家を建てることは人生の一大イベントです。

特に30代で初めて家を建てるとなると、不安や心配事も多いことでしょう。

今回は、よくある不安とその解消方法について、アドバイスさせていただきます。

 

 

1,将来のライフスタイルの変化に対応する間取りに

 

家族構成やライフスタイルは、時間とともに変わるものです。

将来を見据えた間取りにすることが重要です。

例えば、子供が増える可能性を考慮して、最初から予備に一部屋を設けるか、将来的に部屋を増やせるような設計にすることを考えます。

また、老後の生活も見据え、一階に寝室を配置できる間取りなど、柔軟に対応できる設計が理想です。

 

a,フレキシブルな間取りにする

 

可変性のある間仕切りを利用し、家族構成に応じて部屋の使い方を変えられるようにしましょう。

 

・一つの部屋を2部屋に間仕切りできる間取り

一部屋を間仕切り壁で仕切った間取り例

 

新築時、家族人数がまだ決まってなかったり、子供が小さい家は、将来、一つの部屋を引き込み戸で間仕切りできると使い勝手が良くなります。

間取り実例のように3枚の引き込み戸で最初から仕切れるようにしておけば、当初は開けっ放しにしておいて、区切りたい時期がきたら、閉じれば簡単に2部屋にできます。

 

 

・間仕切りドアは白色のハイドアだと広く見える

 

ハイドアの間仕切り壁

パナソニック https://sumai.panasonic.jp/interior/

 

天井近くまであるハイドア(背の高い戸)だと、戸を開放(開けっ放し)にしている時は圧迫感が少なく区切られている感じがあまりしません。

また、間仕切り壁として使う際は壁紙に近い白色のほうが、ドアの存在感が少なくなります。

 

 

b、1階のリビング横に小部屋を設ける間取り

 

お子様が小さいうちは、部屋が散らかりがちです。

不意のお客様があった場合に困ります。

 

・1階リビング横に仕切れる小部屋のある間取りの実例

 

リビング横に小部屋のある間取り図

そうした場合は、リビング横に可動間仕切り(引き込み)戸で仕切った小部屋の間取りが有効です。

その小部屋を遊び部屋としておくと来客があった場合、ドアを閉めればリビングはきれいに見えます。

また、個室を与えるまでは勉強部屋にしておけば、家事をしながら子供の様子を見ることもできます。

 

リビング学習

 

子どもが育った後は、書斎など趣味の部屋として利用します。

高齢になった場合、寝室として利用できるメリットもあります。

部屋は広く取れなければ2畳から3畳でも良いのかもしれません。

人気のある間取りです。

 

 

c,親との同居(2世帯住宅)にも対応する

 

将来的に親との同居が考えられる場合は、それを考慮した設計を検討してみましょう。

 

・二階にセカンドリビングが出来る間取り

2階にセカンドリビングが将来作れる間取り図

 

親世帯と子世帯では、朝早い夜遅いなど生活リズムが違うことがあります。

気兼ねなく生活できるようセカンドリビングを設けるのも解決方法の一つです。

同居するまでは、子供の遊び場や洗濯干し場や書斎など多目的ホールとして利用しておきます。

将来、同居する確率が低い場合は、ミニキッチンやテレビなど予備配管だけしておく方法もあります。

 




 

 

2,リビング階段など子供部屋への動線を考える

 

リビング階段は、リビングから2階に上がる階段のことを言います。

 

・リビング階段の間取りの実例

 

リビング階段は、家族と顔を合わせる回数が多いので、コミュニケーションが増えるメリットがあります。

小さいお子さんのいる家庭では、帰宅した時の様子などがわかることもありリビング階段の間取りは人気があります。

また、住宅のデザインとしておしゃれに見せるオープンな階段や手すりなども人気の要因です。

 

デザイン階段

YKKap https://www.ykkap.co.jp/

 

・デメリットもあることもいれて検討する

 

