注文住宅の近年の間取りでは「リビング階段(リビングイン階段)」が一般的になってきました。
ただ、失敗例やデメリットを知らないで建てると、後悔してしまいます。
今回は成功例や失敗の間取り図をもとに、デメリットを解消する方法を書いてゆきます。
目次
リビング(イン)階段のメリットデメリット
(1)リビング階段のメリットや成功例
(2)リビング階段のデメリットや失敗例
デメリット対策をした間取り
(1)階段の位置が重要になる。
(2)階段、ホールを囲う間取りにする
(3)暑さ寒さ対策をしておく
まとめ
リビング(イン)階段のメリットデメリット
(1)リビング階段のメリットや成功例
・メリットは家族のコミュニケーションが取りやすい
リビング階段とは「リビングイン階段」ということで、リビングの中に設置された階段のことです。
メリットしてこの間取りは、家族の集まるLDKを通って2階に行く動線になるので、顔を合わす回数が多くなりコミュニケーションが自然と取れやすい点があります。
海外で多く見られる「玄関近くにリビングがある間取り」と同じ効果があります。
(日本ではリビングは日当りの良い南の設計が多いですが、欧米では方位より家族がコミュニケーション取れることを優先した間取りにします。)
階段もリビング近くにあることが多いです。
・親が子供の管理がしやすい。
リビング階段の間取りは、2階に子供部屋を設けた場合、外出する際はリビングをかならず通るので、親が子供の在宅しているのかを把握しやすくなります。
そのため子育て世代に人気があります。
・おしゃれな階段は、リビングのアクセントになる。
リビング階段を、デザイン性のあるものにしてわざと階段材を魅せる(見せる)設計と言うのも近年は人気があります。
階段や手摺のデザインを骨組みだけにしたもの(シースルー)や、材料をスチールやアルミ主体にしたものなどは、部屋のアクセントになります。
吹抜けとも相性が良くデザインが際立ちやすくなります。
間取り制限や値段が高いメリットもありますが、建材メーカーから色々なデザインのものが出てきています。
YKK AP https://www.ykkap.co.jp/consumer/search/products/interior
(2)リビング階段のデメリットや失敗例
・音や臭いが2階に伝わりやすい
リビング階段の間取りは、テレビの音や台所の臭いなどが、扉(ドア)などの仕切りが無いので、直接階段から2階に伝わりやすいデメリットがあります。
お子様が受験シーズンになると、家族がリビングのテレビの音を小さくした生活はよくある話ですが、リビングイン階段はなお音を絞らなければならないことになります。
逆に子供が大きくなってきた際、生活時間帯が朝型、夜型に分かれるとリビングの音が親が気になって眠りずらくなることもあります。
・思春期の子供は友達が呼びずらい
親が子供の管理がしやすい面がありますが、子供から見ると友達を呼びずらい反面があります。
特に思春期になると嫌がる傾向にあります。
・来客の視線が気になる
リビングに来客があった場合、家族は1階に用事があるたびに顔を合わすことになり、視線が気になるデメリットがあります。
特に2階にトイレの無い間取りの場合、毎回顔を合わすことになります。
来客者には嫌味を言ってくる苦手なおじさんおばさんもいますが、
気にしないようにしましょう。
・暖冷房の効率が悪い
リビングは、階段を通して2階の廊下とつながるので、その分広い空間を暖冷房しなければ快適になりません。
その為、多くの熱量が必要になり、リビングの広さ以上の容量のエアコンや暖房パネルを設置しなければならず、暖冷房費がかかることになります。
容量が足りず寒くなる家も多く見られます。
・2階に行くのに遠くなる失敗例
玄関からすぐ2階へ行ける間取りと比べて、リビング階段は一度LDKを通らなければならないので動線が長くなりがちです。
特に北側に玄関があって、南側にLDKがある場合は、1階の廊下が長くなるうえ、2階も長い廊下になりがちです。
玄関で忘れ物に気が付いた場合、2階へ行くのが遠く感じます。
・テレビの前を横切る失敗例
階段がテレビの前を横切る位置にある場合は、見ている人の邪魔になります。
デメリット対策をした間取り
(1)階段の位置が重要になる。
