東日本大震災から10年、津波の避難を考える

もうすぐ東日本大震災から10年が経とうとしています。

災害に遭われた方々の心の傷が、少しでも癒えることをお祈り申し上げます。

津波避難のポイント図

10年前の震災の札幌での様子
北海道札幌でも長く揺れていた。

私は地震が発生した時、その頃に勤めていた住宅メーカーのビルの2階にいました。

それまで経験したことのなかったとても長い揺れでした。

その後、ラジオで東北地方の太平洋側の海が震源地だと知りました。

 

テレビで津波の様子を見る

夜に帰宅してテレビを見て衝撃を受けました。

自分が見た津波の映像とは全く違っていました。

クルマや家などが街ごと流されていました。

恐怖を感じるとともに、仙台にいる友人は大丈夫だろうかという不安な気持ちになったことを思い出しました。

(友人たちは幸いなことに無事でした。)

伊達政宗




津波の避難ポイント
遠くの高台より近くの高いビルへ

津波の避難方法の図

 

津波の心得

避難ポイント

日本気象庁「避難の心得(津波編)より抜粋 https://tokusuru-bosai.jp/refuge/refuge04.html

 

以前は、「高台まで逃げろ」ということを言われてきました。

東日本大震災以降は、逃げる時間がない時は、「頑丈なビルなどの高い階へ避難せよ」という垂直避難という考えに変わってきました。

その為、自治体で津波に強く一時的に避難が出来る「津波避難ビル」などの建設も進められるようになりました。

津波避難ビルのマーク

 

クルマを使用しない避難を

もうひとつ、震災以降に教訓になっているのが、高台へ移動する場合は、徒歩で逃げられる人は車を使わないことがあります。

以前のブログにも書いたのですが、東日本大震災の際、移動するクルマが大渋滞を起こし津波に巻き込まれてしまったことが多くあったからです。

自力で動けない高齢者や体が不自由な方に、クルマでの移動を譲り、動ける人は自分の足で避難することが大切です。

渋滞している自動車

 

妻の実家が海に面している

妻は稚内出身で、両親は仕事が昆布とりの漁師だったので家の前が海でした。

すでに二人とも亡くなっていますが、家は残してあり、たまに帰ることがあります。

震災後、津波が来たらどう避難するか考えてみたりしました。

防波堤ドーム

稚内の防波堤ドーム

 

避難しずらい環境

廻りは漁村で、周りに避難が出来る高い建物も無いので、近くの山まで逃げるしかなさそうでした。

ただ、近くの山はフェンスに囲まれた自衛隊の駐屯地の中にあり、そこの門まで大人の足で徒歩で10分くらいの距離がありました。

基地に入っても、急こう配の山を上がらなくてはならないので、津波が到達時間が短いとこれは厳しいかもしれないと考えられました。

高齢者がいた場合などのクルマでの移動も、高台までは曲がりくねった細い一本道を上がらねばならず、渋滞が予想され避難には厳しい環境だと思われました。

利尻富士

家は利尻富士が見えるノシャップ岬のすぐそばに

 

避難しずらい街は多くある

30年以内に予想される日本の海の地震の分布図

漁村の避難ビル

水産庁 資料よりhttps://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_hourei/pdf/0525_2_3.pdf

 

札幌から稚内まで海沿いを走ると、こういう町は多く点在していると感じます。

水産庁の資料によると約7割の漁港集落(漁村)が、緊急的な津波避難施設がないようです。

北海道南西沖地震の奥尻島のように、地震とほぼ同時に津波がやってくることもあり、自然災害はどんな施設を作っても避けられない場合があります。

それでも災害時に少しでも助かる人が増えるなら、避難施設が多く出来てきて欲しいと思います。

ノシャップの漁港

 

災害に対して学ぶ機会に

東日本大震災の発生した日に、災害について考えてみるのも良いかもしれません。

いろいろ調べて、行動するのも良いかもしれませんね。

たとえば、避難場所までのルートを調べて確認したり、本棚を固定する方法を調べて取り付けたりするなどです。

私も設計士として、災害に強い家とは何かをこの日に改めて考えて学び、今後の家を建てる仕事に生かしてゆきたいと思います。

海の夕日

ノシャップ岬の夕日

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

一日も早い災害復興と、あなたの住まいがより良くなり、皆が楽しく幸せに暮らせますように。

 

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