注文住宅で子供部屋をどこの位置の間取りにするかによって、子供のその後の成長に大きく影響を与えます。

たとえば欧米は、玄関とリビングがつながってる間取りが多く、家族が顔を合わせる機会を多くして、絆が深まるようにしています。

今回のブログは子供部屋とリビングとの位置関係や、成長に合わせた間取りや広さなどを書いてゆきたいと思います。

 

おもちゃで遊ぶ子供

目次

1、子供部屋の間取りの考え方が変化。

2、見直された間取りと動線

3、リビングを広く、子供部屋を狭く

・4.5畳の子供部屋の理想のレイアウト例

・ちょっと休憩、家相風水での子供部屋

4、気を付けたい「間取り」のポイント

5,最近の人気は「リビング横の小部屋」(設計例)

6、幼少期や将来の子供の人数が分からない場合の対処法と実例

 

子供部屋

 




 

 

1、子供部屋の間取りの考え方が変化。

 

・少年犯罪がきっかけ

 

昭和の後半から、平成の前半に、少年たちが起こした凶悪犯罪が多発しました。

子供部屋に関して、共通点が多いことがあり、間取りが見直されました。

 

 

・親の顔を見ないで外出できる間取り

 

共通していた点の一つが、子供部屋から親の顔を見ないで外出できる間取りでした。

子供部屋が、母屋でなく離れ(別棟)であったり、ガレージから自由に出入り出来る動線の間取りでした。

母屋と離れ

 

 

・団欒(だんらん)する部屋(リビング)と子供部屋が離れていた。

 

子供部屋が、リビングから離れていた間取りも、共通していました。

静かな環境の方が、勉強が出来るのではないという考えがあったと思います。

しかしコミュニケーションが取りづらい間取りでした。

リビングと子供へが離れている間取り

 

 

・親の寝室と子供部屋も離れていた

 

親の寝室と子供部屋も離れていた間取りも共通していました。

親の寝室が1階にあり、子供部屋が2階と分かれている間取りなどです。

2階が子供だけの領域になってしまいました。

以上の共通項がありましたが、その当時では多い間取りでした。

積み木くずし

くずれた積み木(昭和の人だけ見てわかる)




 

 

2、見直された間取りと動線

 

子供部屋のあり方が問題視され、子供と親が、コミュニケーションを取りやすくする間取りに近年は変わってきました。

 

・リビングを通って子供部屋に行く間取りに

 

子供の毎日の様子や、どんな友達が来てるのかなど、顔を合わせられる間取りがベストです。

それはリビングを通らないと外出できない動線の間取りです。

具体的には、リビング横の子供部屋や、2階に子供部屋だとリビング階段の間取りになります。

 

リビング階段のある間取りと動線

 

・欧米では玄関近くにリビングが基本

 

リビングの位置は、日本では家の中で一番日当たりの良い位置の間取りですが、欧米は玄関横にリビングルームが基本になっています。

これは顔を合わす頻度が高くなるので家族間でもコミュニケーションが取りやすくなるメリットがあります。

これに近い間取りにするのが最近は人気があります。

参考ブログ 欧米と日本の間取りの違いは。1、リビングの位置が違う

アメリカの住宅の間取り図

 

 

・寝室と子供部屋を同じ階にするメリット

 

昭和は、1階に寝室が普通でしたが、平成になって、2階の子供部屋と同一階にする間取りが増えました。

2階を寝室にすることによって、1階の間取りの面積に余裕ができ、その分リビングを広く出来きるメリットができました。

 

リビング横にある和室

以前はリビングの横に和室(仏間)の間取りが一般的でした。

 

 

・親と子の部屋が、離れてしまう間取りの対応

 

リビングや寝室と子供部屋が離れてしまうと、何をしているかが分かりづらくなるので、近くした間取りがベストです。

ただ、親の介護などの関係で親と子の寝室が離れてしまう間取りにせざるを得ないケースもあります。

その場合は、子供部屋の近くに、納戸や物入、洗濯物干しスペースなど、親が自然に行けるスペースを作る間取りが良いかと思います。

 

 

・間取りで対応できない場合は、家族のルールきめが必要

 

敷地的に自然に子供部屋に行けない場合などは、住み始める前にルールを作るのも良いかもしれません。

欧米では、早くから子供部屋を与える風習がありますが、その条件として、「自分たちで管理(片付け)する」「親がノックしたら必ずドアを開ける」などルール決めを小さいころから徹底させています。

欧米では大人になったら家から出て行ってもらうという文化なので、なるべく子供部屋は簡素に作るようです。

 

勉強する女の子




 

 

3、リビングを広く、子供部屋を狭く

 

・親の目の届くリビング学習させるのが流行に

 

一流大学に行く子供は、リビングで勉強していたということが、一時期、話題になりました。

「お母さんが家事をしていても、すぐに、わからないところを教えられる」「勉強を習慣づけるのにもメリットがある」などを推奨されていました。

これは子供も、勉強の息抜きにお母さんと会話できるなど、個室よりコミュニケーションが取れるメリットがあります。

また対面キッチンにして、食卓テーブル近くに、勉強できる長机(スタディカウンター)を置くレイアウトが、モデルハウスなどでその後、流行りました。

現在も、キッチン近くで勉強させる考えは人気があります。

キッチンのそばで勉強する子供

カレーの香りの誘惑には勝てないかも

 

