間取りは決定するまで、時間がかかります。
でも建築条件付きの宅地や、住宅会社の期間限定キャンペーンなどは早く間取りを決めなければならないケースもあるのかと思います。
期限内で良い間取りをつくるにはどうすれば良いでしょうか?
目次
1,相談の多い建築条件付きの間取り
2,失敗する原因
3,成功する進め方
4,最後に
(建築条件付きの土地を中心に書いていますが、間取り決める期間がない方もお読みいただければと思います。)
1,相談の多い建築条件付きの間取り
当設計事務所では間取りのご相談を受けています。
その中で、建築条件付きの宅地で検討されている方からのご依頼が多いように感じます。
土地の条件は気に入っているので早く決めたいのだが「どうしても間取りが気に入らない」「何回希望を言ってもそれに合わせた間取りを作ってくれない」という内容が多いように思えます。
猫の手を借りても解決しない(笑)
2,失敗する原因
(先に、「3、成功する進め方」を読んでからお読みいただいても結構です。)
(1)間取り決めの期間が短い
・建築条件付き宅地の場合、期間が決められている
土地を見に行ったら営業マンから「この土地を希望されている別の方がいるので、先に申し込みいただいた方と契約します」と言われ、あわただしく計画を進めたという話はよく聞きます。
さらに建築条件付きの土地は、土地の契約から3か月など一定期間内に、住宅の請負契約を行わなければならないという期限を設けられることがあります。
そのため、間取りも急いで決めなければならないことなります。
・意外と短い3か月
3か月だと13週か14週くらいになりますが、子供の行事など家庭の用事もありますので、限られた日数の中で色々決めてゆかなければなりません。
土地の契約の後、銀行で土地の住宅ローンの融資の手続きなどもあります。
せっかくなのでキッチンやお風呂などもいろいろショールームも見て回る時間も必要かもしれません。
建築費を予算内に調整しなければならない、仕様も決めなければならないなどで、じっくり間取りに時間をかけられないことも多く見受けられます。
運動会や学習発表会などイベントとぶつかることもなぜか多い
(2)希望の間取りが出てこない
注文住宅の場合、ハウスメーカー工務店など数社にプラン依頼をすると、違う間取りで比較し検討できます。
その中から希望に近い間取りを選ぶこともできます。
でも建築条件付きの土地の場合は、1社の間取り図だけで検討することになるので、比較することはできません。
・間取り設計が得意でない会社がある
住宅メーカーでも、間取りが得意でない会社があります。
建築条件付きの住宅を販売しているところが、注文住宅をあまりしていない不動産会社やリフォーム会社の場合があります。
また建売や分譲住宅などがメインの住宅会社なども販売しているケースも多くあります。
そのような会社だと、間取りを打合せして作ってゆくことに慣れていないかもしれません。
また中古住宅や建売などは2,3回の物件の案内で決まるケースが多く、建築条件付きのような何度も間取りや仕様などの打合せが煩わしいかもしれません。
先日、ご相談を受けた方のお話だと「次回までにお客さんで間取り考えておいてください」と丸投げされてきたとお聞きしました。
・営業担当者が間取りを考えていることもある
ハウスメーカーの多くは設計士が少ないため、営業担当が間取りを考えているところも多いと聞きます。
建築の資格を持たない営業マンに希望を伝えても、それに合わせた間取りを考えるのは、難しいかもしれません。
営業マンは打合せ以外に、融資の申し込み、見積もり依頼、資料作り、ミーティングなどあまり間取りに時間がかけられないことが多い。
(3)自由な設計でない場合もある
・自由設計ではなく企画プランから選ぶことも
オーダーメイド設計(自由設計、注文住宅)と書かれていても、実際は、2つか3つの間取りの中からしか選べないセミオーダー方式のような場合もあります。
また地下室や屋上バルコニーなど大きく構造に影響がある変更はダメなケースもあります。
好きな間取りで建築されたい方は、契約前に注意が必要です。
・仕様はどこまで変えられるかの確認する
またキッチンや洗面など設備機器や内装材は、自由に選べなかったりすることもあります。
家を建てる際に「○○メーカーのキッチンを付けるのが夢だったのに」「床は自然素材の無垢材にしたかったのに」ということもあるので、自由に選べるものは何かということの確認は大切です。
キッチンは一日で長くいる場所なので、こだわられる方も多い