先のデメリットや失敗例をもとに対策を考えてゆきたいと思います。
・階段の位置を少しでも近づける
玄関とリビングが離れている場合は、階段位置をなるべく手前に持ってくる設計にします。
間取り例(改善案)1
・階段への動線とテレビの位置を気を付ける
階段の登り口への動線と、テレビへの視線が重ならないように気を付けます。
テレビの位置を変えたり、登り口の位置を変えてうまくいく方法が無いか考えます。
間取り例(改善案)2
(2)階段、ホールを囲う間取りにする
・来客の多い家は、あらかじめ間取りで対策をしておく
また、来客が多い生活をされているのであれば、あらかじめ扉やロールスクリーンやカーテンなどで階段を隠せる間取りにする方法にしておきます。
間取り例、3
・音や臭いは扉で仕切る間取りに
受験シーズンなどに備えて、引き戸などのドアや可動間仕切りなどで階段を区画出来る間取りにしておくと、臭いや音が2階へ行かなくなるようになります。
間取り例、4
おしゃれなリビングのガラスの引き戸も販売されています。
・デザイン階段は、2階で対策をする
デザイン性のあるリビング階段の場合は、2階の廊下に引き戸などの扉を設置して音や臭いを防ぐが方法もあります。
パナソニック https://sumai.panasonic.jp/interior/
オシャレな階段は魅せる(見せる)ことも必要な為、1階の部分はいじらずに2階の廊下やホールで臭いや音を防げないのか考えます。
間取り例、5
こちらの改善案は、受験シーズンや煙がでる焼肉などの時は、2階のホールの扉を閉めておき、各部屋への音や臭いを防ぎます。
また扉が引き戸で区切れる設計なので、普段は開けっ放しにしておいても邪魔にならずにすみます。
2階の部屋ではなく、階段で焼き肉のよい匂いを嗅いだん(カイダン)ですね。(笑)
(3)暑さ寒さ対策をしておく
・暑さ寒さ対策は、高断熱ガラスにしておく。
暑さ寒さ対策としては、少し大きめの冷暖房器具で考えておく必要があります。
まだ建物の断熱なども良くしておくのも効果的です。
熱は窓を通して逃げやすいので、リビングの大きな窓をワンランク上の高断熱ガラスに変えるのも良いかもしれません。
LIXIL https://www.lixil.co.jp/lineup/window/erster_s/
建築途中で変更しずらいので設計段階から、ハウスメーカーや工務店に伝えておくことが大切です。
まとめ
リビング階段は人気のある間取りのひとつです。
特に子育て世代の方には、家族のコミュニケーションがとりやすいのでメリットが大きいと思います。
ただ、悪い例やデメリットを知らないと「リビング階段」の間取りで失敗や後悔をしてしまいます。
デメリットのある間取りとは何かを知っておくと、チェックできます。
またデメリットを抑える間取りは、今回ご紹介させていただいた以外にも色々対策方法はあります。
住宅メーカーにプラン依頼する際に「リビング階段でも2階に音が伝わらない対策をして欲しい」とか「寒さ対策の間取りで考えて欲しい」などデメリットを消す要望を伝えて設計してもらうのが良いと思います。
*ちなみにご自分で作ってうまくいかない場合や、ハウスメーカーや工務店からの間取りが対策がされてこない場合は当設計事務所でも間取りにアドバイスを行うサービスも行っています。(詳しくはコチラをクリック。ここでCMでした。(笑))
すぐ下に今回に関連するブログを載せておきますので、是非お読みいただければと思います。
・階段の位置によって間取りが大きく違う
・階段には一定の法則がある
・3階建の階段はどこにあるのがベストなのか
・リビング階段は荷物が上げずらい?
・ペットに合わない階段がある
・欧米と日本では、間取りの考え方が違う
・一流のハウスメーカーの間取りで後悔しないには
・子供部屋への動線計画で失敗しないには
・本当に今の間取りで建てて大丈夫でしょうか。
最後までお読みいただき感謝いたします。
今回の記事が、家づくりの参考になりましたなら幸いです。
あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
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