 

・子供部屋の広さ、最近は狭くしてあまり快適にさせない

 

以前、子供部屋は、快適にして勉強をさせようと、部屋も広めでした。

友達が遊びに来ても大丈夫なように、8畳から10畳くらいの部屋もありました。

現在は、寝る時、勉強する時、一人になりたい時だけに使用してもらう考えが多くなり、そのため狭くして、快適にさせない傾向にあります。

勉強机とベットと本棚が置ける、4.5畳、5畳から6畳が多くなりました。(クロゼット、洋服入を除いた広さです。)

子供部屋の学習机

 

4.5畳の子供部屋の理想の家具のレイアウト例

理想の4.5畳の子供部屋の家具のレイアウト図

 

机の上が見える位置の方が、何をしているかが分かるので子供を管理しやすくなります

また、机の前が壁の方が外が気にならないので集中しやすくなります。

ドラえもんののび太君の部屋は、悪い例かもしれません。

また窓は2つあった方が風通りが良くなるので換気にはよくなります。

どら焼き

 

・兄弟姉妹のいる場合は部屋の大きさは平等

 

年齢の離れていない兄弟がいる場合は、喧嘩にならないように、部屋の広さは同じにするのが基本です。

そうならない場合は、収納を増やしたり日当たりをよくするなど間取りの工夫をするのが良いかと思います。

 

兄弟喧嘩

 

 

・女の子のいる部屋の場合、洋服入れは少し大きめに

 

女性は洋服やバックなど収納スペースが必要になることが多いです。

その為、女の子の部屋は少し収納を大きくした方が、将来も部屋が片付きます。

男の子と女の子の兄弟姉妹がいる家庭では、女の子は、広さより収納の割合を、大きくする方法が有効です。(例、子供部屋7畳スペースの場合、男の子 広さ6畳✙物入1畳、女の子 広さ5畳+物入2畳など)

着せ替えの洋服

 

 

ちょっと休憩。家相風水での子供部屋

(家相風水は気にならなければ、特に気にしなくてもよいです。)

 

・風水では、子供は朝日が当たる部屋、跡取りは北東、良い縁談は東南と言われています。

 

家相では仕事を継がせたい子供は北東に、良い縁談が来るには東南の部屋が良いと言われています。(東南は、音楽を伸ばさせたい場合も)
また、風水では明るい部屋が基本で、朝日を当たる向きの部屋がベストとされています。
それが出来ない場合は、内装や照明などは、明るくしなさいと、言われています。
ちなみに、事業運を上げるには、夫婦の寝室(もしくは仕事部屋)は北西です。

また一方で、夫婦の寝室も東南に持ってくると、いつまでも若々しくいられるとも言われています。

子供を優先させるか、若々しさを保つかの優先順位は悩みどころかもしれませんね(笑)。

陽が入る窓

小さい頃は、神様がいて~♪

 




 

 

4、気を付けたい「間取り」のポイント

 

・祖父母の部屋の真上に、子供の遊び部屋を、持ってこないこと

 

子供は、どうしても飛び跳ねたりしがちです。
歩き方も、かかと歩きのガンガン、ドンドンも多く、静かに歩いてくれません。
子供が遊ぶ部屋の下に、祖父母の寝室などがあると、足音のストレスが溜まってきます。
意外と盲点で、住宅メーカーの間取りでも、多く見られるので、気を付けたほうが良いです。

2階の足音

 

 

・子供はいずれ出て行く。建築中に出て行くケースも

 

子供が出て行った後のことも、考えておいた方が良いです。

子供の年齢が高い場合、家を出て行った後の暮らしの方が長くなります。

年頃のお子さんがいる場合、引っ越して1,2年で結婚して出て行くのはよく聞く話なのです。

以前、建て替えてる途中に、子供が皆、結婚して出て行くことになったこともありました。

(新築祝いと結婚祝いと出産祝いのトリプルのめでたさに)

結婚式の両親

 

 

・将来的のために利用しやすく

 

お子様が比較的大きい中学生、高校生くらいだと、3,4年くらいで家を出てしまうかもしれません。

そのため将来その部屋をどのように使用するかを、考えておくのが良いかと思います。

趣味がある方は、家を建てる際に利用しやすいように造っておくのが良いかもしれません。

たとえば音楽や映画がお好きなら、AVなどの防音対策をあらかじめしておく(遮音シート、コンセント関係など)、本が多い方は、あらかじめ造作で本棚を造っておくなど、将来を見越して家を建てるのも良いかと思います。

 

造り付けの本棚

 




 

 

5,最近の人気は「リビング横の小部屋」(設計例)

 

・リビングをきれいおしゃれに使いたい場合、リビング横に、小さな遊び勉強スペース

 