・コーヒーブレイク(1)販売する会社の考え方は
建築条件付きの土地を販売している会社も、期間以内に請負契約を行わないと土地の解約をしなければならなくなります。
何度もプランを作って成約にならないと時間とお金の無駄になってしまいます。
土地を販売している会社や担当者は、出来れば2回か3回のプランや資金計画の打合せで、合意してほしいのが本音だと思います。
そのため、間取りが気に入ってもらえないお客様より、別に買ってくれそうなお客様にがいた場合、そちらに切り替えた方が成約の確率が高いと判断するかもしれません。
でも、家の購入は、人生の中でも最も高い買い物かと思います。
出来れば、失敗後悔なく理想の間取りで家を建てたいものです。
次の章に成功する進め方を書いていますので参考にしていただければと存じます。
3,成功する進め方
さて間取りで失敗しないのにはどうすればよいでしょう。
(1)まず間取りの要望を固めるのが基本
・家族に要望を出してもらう
希望の間取りにならない要因として、大きいのは家族の要望がまとまっていないことがあります。
要望の優先順位が分からないと、出てきたプランに対して正しい判断がつかないことになります。
そこでまず「家族が集うリビングを明るく楽しく過ごせる家にする」「収納を充実させてすっきりした生活にしたい」「家事動線は使いやすく」など家族に要望を出してもらいます。
要望を家族に箇条書きで良いので、どんどん出してもらうのが第一のポイントです。
間取り要望シートの参考ブログ https://lifehome-sekkei.com/index.php/2021/04/24/request/
・家族で要望の優先順位を決める
第2は要望をもとに、家族で話し合い、それらの優先順位を決めることです。
そうすると家族の意見もまとまり、住宅会社も間取りも作りやすくなります。
出来上がったものに対しても、お施主様も良い間取りなのか判断がつきやすくなります。
(2)設計の人と直接打合せする
・直接打ち合わせした方が、間取りはまとまりやすい
間取り決めの際に、設計士と直接打ち合わせをしたいと希望を伝えるのが良いかと思います。
住宅会社にいた経験から言うと、営業マンが聞き取りしてきた要望をもとに作るプランと、直接、打合せした場合とでは、間取りの希望の実現度は後者の方が圧倒的に高いということがあります。
直接打ち合わせを行うと、お施主様の要望の熱量が分かりますので、何を優先して設計すればよいかが分かるからです。
また、要望に対して、いろいろ案もその場で出して、まとめてゆくこともできるからです。
特に間取りがまとまらない場合などは、営業担当者に頼んでみるのが良いかと思います。
・あらかじめ設計士と打ち合わせの希望を伝えるのも良い
あらかじめ、土地の契約の際などに「御社の建築士さんと打ち合わせする」という希望を伝え、約束や条件を付けておくのも良いかと思います。
毎回でなくても良いかと思いますが、1回くらいは直接打ち合わせをされた方がより良い間取りになるかと思います。
忙しそうであればオンラインでもOKかと思います。
(3)土地探しの前に間取りを考えてみる
・あらかじめプランを作っておくと後悔失敗しない
土地探しの段階から間取りを作っておくのがベストです。
そうすると、先に理想の間取りが作っておけます。
自分で考えてみるのも良いですし、間取りだけ作ってくれる設計事務所もあるのでそこに頼むのも良いかもしれません。
土地が決まった際に、敷地に合わせて間取りの作り直しが必要ですが、何もないよりはあわただしく作らなくてよいので、時間的なメリットもあります。
(4)第3者の意見を聞く
・設計士にアドバイスをもらう
先に書きました通り、建築条件付きの場合、1社しか図面が出てこないので間取りの比較ができないデメリットがあります。
もし知人で設計に携わっている建築士さんがいれば、アドバイスをもらうのも一つです。
友人のつてをあたるのが良いかもしれません。
・間取りのセカンドオピニオンサービスを利用する
最近では、間取りのセカンドオピニオンサービスも行っている設計事務所もあるので、そこにアドバイスをもらうのも一つです。
有料ですが知人に設計士がいない場合は、利用するのも良いかもしれません。
アドバイスだけなら少額だと思います。
新しくプランを作ってもらって、比較検討するのも良いかと思います。
・不安なことも聞いてみる
ほとんどの方が、家を建てるのが初めてか、20年以上前に建てたという方がほとんどです。