ただ、デメリットとして、熱が逃げやすい、音やにおいが個室まで届きやすい、オープンな階段にした場合は、お子様の隙間からの転落などの危険性があります。

それらを考慮してリビング階段の間取りは取り入れるのが良いかと思います。

 




 

 

3,収納スペースの不足での後悔

 

収納スペースを十分に確保することは、快適な生活を送るための基本です。

 

a、シューズクローク、パントリー、サニタリー収納は人気トップ3

パントリー(食品庫)、サニタリー収納(タオル収納)シューズクロークを間取りに設けることは大変効果があります。

これらは、間取りでの要望も多く人気があります。

 

 

b、便利なシューズクロゼット

 

・お子様のいる家庭で人気、寒冷地ではメリットも

 

特にシューズクローク(シューズクロゼット)、土間収納と玄関横に収納を設ける間取りはお子様のいるお施主様からは要望が高いかもしれません。

外遊びなどの道具、スポーツ道具、キャンプなどのアウトドア用品やベビーカー、三輪車など入れるのに有効です。

私の住む北海道では、冬に雪をだらけになったコートなど室内に持ち込むと床がびしょびしょに濡れますので、コート掛け兼用にすると乾かすのにかなり便利です。

 

・シューズクロゼットにも種類がある

 

シューズクロークの間取り(ライフホーム設計)

シューズクロゼットの間取りにも2種類あります。

シューズクロゼットを通過できる動線の間取りをウォークスルー型といいます。

通過できないのがウォークイン型と言います。

家族とお客様の玄関を分けれるので、ウォークスルー型は玄関がすっきりします。

収納量は同じ面積であれば、人の通り道が少なくて済むのでウォークイン型のほうが多く入るメリットがあります。

来客が多い少ないでどちらかに決めるのも良いかもしれません。

 

シューズクロゼット

 

 

C、ウォークインクロゼットも定番化、最近ではファミリークロゼットも人気

 

・ファミリークロゼットは家事が楽

 

寝室にウォークインクロゼットを設ける間取りは定番化してきています。

最近では、個室にクロゼットを設けずに家族の服をまとめて収納するファミリークロゼットも人気があります。

洗濯物を各部屋に持ち込まなくていいので家事が楽になるメリットがあります。

 

1階にファミリークロゼットがある間取り

 

・設置する階によってメリットが違う

 

ランドリールームとファミリークロゼットを繋げる動線の間取りは家事が楽になります。

一方、2階にファミリークロゼットを設けると、寝室からすぐ取りにけるメリットがあります。

ファミリークロゼット

クロゼット内に姿見(鏡)を付けるのはお勧めです。

 

d、階段下収納なども有効

 

それぞれの家庭によって必要な収納量が違います。

それらが足りるよう物入などの広さを考えましょう。

階段下収納や床下収納、納戸などを間取りに設けるのも有効です。

寒冷地ではない地域の方だと、屋根裏も収納にできます。

 




 

 

4,部屋の広さと配置

 

a、部屋の広さ

 

リビングやキッチン、寝室など、各部屋の広さが十分であるかを確認しましょう。

各部屋の広さが十分かどうか、実際に家具を配置するシミュレーションを行うのが得策です。

 

b、部屋の配置

 

部屋の配置は、家の使い勝手に大きく影響します。

廊下は長くないほうが、生活動線は短くて済みます。

同じ坪数なら、廊下の面積が小さいほうが各部屋が広く取れます。

 

廊下の長い家と短い家の間取り

 

 

c、普段使うキッチンのレイアウトは大切

 

キッチンは、家事動線を考慮して設計することが重要です。

ダイニングやリビングとの位置関係を考え、効率的な動線を確保することが快適な生活につながります。

対面キッチンは一番人気です。

キッチンの背面に冷蔵庫や食器棚を置けるレイアウトにできるので家事が楽になります。

対面式キッチンと独立型キッチンの作業動線のメリットを説明した図

 

 