幼稚園くらいの小さい子供がいる場合、どうしておもちゃなど遊び道具で、リビングがごちゃごちゃになってしまいがちです。

不意に義理の親が来たり、友達のお母さんが遊びに来るケースがあるかと思います。

その際、リビング横に小部屋があると便利です。

リビング横に遊びコーナーのある間取り図

 

小さい時は、そこを遊び部屋にしておけば、不意の来客でも、扉を閉めれば隠せられます

また夜までリビングが散らかっていても、そこを閉めれば目に入らなくなるので気が滅入りづらくなります。

小学生に上がれば、勉強できるスペースとしても活用できます。

子供がさらに大きくなって、個室で勉強するようになると、家事コーナーや書斎に活用もできます。

最近、注文住宅で人気のある間取りです。

 

勉強する子供を見るお母さん

 




 

 

6、幼少期や将来の子供の人数が分からない場合の対処法と実例

 

子供は、神様からの授かり物と言われていますので、計画的にはいかないものです。

結婚してすぐ家を建てられる方は、昔と比べて多くなっているような感じはしています。

その場合、子供の人数が分からないので、いろいろ対処できるように設計しています。

いくつかの実例をお伝えいたします。

 

・多目的ホールにしておいて間仕切れる間取りに

 

最初から部屋にしておく方法と、少し大きめの部屋を区切れるようにしておく方法があります。

後から、改築リフォームで区切る壁を付けると、費用も時間も新築時に行う場合と比べてかかります。

対応しやすいように、最初は多目的ホールにしておいて、可動間仕切りや引き込み戸で仕切っておくのも、ひとつの方法です。

多目的ホールを子供部屋に改築しなくて済む間取り

 

・子供部屋同士を引き戸などで行き来できるようにする

 

幼少期は、寝る時に、親や兄弟などがいないと寝れない子供は多いです。

兄弟が2人以上なら、あらかじめ2部屋以上にしておいて、勉強部屋と寝る部屋の用途分けをします。

そして引き戸などで行き来できる形にすれば、人の気配が分かります。

上のお子様が隣で勉強していても、下の子供は眠る際は安心して眠ることができます。

2つの子供部屋を。一つのように使う間取り

子供部屋で行き来できるプラン、①

 

・遮音性を上げたい場合は、子供部屋同士を物入戸を挟んで工夫

 

扉だと遮音性は、間仕切り壁と比べて、構造上、隙間が出来るため悪くなります

以前、行き来もしたいけど、将来的なことも考えたいと相談の際に、行った事例です。

最初は、1つの部屋(勉強部屋と寝る部屋)として使い、将来は物入がクッションになり遮音性が良くなります。

子供部屋の改良された間取り




 

 

7,最後に

 

・親の思いを形に

 

家族のコミュニケーションが増えるほど、家族の絆(きずな)が深まります。

また住まいが人格を作るところがあります。

子供部屋から家族の将来を考えて、間取りを決めてゆくのも良いかもしれませんね。

下に今回の内容に関するブログを載せておきます。

参考にご覧いただければと思います。

参考ブログ

・日本ではリビングは日当たりの良い場所にするが、欧米では?

欧米と日本の間取りの違いは。1、リビングの位置が違う。

2つ以上の子供部屋の間取りは

子供部屋で失敗しない注文住宅は、間仕切りを引き戸の間取りに

平屋建ての場合の子供部屋について

平屋でおしゃれな設計の注文住宅①間取りのヒント編

3階建てはどこの階に子供部屋を持ってくる??

3階建ては老後に後悔するが、間取り対策すれば失敗しない

リビング階段で失敗しない為のブログ

大人の階段登る~リビング階段の後悔しない間取りの注文住宅

子供と楽しく過ごせるクリスマスのためのブログ

注文住宅のプランに、クリスマスツリーを入れて楽しいイブに

2階リビングでも子供とコミュニケーションが取れる間取り

家族とコミュニケーションが取れる住宅に、2階リビングの後悔しない間取り⑥

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「子供が立てこもれられないドアの付け方」「自分で書いた間取りが心配」などお困りごとがございましたならお気軽にご相談いただければと思います。

今回のブログが少しでもみなさまの間取りを決めることの参考になりましたなら幸いです。

最後までお読みいただき感謝いたします。

あなたの間取りがより良くなり、楽しく幸せに暮らせる家が建てられますように。

 

 

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・ブログを書いている設計士の紹介

打ち合わせの様子

田中昭臣(たなかあきおみ)1級建築士、宅地建物取引士

建築設計事務所ライフホーム設計」代表

*注文住宅の主としたハウスメーカーで設計を経験し独立。

(建築実績100棟以上、現在も月に2,3棟の設計業務に関わる)

貴方の想いをカタチに一緒に作る住マイルな住まいを目指しております。

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・北海道札幌の設計事務所「ライフホーム設計」のこと

 

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対話を大切し、住みやすい間取りのオシャレなデザイン住宅を作ります。

北海道の札幌市近郊のの一戸建て、新築、建て替えの平屋建て、二世帯住宅など注文住宅の間取りお悩みは、「ライフホーム設計」で個別相談を!(初回相談は無料

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