屋に分ける計画がある場合は、最初の段階から2部屋に分けられるようにしておくのが良いです。
窓、ドア、照明、物入(クロゼット)コンセント、スイッチのほが、北海道だと暖房(本州だと冷房でしょうか)など分けられるように設計しておきます。
・防音に気を付ける
部屋を後から間仕切りする場合、または物入を挟まない壁ひとつの間取りでは、防音遮音する壁構造をお勧めいたします。
生活音もありますが、思春期に音楽を聴き始めると、スピーカーから音を鳴らしたり、楽器を弾いたりし始めます。
また、どちらかが受験シーズンの時に勉強に集中できないかもしれません。
音が気になるようでしたら、ボードを2重張りにしたり、遮音シートを張るのも良いです。
吸音させるにはグラスウール等を詰められると効果的です。
大建工業 遮音シートhttps://www.daiken.jp/sounddesign/lineup/15100200.html
DIYされるなら価格の目安は、楽天市場 遮音シート
・界壁を作るとさらに効果的
音は回り込む性質があるので、天井からも音が伝わります。
アパートなどでは隣家の音が聞こえないよう界壁で間仕切りように建築基準法で決められています。
界壁というのは、壁を部屋の天井まででなく、さらに延長して天井裏まで伸ばす壁です。
ただし、後からやると少しお金がかかります。
その際は、天井にグラウウールなどを入れて吸音させる方法もあります。
ライフホーム設計ブログ 「手抜き工事で話題の「界壁」は、トイレの防音に役に立つ。」
・可動収納家具で分ける場合は、下がり壁などを残しておく
間仕切りできる収納家具が売られています。
移動できる家具は天井とピッタリの高さではない為、光や音が漏れてしまいます。
可動間仕切りの収納で考えられている方は、壁や下がり壁を新築時につけておくと、大きな隙間が出来ないので、光や音が漏れづらくなります。
間仕切りが出来る家具や本棚なども売られています。
・壁が残してあると、リフォーム代が安くなる。
きちんと子供部屋を間仕切りする場合は、新築時に壁をつけておくと、工務店での工事する部分が減るので,工事費用が安く出来ます。
5,子供部屋の基本
・2つ以上の子供部屋の環境は平等に
2つ以上の子供部屋の間取りで、部屋の広さや陽当たりが違い過ぎると兄弟喧嘩になりかねません。
なるべく同じ条件の部屋になるよう心掛けが必要です、
もしどうしてもそうなる場合は、よく事情を説明してあげたほうが良いです。
ハリーポッターは階段下の部屋でしたね。
・最近の子供部屋の広さは6畳以下にしてリビング学習
子供が低学年のうちは、親の目の届くリビングで学習させるのが良いとされています。(諸説ありますが)。
最近は、リビングを広くして子供部屋は狭くする傾向になり、広さも6畳以下が多くなりました。
・4.5畳、6畳、8畳の家具のレイアウト図
建物の規模にもよりますが6畳スペースにクロゼットを付けて、4.5畳、5畳、5.5畳くらいの広さでも、机、ベット、本棚は置けます。
ただ、スペースは狭いので家具のレイアウトは、あらかじめ考えておかないとなりません。
あまり模様替えは出来ないかもしれません。
子供が成人の部屋の場合は、6畳から8畳、洋服の多い女の子だと広めのクロゼット(ウォークインタイプ)が多いかもしれません。
・部屋の位置
子供部屋はなるべく良い環境にしたい場合と、親が陽当たりや風通しの良い位置にする場合に分かれますが、どちらかというと家にいる時間の長い子供の方を優先させる場合が多いかと思います。
ちなみに家相風水では、跡取りは北東に、良縁に恵ませるなら東南と言われています。
寝室は東南はいつまでも若々しく、北西は仕事運が良いと言われています。
(信じる人だけで良いです。子供は朝日にあてろということらしいです。)
・リビングを通って子供部屋に行く動線が主流に
2階に子供部屋がある場合、リビング階段にして家族と顔をあわせる機会の多い間取りが増えました。
これは平屋でも同じで、リビングに一度通って子供部屋から玄関に行く動線の要望が多いです。
ただ、お年頃になると異性を含めた友達が呼びづらいと昔は言われましたが、友達感覚に近い親子も多くなったためか気にしないお子様も増えたようです。
階段は「間取りの中心で、位置をきめる」と注文住宅で失敗しない https://lifehome-sekkei.com/index.php/2021/05/05/stairs-position/
おしゃれな平屋の注文住宅の設計②間取りの実例集 https://lifehome-sekkei.com/index.php/2021/03/31/bungalow-2/
6,最後に
子供部屋の間取りを作る上で、一番大切なことは健やかに成長するにはどんな環境で育てていけばよいかということです。
子供が成長してくるとある程度,性格に合わせた間取りが出来ますが、小さなうちはどれが正解か分からないかと思います。
後で仕切ったり、使い方で対応できる間取りにしておくのも良いかと思います。
今回のブログのご紹介した案が、皆様の参考になるものがございましたなら幸いです。
(子供部屋の間取りのご相談も行っております。*詳しくはホームページからご連絡をここをクリック)
ほかにも子供部屋の間取りに参考になるブログもございます。
子供部屋は寝室と同一階が理想
2階の子供部屋の位置を決める階段はどこに設置する
リビング階段のデメリットも知っておく
2階リビングの間取りの時の子供部屋は
家相風水の間取りの作り方。
海外の子供部屋の考え方は
防音効果のある壁の作り方
リビングを通ってゆく子供部屋の平屋の間取り集
初めて家を建てる際の心配事を解消します。
女の子のいる家庭で、要望の多い洗面所の鍵は付けると意外と不便
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせますように。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の設計業務に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
ここから設計事務所のCMです。
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのデザイン住宅を作ります。
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