 

d、キッチンとダイニング横並びは広さが必要

 

・キッチンダイニング横並びのレイアウトの間取り実例

 

 

最近では、キッチンとダイニングテーブルを横に並べるレイアウトも、配膳が楽なので人気が出てきています。

但し、LDK全体では広い面積が必要で、柱や梁の補強が必要なケースもあるので建築費が上がる傾向があります。

全体の床面積の坪数を見ながら間取りを選択するのが賢明です。

 





 

5,家事のしやすさ

 

家事動線の効率化は、毎日の生活を快適にするための重要なポイントです。

キッチン、洗濯機置き場、干し場の配置が近いほうが家事は楽になります。

 

ランドリールームとキッチンが近い間取り

但し、生活動線と家事動線が重なる間取りは、朝など家族同士がぶつかりやすいので注意が必要。

キッチンを通過しないと洗面所にいけない間取り図

 

 

6,日当たりと通風

 

自然光を取り入れ、風通しの良い家は、快適な生活環境を提供します。

間取りを決める際には、窓の配置や大きさを考慮し、日当たりと通風を確保しましょう。

 

間取りで換気が入れ替わりやすい比較

 

7,予算とコスト管理

 

予算内で理想の家を建てることは、誰もが望むことです。

間取りや仕様が予算内で収まるかどうかを確認し、無理のない範囲で計画を進めましょう。

住宅ローンの返済が負担になるほど建築費が上がるものはやめたほうが良いかと思います。

全体的なバランスが大切です。

それには優先順位を家族で話し合って決めることが大切になります。

 

家族会議




 

8,まとめ

 

初めての家づくりは、不安や心配事が多いものです。

今回ご紹介したポイントを参考に、ご家族と一緒に楽しく家づくりを進めてください。

家族のライフスタイルやニーズを反映した間取りを作り上げることで、長く快適に暮らせる住まいを手に入れることができるでしょう。

 

また、お知り合いに建築士などがいれば相談してみるのも一つです。

しっかりとした計画と専門家のアドバイスを受けることで、その不安は解消され、理想の住まいを実現することができます。

お知り合いに設計士がいない場合は間取りのセカンドオピニオンサービスを行っている設計事務所もあります。

そちらに相談してみるのも良いかと思います(当設計事務所でも行っています。ちょっとCMでした)。

今回の記事に関連したブログも、よろしければお読みください。

 

・階段の位置で失敗しない間取りとは

階段は「間取りの中心で、位置をきめる」と注文住宅で失敗しない

 

・家事動線のすっきりした間取りとは

らくらく家事動線の失敗しない良い間取り

 

・子ども部屋を引き戸以外で間仕切る方法を紹介

子供部屋で失敗しない注文住宅は、間仕切りを引き戸の間取りに

 

・シューズクロゼットのウォークイン型などを詳しく説明

失敗しないシューズクローク。間取りで人気の玄関は①札幌も

 

・ランドリールームのレイアウトのコツ

おしゃれな洗面所ランドリールーム①おすすめの間取りの注文住宅

 

・狭いスペースでもたくさん収納できるコツ

後悔した注文住宅ランキングTOPの「クロゼット収納」を解消する方法

 

・最近の子供部屋とリビングの間取りの傾向は

子供部屋は間取りで後悔するが、リビング動線と4.5畳の広さで上手くゆく

 

・家族会議をうまくまとめるにはノートが必要

注文住宅は「家族の要望シート」で間取り設計は失敗しない

 

・間取りのセカンドオピニオンとは

「注文住宅は2度ベルを鳴らす」間取りのセカンドオピニオンサービス

 

最後までお読みいただき感謝いたします。

あなたの住まいがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。

 

前川邸のリビングにいるブログを書いている設計者

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打ち合わせの様子

田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士

建築設計事務所ライフホーム設計」代表

*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。

(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の間取り設計に関わる)

貴方の想いをカタチに一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。

詳しいプロフィールはコチラ

 

 

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