セカンドオピニオンサービスなどご利用された際には、わからないことはいろいろ聞いてみるのが良いかと思います。
(設計事務所によっては間取りのことだけの質問を受けている場合もあるので依頼する際に注意は必要です)
・コーヒーブレイク(2)質問は何でも構わない。駆け込み寺的なお問い合わせも
当設計事務所でも、間取りの設計のご依頼や、セカンドオピニオンサービスでご相談を受けていますが、その際にはいろいろなことを聞かれます。
たとえば「天井が高いと寒いですか」「あそこの住宅会社の評判はどうですか」「不動産取得税はいつくらいに来るものですか」「次回の打合せの時、三文判で良いので印鑑持ってきてほしいと営業の人に言われたのはなぜなのでしょうか」「自己資金はどれくらい用意するものですか」など様々な質問を受けます。
建築条件付きの場合、そこの会社としか話さないので不安があるかと思います。
せっかくなのでいろいろ聞いてみるのも良いのかと思います。
当設計事務所の料金もわかるホームページはこちら https://lifehome-sekkei.com/
(ちゃっかりCMしてしましました。(笑))
4,最後に
建築条件付きの土地は、建売と違い自由設計の注文住宅を建てられるメリットがあります。
ただデメリットとして、短期間で決めなければならない制約があります。
忙しい時期やなかなか決められない方は、避けたほうが無難かもしれません。
でも時間もなくて、なかなか決められなくても、どうしても気に入った土地だった場合は、①家族の意見をまとめ、②間取りに詳しい設計士さんと打ち合わせを行い、③利害関係のない第3者(知り合いの建築士さんやセカンドオピニオンサービスを行っている設計事務所など)に意見を聞いて進めてゆくのが良いのかと思います。
下に今回の内容に関するブログを載せておきます。
参考にご覧いただければと思います。
・参考ブログ
・間取りで失敗しない方法
・セカンドオピニオンサービスとは
・家族の要望をまとめるコツ
・着飾ったモデルハウスより、実際の建築現場を見ると良い。
・本当はありのままの生活を見せた方が良い間取りになる。
・契約後に間取り変更はできるのか
・失敗しない土地の探し方。
・建築条件付きだと住宅メーカーが選べないので注意が必要
「住宅メーカーから週末の4日後までに間取り決定しなければキャンセルになる」と切羽詰まってプラン依頼をされる方もいらっしゃいます。
お困りごとがございましたならお気軽にご連絡いただければと思います。
今回のブログが少しでもみなさまの間取りを決めることの参考になりましたなら幸いです。
最後までお読みいただき感謝いたします。
あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。
ここから設計事務所のCMです。
・ブログを書いている設計士の紹介
田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士
建築設計事務所「ライフホーム設計」代表
*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。
(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)
貴方の想いをカタチに、一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。
詳しいプロフィールはコチラ
・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと
あなたの「思い」を「かたち」に「一緒に作る」注文住宅。
対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。
北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りのお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料)
札幌市近郊(江別市、北広島市、恵庭市、千歳市など)は出張交通費無料です。
新規プランのほか、ご自分で書いた間取り、工務店やハウスメーカーの作成したプランへのアドバイスやサポート診断を行う間取りの駆け込み寺「セカンドオピニオンサービス」も出来ます。(電話メールオンラインで全国対応)
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